ナナちゃん人形と名鉄百貨店の歴史
1973年、名鉄百貨店セブン館(後のヤング館、現在は閉館)の1周年を記念して誕生したナナちゃん。
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建築・プロダクトとしてのナナちゃん: スイス生まれの彼女は、身長6メートル10センチという圧倒的なスケールを誇ります。名鉄百貨店へと続くアーケードの吹き抜け空間に立つ姿は、戦後名古屋の「広幅員道路」や「ダイナミックな都市計画」の象徴でもありました。
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まちづくりのランドマーク: 「名鉄百貨店の前」というよりも「ナナちゃんの前」という言葉が待ち合わせの合言葉になるほど、彼女は公共空間における強力なナビゲーション・デザインとして機能してきました。

「ナナちゃん展」の内容と見どころ
名鉄百貨店の閉館(建て替え)が近づく中で開催されるこの展示は、彼女の半世紀にわたる「変幻自在なスタイル」を総括するものです。
歴代ファッションのアーカイブ
ナナちゃんといえば、1週間〜2週間ごとに変わる衣装。
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広告デザインの媒体: 映画のキャラクター、地元の祭り、企業のキャンペーンなど、彼女が身にまとってきた衣装は、その時々の名古屋の流行や社会情勢を映し出す「立体的なタイムカプセル」です。
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衝撃のデザイン: 鼻から煙を出す、全身が金色になる、アゴが外れる(劇的な驚きの表現)といった、名古屋らしいユーモア溢れる特殊な演出の記録も展示の目玉となっています。

建築計画とナナちゃんの「これから」
今回の展示では、名鉄百貨店を含む一帯の再開発計画(バスターミナルやオフィスビルが一体となった超高層ビル群への建て替え)についても触れられています。
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まちづくりの継続性: 多くの市民が懸念していた「ナナちゃんはどこへ行くのか?」という問いに対し、再開発後も彼女が新しい街のシンボルとして存続することが、デザイン画や模型を通して示されています。
なぜ「ナナちゃん」はこれほど愛されたのか?
デザイン・文化的な視点から考察すると、ナナちゃんは**「完璧すぎない親しみやすさ」**を持っていました。
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無機質な空間への「温もり」: 巨大なコンクリートと鉄骨の駅ビル群の中で、布の衣装をまとい、季節ごとに姿を変えるナナちゃんは、都市空間に「季節感」と「人間味」を注入する役割を果たしてきました。
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市民による「自分事化」: 名古屋市民にとって、ナナちゃんの衣装チェックは日常のルーティンであり、彼女が新しい服を着るたびにSNSで拡散される現象は、市民参加型のまちづくりの究極の形とも言えます。

ナナちゃん展へのアクセス
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場所: 名鉄百貨店 本店(主に[メンズ館]近辺の特設会場や、ナナちゃん周辺の柱巻き広告など)
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アクセス: 名古屋駅(名鉄・JR・近鉄・地下鉄)から徒歩すぐ。「名鉄百貨店」を目指し、そのまま地上1階の「ナナちゃんストリート」へ向かってください。
