岐阜の歴史と文化:信長が愛した「平和と躍動」の地
岐阜の街を語る上で、織田信長の存在は避けて通れません。1567年、斎藤龍興から稲葉山城(現在の岐阜城)を奪い取った信長は、この地を「岐阜」と改称しました。「岐山(ぎざん)」と「曲阜(きょくふ)」という中国の故事にちなんだその名は、天下平定への強い意志が込められています。
当時の岐阜は、信長による「楽市楽座」の導入により、特権的な座を廃止して自由な商売を認めたことで、全国から商人や職人が集まるエネルギッシュな都市へと進化しました。この「自由で開放的な気風」は、現代の岐阜のまちづくりにも、クリエイティブなリノベーション物件や個性的なショップという形で息づいています。
また、岐阜を象徴する文化といえば「長良川の鵜飼」です。駅から2km圏内には、長良川へと続く情緒ある道筋があり、江戸時代から続くこの伝統芸能は、今もなおこの街の精神的な支柱となっています。

岐阜市の人口
392,350人
岐阜駅から自動運転バス
岐阜駅から自動運転によるバスが運行していて、無料で乗車できます。アプリを使って予約することも可能です。岐阜駅からメディアコスモスまで乗車体験しました。

みんなの森メディアコスモス
建築家・伊東豊雄の真骨頂:「屋根のある公園」というデザイン
2015年に開館したこの施設は、世界的な建築家・伊東豊雄氏によって設計されました。
最大のコンセプトは**「大きな家」と「小さな家」**。 建物全体を覆う巨大な木造格子の屋根が「大きな家」であり、その中に点在する半透明の大きな傘のような「グローブ」が、心地よい居場所を作る「小さな家」として機能しています。まさに、外にいながらにして家の中にいるような、あるいは森の中にいるような、境界線の曖昧なデザインが特徴です。
視覚と触覚を刺激する「木造格子屋根」
2階の図書館フロアに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、波打つようにうねる巨大な天井です。
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地元産「東濃ひのき」の使用: 岐阜県産のヒノキ材を、薄い板状にして幾重にも積み重ね、現場で「しならせて」固定していくという驚異的な職人技で造られています。
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幾何学の美: 木材が織りなす格子のパターンは、伝統的な建築技術を現代のデジタル技術で解析した結晶。ヒノキの香りがフロア全体を包み込み、視覚だけでなく嗅覚でも「森」を感じさせてくれます。

. 「グローブ」が作り出す光と風の演出
天井から吊り下げられた直径8〜14メートルの大きな「グローブ(巨大なシェード)」は、単なる装飾ではありません。
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自然エネルギーの活用: グローブの頂部には開口部があり、そこから自然光を取り込み、建物内の空気を循環させる「装置」としての役割を持っています。
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緩やかな境界: 壁で仕切るのではなく、このグローブがあることで、児童書エリア、ヤングアダルトエリア、静かな閲覧エリアといった異なる空間が、緩やかに、かつ美しく区切られています。
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テキスタイルデザイン: グローブの模様は、グラフィックデザイナーの原研哉氏やテキスタイルデザイナーの安東陽子氏らが手掛けており、機能性とアートが見事に融合しています。
まちづくりの核としての「滞在型図書館」
メディアコスモスは、ただ本を借りる場所ではありません。
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シビックプライドの拠点: 1階には「市民活動交流センター」があり、市民が自らイベントを企画したり、交流したりする「活動の庭」となっています。
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滞在の質: 館内にはスターバックスが併設され、飲み物を持ち込んで読書ができるテラス席や、ゆったりとしたソファが至る所に配置されています。
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金華山との対話: 2階のテラスからは、真正面に岐阜城がそびえる金華山を望むことができ、建築が街の風景(借景)を最大限に引き立てる設計になっています。

岐阜市庁舎15階展望フロア「つかさデッキ15」の魅力
この庁舎の最大の見どころは、最上階の15階にある無料の展望フロア「つかさデッキ15」です。
360度のパノラマビュー
ここからは、岐阜市の「山・川・街」のすべてをデザインのレイヤー(層)として一望できます。

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金華山と岐阜城: 北側を向けば、目の前に迫る金華山と、その頂に立つ岐阜城をこれまでにない高さから、かつダイナミックな距離感で眺めることができます。
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長良川の蛇行: 街を潤す長良川の美しいカーブが見え、この街が水と共に発展してきた歴史的な構造を視覚的に理解できます。
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メディアコスモスを真上から: 伊東豊雄氏が設計したメディアコスモスの特徴的な屋根の形状を上から見下ろせるのは、ここだけの特権です。建築の幾何学的な美しさがより鮮明に伝わります。

建築とデザイン:駅前のシンボルから「繊維の迷宮」まで
建築好きにとって、岐阜駅周辺は「新旧の対比」が最もドラマチックに楽しめるエリアです。
岐阜シティ・タワー43
駅の北口を出てすぐに目に飛び込んでくるのが、地上43階、高さ163メートルの「岐阜シティ・タワー43」です。この建物は、かつて繊維産業で栄えた街の再開発の象徴。最上階の43階には無料の展望室があり、そこから眺める濃尾平野と、山頂にそびえる岐阜城のコントラストは、まさに「歴史と現代の交差点」を視覚的に体験できるスポットです。
岐阜問屋街(繊維問屋街)
デザイン好きにぜひ歩いてほしいのが、駅から徒歩5分ほどの場所に広がる繊維問屋街です。戦後、アパレル産業で日本中を席巻したこのエリアには、昭和のノスタルジーを感じさせるアーケードや、迷路のような路地が残っています。 近年では、このレトロな空間を活かしたカフェやアトリエが増えており、剥き出しのコンクリートや古い看板といった「経年変化の美」を楽しむことができます。
金公園(かなこうえん)と「丸窓電車」
2023年にリニューアルされた金公園は、まちづくりの視点からも注目です。広々とした芝生広場には、かつて岐阜の街を走っていた名鉄の路面電車「モ510形(丸窓電車)」が保存・展示されています。大正時代のモダンなデザインが、現代の公園のランドマークとして機能している様子は、過去の遺産をデザインとして再生させた素晴らしい例です。
ゆかりがある著名人と企業:革新を生む「岐阜スピリット」
岐阜は、伝統を守りながらも常に新しい価値を生み出す人々を輩出してきました。
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織田信長: 前述の通り、岐阜の生みの親。
岐阜グルメ:醸造と清流が育む「滋味」
歴史と建築を巡ったら、次は五感で岐阜を味わいましょう。駅から2km圏内には、こだわりのグルメスポットが点在しています。
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鮎料理: 長良川の恵みである鮎は、岐阜のソウルフード。塩焼きはもちろん、洗練された割烹で提供されるクリエイティブな鮎料理も人気です。
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岐阜タンメン: 労働者の活気を支えたガッツリ系の麺料理。今や県外からもファンが訪れる人気コンテンツです。
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リノベーション・カフェ: 繊維問屋街の蔵や古い民家を改装したカフェでは、地元の「美濃蔵(みのくら)」の味噌や醤油を使った隠し味のスイーツなどが楽しめます。建築の意匠を眺めながら味わう一杯のコーヒーは格別です。
名古屋駅からのアクセス:近くて遠い「別世界」へ
岐阜駅は、名古屋からのアクセスが驚くほど良好です。
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JR東海道本線(新快速・特別快速):
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所要時間:約20分
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料金:480円
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15分に1本程度の高頻度で運行されており、名古屋駅からは最も速くて便利なルートです。
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名鉄名古屋本線(特急):
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所要時間:約30分(名鉄名古屋駅〜名鉄岐阜駅)
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料金:630円
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名鉄岐阜駅はJRから徒歩5分ほど。パノラマスーパーなどの特別車両を楽しみたい方におすすめです。
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わずか20分移動するだけで、名古屋の喧騒とは一線を画す、落ち着いた歴史の情緒とクリエイティブな熱気が混ざり合う空間に辿り着けます。
