10歳年上の美容師

私の初恋の人は10歳年上の美容師さんでした。
幼馴染の紹介で、軽い気持ちで行った横浜のとある美容室。
当時高校一年生だった私は、今までまともな恋愛経験もなく、女友達と遊ぶばかりでした。
その時に担当になった美容師さんは男性。
男性相手にあまり話をしたことのなかった私は、そこで緊張しつつもそのままカット台へ。
その時から、外見とオーラが他の美容師さんとは違うな、と感じました。
話しているうちに気付いたことは、お互い大の野球ファンであること!
周りは女の子ばかりで野球の話ができる友人はほとんどいなかったため、「この人と話していると楽しいな。ここに通おう。」と決めたのです。
後から気づいたのですが、その時にはすでに、彼に惹かれていたのかもしれません。
それから何度か通ううちに、「今度一緒に野球観戦へいこう。」と誘われたのです!
胸が高鳴りました。
その場でメールアドレスを交換し、しばらくやりとりをした後に、観戦の日取りを決めました。
本当に、あの人と出かけることができるんだ・・・。
そう思った瞬間、これは私にとっての初恋であると気づきました。
どうしよう、何を着ていこう、お洋服を新調してしまおうかな?
彼と二人きりでのお出かけが決まった時から、買い物へ行くと彼とのデートに着ていこうかな、このアクセサリーはどうかな、と彼のことばかり考えてしまい、今まで見てきたお店も輝いて見えました。
女の子だったらやっぱり、こういう時間って楽しいものですよね!
それと同時に、高鳴る緊張感。
それさえも楽しかったのです。

いざ当日を迎え、新宿駅の待ち合わせ場所まで向かいました。
ドキドキドキ・・・心臓が高鳴ります。
お洋服は変じゃないかしら、相手は美容師さんだし、髪型も気になるな・・・、そうして待っていると待ち合わせ場所に彼が。
美容室以外、お仕事モードでない彼を見るのは初めてで、ひと際かっこよく見えたのです!
「ごめん、待たせちゃったね。」「全然大丈夫だよ!」
そんなやりとりすら私にとっては初体験です。
観戦の時間はあっという間に過ぎ、帰路についている途中、小雨が降ってきました。
大した雨ではなかったので、お互い傘を差さずに電車の中へ。
すると突然、彼の手が私の頬に触れたのです!
え!?何が起こっているの!?
私の胸は今までにないくらい高鳴りました。
「ごめんね、ほっぺたに雨がついてたから。」
その時自分がどんな反応をしたか、頭の中がヒートアップして記憶にありません。

それからも数度二人でお出かけをしました。
いつもそれとなく引っ張って行ってくれて、優しい彼。
どんどん惹かれていく私。
けれどその時なにも経験がない私には、告白なんてする勇気はありませんでした。

最後に二人で会ったのは、彼の仕事帰りに待ち合わせて、おしゃれなカフェで軽食を取った時です。
その時私は高校卒業を間近に迎え、美容室へ行く回数も徐々に減っていました。
ああ、これで二人で会えるのは最後かもしれない。
そう思うと、楽しいはずの時間も切なさでいっぱいでした。

高校を卒業して、少しずつその美容室へ行くこともできなくなり、私の初恋は終わってしまいました。

けれど数年後、なんと違う美容室でばったり再会したのです!
会っていない数年の間に、私がたまたま訪れた美容室へ転勤していたのです。
その時成人を迎えていた私には他に恋人がいました。
それでも、彼は当時と変わらず、穏やかで優しい人。
初恋の気持ちを思い出して、甘酸っぱい気持ちで彼とやりとりしました。
その時はすでに、彼に対して恋愛感情はありませんでしたが、それでもやっぱり、美容室にいる間、ずっと幸せな気持ちでした。
やっぱり女の子にとって、初恋はかけがえのないもので、忘れることなんてできませんよね!

投稿者:arlly