【天神まち歩き】巨大ターミナルに鎮座する「福岡三越」の正体。百貨店×駅×バスセンターが融合した“移動する街”の物語

投稿者: | 2026年2月7日

天神の街を歩いていると、避けては通れない巨大な「壁」のような建物に圧倒されることはありませんか?それが、西鉄福岡(天神)駅と一体化したソラリアターミナルビル、そしてその中核を担う「福岡三越」です。

「三越って、東京の老舗デパートでしょ?」

「駅にあるから便利だけど、歴史までは知らないな」

そんな風に思っているなら、少しもったいないかもしれません。福岡三越の進出は、1990年代の天神において、街の構造を根底から変えてしまうほどのビッグプロジェクトでした。単なるデパートの枠を超え、九州中の人々を飲み込む「巨大な装置」としての役割。

今日は、三越がなぜこの場所に、この形で現れたのか。その進出ストーリーと、駅ビルとしての知られざる顔を紐解いていきます。この記事を読めば、次に三越のライオン像の前を通る時、その威厳が少し違って見えるはずです。

1997年の衝撃。老舗・三越が天神の「特等席」に降り立った理由

福岡三越がオープンしたのは1997年のこと。これは天神の商業史において「天神ビッグバン」の先駆けとも言える歴史的出来事でした。

当時、天神にはすでに岩田屋や丸栄(後のエルガーラ・松坂屋)、福岡玉屋といった百貨店がひしめき合っていました。そこへ、日本最古の百貨店である「三越」が、西鉄電車のターミナルビル直結という**「最強の立地」**に乗り込んできたのです。

この進出は、単なる店舗増設ではありませんでした。三越というブランドが持つ「格調高さ」と、西鉄が持つ「輸送力」がタッグを組むことで、天神を「九州の首都」へと決定づける狙いがありました。実際、オープン当時はその豪華な内装と品揃えに、福岡市民だけでなく九州全土から観光客が押し寄せ、天神の勢力図を一気に塗り替えてしまったのです。

世界でも珍しい構造?「百貨店の中にバスが走る」駅ビルの魔法

福岡三越を語る上で絶対に外せないのが、その驚くべき構造です。三越が入るビルを見上げてみてください。3階には西鉄電車のホームがあり、さらにその上の3階(一部)と中3階、4階にかけて、巨大な「西鉄天神高速バスターミナル」が組み込まれています。

百貨店の建物の中を、九州各地からやってくる高速バスがスルスルと吸い込まれていく。この「百貨店×鉄道駅×バスターミナル」が垂直に重なった構造は、世界的にも非常に珍しいものです。

これにより、福岡三越は単なる買い物スポットではなく、「九州の玄関口」としての役割を担うことになりました。

「バスを降りたら、そこはもう三越のフロア」

この圧倒的な利便性が、20代の通勤客から50代の旅行客まで、あらゆる層を天神の核心部へと引き寄せる強力な磁石となったのです。

ただのビルじゃない。天神の「人の流れ」をデザインする装置

現在の福岡三越を「駅ビル」という視点で観察すると、非常に面白い発見があります。

三越は、地下の地下鉄改札口、1階のライオン広場(待ち合わせの聖地)、2階の西鉄電車改札、そして3階のバスターミナルを全てシームレスに繋ぐ役割を果たしています。つまり、三越そのものが「天神の街の巨大な交差点」として機能しているのです。

特に、1階の「ライオン広場」は、単なる店舗の入り口ではありません。そこは、日々何万人もの人が行き交い、再会し、新しい旅へ出る場所。三越は、老舗としてのプライドを守りながらも、駅ビルとして「街のインフラ」になることを選んだのです。

さあ、外へ出かけましょう!

次に天神へ行くときは、ただ買い物をするだけでなく、9階から下までエスカレーターで降りてみてください。途中でバスのエンジン音が聞こえたり、電車の改札が見えたりするはずです。その時、あなたは三越が単なるデパートではなく、天神という街を動かす「巨大なエンジン」の一部であることを実感するでしょう。

鉄道でのアクセス方法

福岡三越は「西鉄福岡(天神)駅」と直結しており、鉄道でのアクセスは日本屈指の利便性を誇ります。

出発地 利用路線 下車駅 所要時間・備考
JR博多駅 福岡市地下鉄空港線 「天神駅」 約5分。下車後、天神地下街を通り「西鉄福岡駅・三越」方面へ徒歩約5〜8分。
西鉄二日市・太宰府方面 西鉄天神大牟田線 「西鉄福岡(天神)駅」 特急で約15〜20分。駅そのものが三越と一体化しているため、改札を出て徒歩0分です。
地下鉄七隈線沿線 福岡市地下鉄七隈線 「天神南駅」 地下通路を通じて徒歩約5分。三越の地下入口に直結しています。