那覇の空に浮かぶ「シーサーの城」。黒川紀章が描いた沖縄県庁で、知られざる絶景と建築美

投稿者: | 2026年2月14日

沖縄・那覇の国際通りを歩いていると、突き当たりにそびえ立つ、独特な形をした巨大な建物が目に飛び込んできます。それが沖縄県庁(行政棟)です。

「お役所なんて用事がない限り行かない場所」と思っていませんか? 実はここ、世界的な建築家が手がけた芸術作品であり、那覇市内を一望できる隠れた絶景スポットでもあるのです。今回は、ガイドブックをなぞるだけでは分からない、沖縄県庁の奥深い魅力と散策の楽しみ方をご紹介します。

黒川紀章が込めた「共生」のメッセージ:建築の特徴

現在の沖縄県庁舎は1990年に完成しました。設計を手がけたのは、日本を代表する建築家の一人、黒川紀章氏です。

  • 沖縄の伝統と現代の融合 建物をよく見ると、頂部が赤瓦を思わせるようなデザインになっていたり、正面玄関の上部には5体のシーサーが鎮座していたりと、随所に沖縄の伝統的なモチーフが取り入れられています。これらは「沖縄の歴史・自然と建築との共生」というテーマに基づいて設計されました。

  • なぜ屋根が凹んでいるの? 建物の最上部、中央がU字型に凹んでいるのにお気づきでしょうか。これは単なるデザインではありません。かつてアナログ放送の電波を、豊見城市にある送信施設へ届かせるための「電波の通り道」として、あえて建物を削るように設計された名残なのです。

  • 圧巻の「県民ホール」 1階に一歩足を踏み入れると、3階まで突き抜けた開放感あふれる吹き抜けが広がります。世界中から集められた石材が使われており、沖縄の伝統工芸「紅型(びんがた)」をあしらった装飾など、まるで美術館を散策しているような気分にさせてくれます。

那覇を360度見渡す空中回廊:14階「展望フロア」

沖縄県庁を訪れる最大の目的といっても過言ではないのが、最上階の14階にある展望フロア(展望ロビー)です。

  • 東シナ海から首里城まで 地上約70mの高さから、那覇の街並みを一望できます。西側には青く輝く東シナ海と慶良間諸島、東側には緑豊かな丘に立つ首里城。観光客で賑わう国際通りを真上から眺めるのも、ここならではの体験です。

  • 穴場中の穴場 ここは入場無料。観光地のように混み合うことも少なく、静かに景色を堪能できます。フロア内には沖縄の歴史や、かつての県庁周辺を再現した模型も展示されており、今の景色と昔の姿を重ね合わせて考える知的な楽しみ方も可能です。

  • 休憩にぴったりの喫茶室 同じフロアには喫茶室もあり、コーヒーを飲みながら絶景を楽しむことができます。歩き疲れた足を休め、次の行き先を考える散策の拠点としても最適です。

賢く楽しむための「開所時間」とマナー

ここは公共の施設であるため、利用できる時間には注意が必要です。

  • 開所時間: 平日の 8:30 ~ 17:15

  • 定休日: 土・日・祝日、および慰霊の日(6月23日)、年末年始

基本的には「役所の稼働時間」に準じています。土日は展望フロアに入ることができないため、平日に那覇を訪れる方だけの特別な特等席といえるでしょう。

また、ここは多くの職員の方々が働く場所でもあります。大きな声を出したり、立ち入り禁止区域に入ったりしないよう、マナーを守って「静かな大人の社会科見学」を楽しんでみてください。

アクセス方法

沖縄県庁は、那覇市の中心部「泉崎(いずみざき)」に位置しており、どこからでもアクセス抜群です。

【鉄道(ゆいレール)でのアクセス】

  • 那覇空港駅から: 「県庁前駅」*下車。徒歩約3分。

    • 改札を出てパレットくもじ(デパート)側の階段を下り、大きな交差点を渡ればすぐ目の前です。

  • 首里方面から: 「旭橋駅」下車。徒歩約7分。

    • 那覇バスターミナルを抜けて歩くと、県庁の立派な裏側の建築も見ることができ、散策ルートとしておすすめです。

【車(レンタカー)でのアクセス】

  • 那覇空港から: 国道58号線を北上し、約15〜20分。

  • 駐車場:

    • 県庁の地下に有料駐車場があります(最初の1時間300円、以降30分ごと150円)。

    • 周辺には民間のコインパーキングも多数ありますが、平日の日中は満車になることが多いため、公共交通機関の利用を強くおすすめします。

WEB編集者のアドバイス: 県庁の地下1階には、一般の方も利用できる食堂や売店があります。リーズナブルに沖縄の家庭料理を味わえる「お役所メシ」体験は、旅の面白いスパイスになりますよ!12時台は職員の方で非常に混み合うので、13時以降に訪れるのがスマートな散策のコツです。