「東の伊勢丹、西の阪急」その言葉の意味を知る。世界初ターミナル百貨店と「マルーンの聖地」を巡る、極上の梅田散策

投稿者: | 2026年2月14日

大阪・梅田を歩いていると、ふと背筋が伸びるような、凛とした空気が流れるエリアがあります。

そこは、艶やかな小豆色(マルーンカラー)の電車が滑り込み、絢爛豪華なショーウィンドウが道行く人を魅了する場所。

阪急うめだ本店と、阪急大阪梅田駅です。

関西に住む人にとって「阪急」は、単なる鉄道会社やデパートではありません。それは「憧れ」であり、暮らしを彩る「文化」そのもの。今回は、世界で初めて「ターミナルデパート」というビジネスモデルを生み出したこの場所の歴史と、今なお進化し続ける圧倒的な魅力を、大人の散策視点で紐解きます。

小林一三が描いた夢:世界初の「ターミナル百貨店」という革命

阪急の歴史を語る上で欠かせないのが、創業者・小林一三(こばやしいちぞう)です。彼は明治・大正期に、現代の私たちが当たり前に享受しているライフスタイルを創り上げました。

  • 「乗客を待つ」から「客を創る」へ
    鉄道を敷くだけでなく、沿線に住宅地を開発し、終点に宝塚歌劇団や百貨店を作る。そして、人々が電車に乗って都心へ買い物に出かける流れを作る。この「私鉄経営モデル」は、ここ梅田から始まりました。
  • 駅と直結する巨大な「劇場」
    1929年(昭和4年)、世界初のターミナルデパートとして開業した阪急百貨店。「駅の改札を出たら、雨に濡れずにそのまま買い物ができる」。当時の人々にとって、それは魔法のような体験だったに違いありません。
    創業時の精神は今も息づいており、建て替えられた現在の阪急うめだ本店も、単なる売り場ではなく「劇場型百貨店」として、訪れる人に驚きと感動を提供し続けています。

「マルーンの聖地」阪急大阪梅田駅:美しすぎる終着駅

百貨店を出て、3階の改札口へ向かうと、そこには圧巻の光景が広がっています。

  • 日本最大級の頭端式ホーム
    9つの線路と10面のホームが整然と並ぶ姿は、まるでヨーロッパの巨大ターミナル駅のよう。すべての電車が行き止まり(頭端式)になっており、電車が到着すると、両側のドアが開いて波のように人々が降りてくる光景は、梅田の朝の風物詩です。
  • 伝統の「マルーンカラー」
    阪急電車といえば、創業以来変わらない「マルーン(栗色)」の車体。内装にはゴールデンオリーブ色のアンゴラ山羊の座席、木目調の壁。そのクラシックで高級感あふれるデザインは、「阪急に乗ること=特別な時間」というブランドイメージを確立しています。
    ホームに並ぶピカピカに磨き上げられた車両を眺めるだけでも、鉄道ファンならずとも心が躍るはずです。

東の伊勢丹、西の阪急:百貨店で「トレンド」を散策する

「ファッションの阪急」と呼ばれるほど、ここには世界中のトレンドが集結しています。

  • 圧倒的な「コンコース」のウィンドー
    1階のコンコースにある7面の巨大なショーウィンドー。季節やイベントごとに大胆に変わるそのディスプレイは、もはや芸術作品です。ここを歩くだけで、今の時代の空気を肌で感じることができます。
  • 9階「祝祭広場」の階段に座る
    百貨店の中とは思えない、巨大な吹き抜け空間「祝祭広場」。大階段に腰を下ろし、開催されているイベントや行き交う人々を眺める時間は、買い物の合間の最高の休憩になります。
  • デパ地下スイーツの激戦区
    地下1階・2階の食品売り場は、関西、いや日本屈指のスイーツ激戦区。「バトンドール(高級ポッキー)」や「グランカルビー」など、大手メーカーとコラボしたここだけの限定商品は、お土産としても絶大な人気を誇ります。

散策の締めくくりは「ビッグマン」前で

阪急エリアの待ち合わせ場所として有名なのが、紀伊國屋書店前の「ビッグマン(大型ビジョン)」です。

ここから阪急電車が発車する音、百貨店へ吸い込まれる人々の活気を感じながら、小林一三が夢見た「大衆の豊かな暮らし」が、100年の時を超えてここに完成していることを実感してください。

アクセス方法

阪急うめだ本店・大阪梅田駅は、大阪の交通の要衝に位置しており、どのルートからもスムーズにアクセスできます。

【鉄道(各線)からのアクセス】

出発地点・利用路線

下車駅

詳細ルート

JR大阪駅JR京都線・神戸線・環状線)

大阪駅

「御堂筋口」改札を出て、動く歩道を渡り、阪急百貨店方面へ直結(徒歩約3分)。

新大阪駅(新幹線)

大阪メトロ御堂筋線

「梅田駅」下車。「北改札」または「南改札」から地下通路直結(徒歩約2分)。

なんば・天王寺

大阪メトロ御堂筋線

「梅田駅」下車。同様に地下通路で直結。

阪神電車

大阪梅田駅

「百貨店口」から地下街を経由して、阪急百貨店入り口へ(徒歩約5分)。

WEB編集者のアドバイス:

阪急梅田エリアは、地上・地下・歩道橋が複雑に入り組んでいます。最も迷わないコツは、「まずは1階(地上)に出るか、地下1階の百貨店入り口を目指す」こと。特にJR大阪駅からは、2階の歩道橋(カリヨン広場方面)を通って阪急百貨店の2階入り口へ向かうルートが、景色も良く、人混みも比較的避けられるのでおすすめの散策コースですよ!