大阪の鉄道ファンや建築マニアの間で、いま最も熱い視線を集めている場所を知っていますか?それは、阪急京都線と千里線が平面で交差する「淡路駅」周辺です。
現在このエリアでは、街の風景を劇的に変える「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業」が進行しています。見上げるような巨大なコンクリートの柱が立ち並び、空を覆うように橋桁が伸びていく様子は、まるでSF映画の巨大建造物、あるいは「要塞」を建設しているかのよう。今回は、このプロジェクトがなぜ「すごい」と言われるのか、その驚きの概要と未来のまち歩きの変化について解説します。

鉄道界の「あやとり」を解消!前代未聞の2階建て高架構造
淡路駅が抱える最大の課題は、京都線と千里線が同じ高さで複雑に交差していることにあります。
-
「平面交差」という難問: 現状、上下線の電車が互いの線路を横切るのを待つ必要があり、これがダイヤの乱れや「開かずの踏切」の原因となってきました。
-
驚異の「4階建て」構造: この問題を解決するため、新駅はなんと**4階建て構造(高さ約30m)**に生まれ変わります。
-
1階: コンコース・改札
-
2階: ホーム(上り線:京都・北千里方面)
-
3階: ホーム(下り線:大阪梅田・天下茶屋方面)
-
-
2段重ねの線路: 上り線と下り線を完全に別フロアに分けることで、電車の待ち合わせ(同時入線・同時発車)をスムーズにし、ボトルネックを解消します。このビル10階分に相当する高さに線路を通す規模は、私鉄の高架化工事としては類を見ないスケールです。

街の分断を終わらせる。17箇所の「開かずの踏切」を撤去
この工事の凄さは、単に駅を高くするだけではありません。周辺約7.1kmにわたる区間を一気に高架化する点にあります。
-
17箇所の踏切が消える: 京都線と千里線を合わせて計17箇所の踏切がなくなります。これにより、長年地域の人々を悩ませてきた渋滞が解消され、街の北側と南側が自由に行き来できるようになります。
-
難工事中の難工事: 最も「すごい」のは、「電車を一本も止めずに、今の線路の真上に新しい線路を造っている」ことです。限られた住宅街のスペースの中で、巨大な重機を駆使し、ミリ単位の精度で高架を組み上げていく日本の土木技術の結晶がここにあります。
-
JR直上を跨ぐ巨大橋: 途中でJRおおさか東線を跨ぐ箇所もあり、そのダイナミックな橋梁デザインは「土木遺産級」の迫力です。

工事中こそが「観光」!いましか見られない建築美を楽しむまち歩き
完成してしまうと見られなくなる「建設のプロセス」そのものが、いまの淡路駅周辺の最大のコンテンツです。
おすすめのウォッチングポイント
-
巨大橋脚の回廊: 住宅街の中に突如現れる、古代遺跡のような巨大なコンクリート柱の列。そのスケール感に圧倒されます。
-
「淡路駅」ホームからの眺め: 地上駅のホームから、頭上にせり出す巨大な新しいホームの底を見上げる体験は、いましかできません。
-
商店街との対比: 昔ながらの「淡路本町商店街」のすぐ脇にそびえ立つ近代的な高架。この「昭和の生活感」と「未来のインフラ」が混ざり合う風景は、最高のフォトスポットです。
高架化が完成すれば、駅下には新しい商業スペースや歩道が生まれ、淡路は「乗り換えの街」から「立ち寄りたくなる街」へと大きく変貌するでしょう。

主要駅からの鉄道でのアクセス方法
工事の全貌を確認するには、阪急淡路駅を中心に、隣の柴島駅(千里線)や崇禅寺駅(京都線)まで歩くのがおすすめです。
| 出発地 | 利用路線 | 所要時間 | 備考 |
| 大阪梅田駅 | 阪急京都線 | 約10分 | 特急・急行・普通すべて停車します。 |
| 天下茶屋駅 | Osaka Metro 堺筋線 | 約20分 | 阪急千里線直通電車で乗り換えなし。 |
| 新大阪駅 | JRおおさか東線 | 約5分 | 「JR淡路駅」下車。阪急淡路駅まで徒歩約5分です。 |
| 京都河原町駅 | 阪急京都線 | 約40分 | 特急(特急・準急)でスムーズにアクセス。 |
