大分県といえば「おんせん県」として有名ですが、その玄関口である大分駅が、今や単なる通過点ではない「旅の目的地」に進化していることをご存知でしょうか。
かつての地上駅時代を知る人なら、その変貌ぶりに目を見張るはずです。2015年に全面開業した駅ビル「JRおおいたシティ」を中心に、駅周辺は「歩いて楽しい、滞在して心地よい」都市空間へと生まれ変わりました。
今回は、旅行ガイドの表面的な情報から一歩踏み込み、地元の人も誇りに思う「新・大分駅」の驚きの見どころと、街歩きの楽しみ方を編集者目線で徹底解説します。

20年の歳月をかけた「鉄道高架化」と劇的な再開発の経緯
大分駅の再開発は、1996年から始まった長大なプロジェクトでした。かつての大分駅は地上を線路が走り、街を南北に分断していました。これを開消し、街の一体感を生むために行われたのが「鉄道の高架化」です。
2012年に完全高架化が完了し、2015年には巨大な駅ビル「JRおおいたシティ」が誕生。これにより、かつて「駅裏」と呼ばれた南口エリアと、繁華街のある北口エリアがスムーズに結ばれました。
現在、2026年の大分駅前は、さらに進化を続けています。駅前のパルコ跡地には「祝祭の広場」という都市型公園ができ、周囲には100m級の高層タワーマンションや新しいオフィスビルが続々と誕生。歴史ある温泉文化と、最新の都市機能が融合する「九州屈指の散策スポット」へと成長したのです。

JRおおいたシティ「3つの常識外れ」な特徴
この駅ビルには、他の都市の駅ビルとは一線を画す、驚きの特徴が3つあります。
① 屋上に「鉄道神社」と「ミニトレイン」!? 日本最大級の屋上ひろば
アミュプラザおおいたの8階屋上にある「シティ屋上ひろば」は、まさに空の上の遊園地。
- 鉄道神社: 旅の安全を祈願する本格的な神社があり、表参道まで再現されています。
- ぶんぶん堂: 二重螺旋構造の不思議な建物があり、上からは大分市街を一望できます。
- くろちゃん電車: 水戸岡鋭治氏デザインのミニトレインが、緑豊かな庭園の中を走り抜けます。 ここは、大人にとっては「癒やしの庭園」、子どもにとっては「最高の遊び場」として、街の新しい広場になっています。
② 地上80mの衝撃。駅ビル直結の絶景露天風呂「てんくう」
駅ビルの最上階(19〜21階)には、天然温泉「CITY SPA てんくう」があります。 駅直結でありながら、地上80mの高さから別府湾や市街地を見下ろす「インフィニティ風呂(海や空とつながっているように見える風呂)」を味わえるのは、日本広しといえどここだけでしょう。旅の終わりに、沈む夕日を眺めながら入る温泉は格別です。
③ 木の温もりに包まれた「にわさき市場」
1階の改札周辺から続く通路は、ふんだんに大分県産の杉材が使われており、駅とは思えない温かみがあります。ここには大分グルメが凝縮されており、有名な「とり天」や「クロワッサン」の香りが漂い、歩いているだけで五感が刺激されます。
駅の周辺を歩く:歴史と未来が交差する散策ルート
駅ビルを堪能した後は、ぜひ周辺の「広場」を軸に歩いてみてください。
- 北側:祝祭の広場と府内五番街 駅から徒歩数分の「祝祭の広場」は、大型ビジョンを備えた開放的な空間です。ここを拠点に、老舗の茶舗やセレクトショップが並ぶ「府内五番街」を歩けば、城下町としての気品とモダンな感性が混ざり合う、大分市独自の空気感を感じられます。
- 南側:ホルトホール大分といこいの道 南口を出ると、目の前には広大な芝生広場「大分いこいの道」が広がります。再開発で生まれたこのエリアは、道幅が非常に広く、散歩やジョギングを楽しむ市民の姿が見られます。都会的な喧騒から離れ、ゆったりとした時間を過ごすのに最適です。
大分駅は、ただの「移動の拠点」ではありません。建築、温泉、食、そして広場での憩い。そのすべてが歩ける距離に凝縮された、まさに「街そのものがリビング」のような空間なのです。
鉄道でのアクセス方法
大分駅は九州東部の鉄道ネットワークの要所であり、主要都市からの特急利用が非常に便利です。
- 宮崎方面から:
- JR日豊本線「特急にちりん」を利用。
- 宮崎駅から約3時間〜3時間15分。
- 延岡駅から約2時間〜2時間15分。
- 博多(福岡)方面から:
- JR日豊本線「特急ソニック」を利用。
- 博多駅から約2時間〜2時間15分。
- 小倉方面から:
- JR日豊本線「特急ソニック」を利用。
- 小倉駅から約1時間20分~1時間30分。
