はじめに
大学の図書館といえば、静まり返った空間に背表紙が並ぶ、少し堅苦しい場所をイメージしませんか?そんな固定観念を鮮やかに打ち破り、今や建築・デザイン界からも注目を集めているのが、東大阪市にある近畿大学の「ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター)」です。
2017年に誕生したこの施設は、単なる「本を借りる場所」ではありません。そこは、まるで複雑に入り組んだ「知の迷宮」であり、街を歩くようなワクワク感に満ちたクリエイティブな空間です。今回は、学生以外も驚くその独創的な特徴と、そこで体験できる新しい「本のまち歩き」の魅力をご紹介します。

圧巻の7万冊「マンガ」が知の入り口。日本初・独自の分類法
アカデミックシアター最大の特徴は、施設の中核をなす「BIBLIOTHEAK(ビブリオシアター)」にあります。
まず驚かされるのは、1階にずらりと並んだ約7万冊のマンガです。「大学の図書館にマンガ?」と驚くかもしれませんが、ここではマンガを単なる娯楽ではなく、未知の学問への「入り口」として位置づけています。

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「NOAH(ノア)」という独自の分類: 一般的な図書館が使う「日本十進分類法」ではなく、編集工学者・松岡正剛氏の監修による独自の分類法を採用しています。「情報の生命」「物語の力」といったテーマごとに本が並んでおり、マンガの隣に難解な専門書が置かれていることも。
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偶然の出会いをデザイン: 迷路のように入り組んだ書棚を歩いていると、目的の本だけでなく、ふとした瞬間に自分の興味を広げてくれる「未知の一冊」に出会える仕組みになっています。これこそが、この場所を歩く最大の醍醐味です。

ガラス張りの「24時間」眠らない知の拠点。建築美と利用方法
建物の外観は、全面ガラス張りの圧倒的な透明感。夜になると、建物全体が光り輝くランタンのようにキャンパスを照らします。
多様な学びを支えるエリア構成
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ACT(アクト): 企業や社会と連携してプロジェクトを推進する、活気ある「ラボ」のような空間です。
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CNN Cafe: 日本初となるCNNのニュースが流れるカフェが併設されており、コーヒーを片手に世界の情報に触れることができます。
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女性専用自習室: パウダールームを完備したエリアなど、利用者のニーズに徹底的に寄り添った設計がなされています。

一般の方の利用について
「大学生しか入れないのでは?」と思うかもしれませんが、実は一般の方も利用可能です。
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利用方法: 入館には身分証の提示と、一定の手続き(登録料などの詳細は公式サイトをご確認ください)が必要です。
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体験: 一般向けのイベントが開催されることもあり、最先端の「学びの現場」の熱量を肌で感じることができます。

キャンパスを「街」として歩く。近大通りから始まる発見
アカデミックシアターへの道のりも、一つの楽しいまち歩きコースです。
最寄りの駅から大学へと続く「近大通り」は、安くてボリューム満点の飲食店がひしめき合う、活気あふれる学生街。昭和レトロな定食屋から、SNSで話題の最新スイーツ店までが混在するこの通りを抜けて、突然現れる近未来的な図書館。この「日常の雑多さ」と「最先端の知」のコントラストが、訪れる人の感性を刺激します。
キャンパス内も、まるで一つの独立した「街」のように整備されており、アカデミックシアターはその街の中心にあるシンボルのようです。ただ座って本を読むだけでなく、建物の中を歩き、視線を変え、空間そのものを楽しむ。そんな新しい「図書館散歩」を、ぜひ体験してみてください。
主要駅からの鉄道でのアクセス方法
近畿大学(東大阪キャンパス)のアカデミックシアターへは、以下の2つの路線がメインとなります。
| 利用駅・路線 | 所要時間 | おすすめポイント |
| 近鉄大阪線「長瀬駅」 | 徒歩 約10分 | 駅から大学まで「近大通り」を通るメインルート。学生街の活気を楽しめます。 |
| 近鉄奈良線「八戸ノ里駅」 | 徒歩 約20分 | 落ち着いた住宅街を通ります。道が広く、歩きやすいルートです。 |
| 大阪東線「JR長瀬駅」 | 徒歩 約15〜20分 | JR線をご利用の方はこちらから。静かなエリアを抜けてキャンパスへ。 |
