都市に現れた巨大な「山」!?アクロス福岡で体験する、街と自然の不思議な共存

投稿者: | 2026年2月11日

福岡市中央区天神、百貨店やビルが立ち並ぶ中心街を歩いていると、突如として「緑の生い茂る山」のような建物が現れます。それが「アクロス福岡(ACROS Fukuoka)」です。一見すると公園の一部にビルが埋まっているようなこの建物には、実は福岡を愛する人々の情熱と、驚きの設計思想が隠されています。

 誕生秘話:失われた緑を取り戻すための「階段状」の挑戦

アクロス福岡が建っている場所は、かつて福岡県庁があった土地です。 1981年に県庁が移転した後、この一等地をどう活用するかが議論されました。多くの市民から「街の中に緑の広場を残してほしい」という強い要望があり、その想いに応えるために生まれたのが「オフィスビルと公園の合体」という前代未聞のアイデアでした。

1995年、「国際・文化・情報の交流拠点」として誕生したアクロス福岡は、単なる公共施設ではなく、都市の中に森を再生させるという壮大なプロジェクトの結晶なのです。

デザインと特徴:エミリオ・アンバースの「ステップガーデン」

この独創的なデザインを手がけたのは、世界的な建築家エミリオ・アンバース。彼の提唱する「グリーン・オーバー・グレイ(灰色の上に緑を)」という哲学が、ここ福岡で形になりました。

  • ステップガーデン(階段状の庭園): 建物の南側(公園側)が、巨大な階段のように段々畑状になっています。そこに、九州に自生する樹木を中心に、開業当時は76種類・3万7千本、現在では120種類・5万本以上もの植物が植えられています。
  • 生きた建築: 建物全体が巨大な「山」として機能しており、雨水を蓄え、植物が成長することで建物の断熱効果を高めるなど、環境に配慮した設計がなされています。

屋上とステップガーデン:天神の真ん中で「登山」を楽しむ

アクロス福岡の南側は、「アクロス山」とも呼ばれる散策路になっています。

  • ステップガーデンの散策: 地上から最上階付近まで、緑に囲まれた階段を歩いて登ることができます。途中、滝が流れるエリアや、野鳥が訪れる場所もあり、ここが都会のど真ん中であることを忘れてしまうほどの没入感です。
  • 屋上展望台: 土・日・祝日限定(10:00〜16:00)で、屋上展望台が開放されます。登り切った先には、博多湾や福岡の街並みを一望できる絶景が待っています。天神でのショッピングの合間に、プチ登山気分を味わえる最高のリフレッシュスポットです。

天神中央公園:建物の「麓」に広がる憩いの広場

アクロス福岡のステップガーデンと緩やかにつながっているのが「天神中央公園」です。

この公園は、アクロスの「山」の麓にある平原のような役割を果たしています。芝生広場ではピクニックを楽しむ家族連れや、読書をする人の姿が見られ、都会のオアシスとして愛されています。春には桜の名所としても有名で、緑の山(アクロス)と桜のピンクのコントラストは、福岡を代表する春の景色の一つです。

福岡県パスポートセンター:旅の始まりはここから

アクロス福岡は文化的な側面だけでなく、市民の生活に直結する機能も備えています。その代表が「福岡県パスポートセンター」です。

  • 場所: アクロス福岡の3階に位置しています。
  • 特徴: 非常に清潔感があり、吹き抜けからの光が差し込む明るいフロアです。旅の申請に来る人々でいつも賑わっています。地下には写真撮影ブースや印紙販売所もあり、スムーズに手続きが可能です。

アクセス方法(最寄駅からの行き方)

天神の中心部に位置しているため、鉄道でのアクセスは抜群です。

  • 西鉄大牟田線から: 「西鉄福岡(天神)駅」から徒歩約10分。
  • 地下鉄空港線から: 「天神駅」から16番出口より直結。雨の日でも濡れずにアクセスできるのが嬉しいポイントです。
  • 地下鉄七隈線から: 「天神南駅」から5番出口より徒歩約3分。