アルバイト先での出会い

私の通っていた高校は共学でもクラスは男女別で、校則に「不純異性交遊禁止」という項目まであったほど厳しい校則の学校でした。それもあってか多少の恋愛っぽいものはあったもののちゃんとした「彼氏」という存在はできませんでした。

大学に入学してすぐに2駅隣の大型ショッピングモールでレジのアルバイトを始めました。今振り返るとおそらくその時が、私のモテ期でした。正社員の方やたまたま買い物に訪れた同級生などに好意を持ってもらえたりして充実した日々を送っていたある日・・・。

たまたま物を取りに行った倉庫で、品出し担当の男の子から、もしよかったらと携帯番号とメールアドレスの書いた紙を渡されました。まったく意識したことのない人だったのですが、それを機に気になるようになりメールをしてみることにしました。

家から近めな場所だったこともあり、同じ歳だったので地元の共通の友人が判明したりと会話は弾みました。アルバイトが終わった後に、二人で話したりしていくうちに付き合うことになりました。

初彼氏です!!なんでもないフリをしていたけど常に内心ドキドキでした。一緒に映画をみにいったり、ベンチに座って片方ずつイヤホンを使ってお互いのおすすめの曲を聴いたり、夜の小学校を散歩したり、桜を見に行ったりと色んな思い出があります。一番の思い出はありきたりですが、観覧車のてっぺんに来た時にキスをしたことです。今思うとかなり甘酸っぱい思い出です。

しかし問題もありました。同じバイト先ということもありたくさんの人が私たちが付き合っていることを知って、私の知らない人までが私のことを知っているというような状況でした。そのためバイト先の休憩所でも気持ちが休まらないようになりました。一番やっかいだったのがお節介なお局アルバイトさんの存在でした。

私と同じレジで働いていた女性だったのですが、彼氏と仲がよかったみたいで付き合う前から応援してくれていたようでした。なので付き合ってからも彼氏がしょっちゅうその人にアドバイスを求めていろいろと相談していました。その女性から「誕生日プレゼントめっちゃ悩んでたよ」「大好きみたいで大切にされてるよね」とか話しかけられる度に、私の気持ちの中で彼氏への距離ができてしまったのです。

初めての彼氏ということでなかなか素直に自分を見せれないところもあったうえに、周りからのお節介もあって、どんどん心が閉じていってしまいました。気持ちが離れていくと相手の嫌なところに目がいきがちになってしまい悪循環でした。「お前のためにタバコをやめるよ」と言いながらもまったく禁煙できなかったり、レジの前を通るときにお揃いのネックレスをアピールしながら歩いてきたり、ラブラブだったら許せたことにも嫌悪感を感じはじめてしまったのです。その私の気持ちとは反対にどんどん盛り上がる彼氏。

なかなか別れ話も言い出せずに、私の19歳の誕生日がきました。彼氏いわく「19歳の誕生日にシルバーのものをプレゼントすると幸せになれる」ということで、お互いの名前の入ったシルバーのネックレスをもらいました。お互い大学生になったばかりでそんなにお金もなかったので、がんばってプレゼントしてくれた気持ちはすごく嬉しかったです。嬉しい半面、いつ別れを切り出そうか悩んでいた私にとって名前入りのネックレスは重くもありました。もちろんそのプレゼントのこともお局バイトさんは知っていました・・・。

周りが私たちのことを知りすぎていることになんだか疲れてしまって、ついに別れを切り出しました。初彼氏だったのでこれまた初別れ話でした。なので会う前から緊張で腹痛が。まさか別れ話をされるとは思っていなかった彼氏はイライラし出して話はなかなか進まず。けど正直なことが言えなかった私は最低なことに「好きじゃなかった」と言ってしまいました。今思うと素直になれなかった自分のせいで相手との距離を広げて最終的には思いっきり傷つけてしまいました。大好きでいてくれていることも、大切にしてくれていることも、十分に伝わっていたのに・・・。

その後もしばらくそこでアルバイトをしていたのできまずかったです。しばらくして私が他のアルバイト先に変えたのでそれからは会うことはなかったもののなんだか気になりショッピングモールでアルバイトを続けていた友人にさりげなく様子をきいたりしていました。数年後に私から連絡をして一度だけ食事に行ったけど特になにもありませんでした。

あれから10年近くたった今、私は結婚してアルバイトをしていたショッピングモールの近所に住んでいます。彼氏の実家はショッピングモールの近所だったので、そのうちどこかでバッタリとかあるのかなっと期待してしまっている自分もいます。きっと遭遇したとしても話すこともなくすれ違うのかもしれませんが、あの時の自分を謝りたい気持ちは今でもあります。初恋もそうですが、初彼氏という存在は一生の思い出ですよね。

投稿者:くーちゃん