はじめに
月経カップは、欧米などでは当たり前に使用されていますが、日本ではまだ一般的なサニタリーグッズとは言い難い立場にあります。
「どんなものかは知っているけれど、使うのはなんだか不安」
そんなふうに思って敬遠している人が、日本にはまだまだ多いのではないでしょうか。
そこで、月経カップを使用することによって得られるメリットと、それに伴って生じるデメリットについて、簡単にご紹介していきたいと思います。
月経カップとは?
月経カップとは、月経中に腟内に挿入して経血を溜める、シリコンでできたカップのことをいいます。
経血が溜まったら便器内に捨てて再び装着することができるため、繰り返し使えてゴミが出ないというのが、ナプキンやタンポンにはない大きな特長です。
月経カップを使用するメリット
月経中のストレスが軽減される
月経中は、ナプキン交換の煩わしさやムレ・かぶれ、周囲ににおわないか、漏れたりしないかという不安など、心身にかかるストレスは相当なものですよね。
でも、膣内に挿入する月経カップなら、ムレやかぶれ、におい、漏れなどを軽減させることが可能ですし、プールや温泉などの利用もできるようになります。
何より、ナプキンのようにこまめに取り替える必要がなく、最長で12時間は挿入したままでいることができるというのがうれしいポイントです。
経血量は人それぞれですが、多い日でも3〜5時間はそのままでいられるので、忙しい人も安心です。
ナプキン・タンポン代の節約に
月経カップは、紙ナプキンやタンポンのように使い捨てず、繰り返し使うものであるため、月経中にかかるお金の節約につながります。
月経カップは1つ3,000〜6,000円くらいするので決して安くはありませんが、数ヶ月使えばすぐに元は取れますし、そろそろ閉経する年代というのでなければ、月経カップを使うほうがはるかに経済的と言えます。
亀裂や破損などがなければ、10年くらいは使えます。
ゴミが出ないから地球にやさしい
紙ナプキンやタンポンのゴミを出さずに済む月経カップの使用は、エコ活動にもつながります。
月経カップを使用するデメリット
慣れるまではちょっと大変かも?
月経カップには、U字型・つぼみ型などの種類があり、挿入方法にも、セブンフォールドやハーフダイヤモンドなど、いろいろなやり方があります。
膣の形は人それぞれなので、どれが自分に合うかは実際にいろいろ試してみなければわかりません。
また、タンポンを使う習慣がある場合はさほど抵抗感はないかもしれませんが、普段ナプキンしか使わない人や性交渉経験がない人などは、少し勇気が要るかもしれません。
「月経カップが奥に入って取り出せなくなったらどうしよう」という不安もあるでしょうが、しっかり挿入されていなかったり、いつのまにか経血量がカップの容量以上に溜まっていたりすると、漏れの原因になってしまいます。
どうしても漏れが気になる場合は、ナプキンの併用をおすすめします。
このように、月経カップの使用に慣れるまでは、ある程度のトライ&エラーが不可欠ですし、それにかかる費用も考慮する必要があります。
手や周りが汚れる
月経カップを取り外すときは、どうしても手が経血で汚れます。
慣れないうちは、便器の周囲を汚してしまうこともあるかもしれません。
したがって、なるべく出先ではなく自宅で月経カップの取り外しを行うことをおすすめします。
常に清潔な手指で取り外しを行う
月経カップの取り外し・取り付けの際は、直接腟内を触ることになるため、トイレに入る前にまず手指をしっかり洗いましょう。
面倒ですが、腟内や月経カップを清潔に保つためには大切なことです。
月経カップの洗浄が必要
月経期間中は、月経カップを専用の石けんで1日1回以上洗浄しなければなりません。
それに加え、少なくとも、月経が始まって初めて使用する前と、月経が終わって片付けるときの2回は、煮沸消毒を行う必要があります。
これを聞いただけでうんざりしそうですが、電子レンジで煮沸消毒ができる洗浄カップもありますので、面倒に感じる方はこちらの利用をおすすめします。
また、月経カップの取り外しと石けんでの洗浄をシャワータイムにまとめて行えば、面倒くささを軽減できます。
まとめ
月経カップを使うメリットを知っていても、試行錯誤の段階で面倒になってあきらめてしまったという方や、こわくて使う勇気がないという方も多いかと思います。
月経カップの洗浄が億劫に感じることもあるかもしれません。
でも、月経中のさまざまな制限や煩わしさから解放されたいという気持ちが強い方なら、一度試してみることをおすすめします。
ちなみに、人間の膣の深さは平均7〜10センチ程度なので、月経カップが取り出せなくなることはまずありません。
万が一、自分で出せなくなっても産婦人科に行けば取り出してもらえますので、安心して使ってみましょう。