ハイアット リージェンシー 福岡(福岡市)巨匠マイケル・グレイヴスが遺した“ポストモダン建築”の傑作を歩く散策ガイド

投稿者: | 2026年2月14日

福岡・博多駅の筑紫口側を歩いていると、突如として古代神殿のような、あるいは物語に出てくる要塞のような、不思議な建物が現れます。

かつて「ハイアット リージェンシー 福岡」として愛され、現在は「THE BASICS FUKUOKA(ザ・ベーシックス福岡)」として生まれ変わったこのホテル。

2019年にハイアットとしての歴史に幕を下ろしましたが、その建物自体が持つ圧倒的なパワーと美しさは今も健在です。今回は、建築ファンならずとも心奪われる開発秘話と、世界的建築家が仕掛けたデザインの謎、そして知的な散策スポットとして進化した現在の姿をご紹介します。

福岡初のハイアット:バブル期の熱気が生んだ開発経緯

このホテルが開業したのは、1993年(平成5年)。

グランドハイアット福岡(キャナルシティ)ができる数年前、福岡で最初に開業したハイアットブランドのホテルでした。

  • 世界への挑戦状
    当時の博多駅東エリアは、ビジネス街としての色彩が強く、華やかなホテルとは無縁の場所でした。そこに「国際級のホテルを作る」という、地元のデベロッパー・福岡地所の熱い想いが形になったのです。
  • 建築家マイケル・グレイヴスの起用
    特筆すべきは、設計にアメリカの建築家、マイケル・グレイヴスを起用したこと。彼はディズニー・ワールドのホテル設計などで知られる「ポストモダン建築」の巨匠です。機能性重視の四角い箱ばかりだった日本のホテル建築界に、物語性や装飾性を持ち込んだ彼のデザインは、当時の福岡に大きな衝撃を与えました。

スフィンクスと円形ホール:建築デザインの魔力

建物の前に立つと、まずその奇抜な外観に目を奪われます。

  • ポストモダンの極み
    幾何学的な形(円、正方形、ピラミッド)を組み合わせたデザインと、独特のアースカラー(赤茶色や黄色)の外壁。エントランス付近にはスフィンクスを思わせるオブジェが鎮座しており、まるで異世界への入り口のようです。
  • 圧巻のロタンダ(円形ホール)
    一歩中に入ると、高さ約42メートル、12階まで吹き抜けになった巨大な円形ホール(ロタンダ)が出現します。
    自然光が降り注ぐドーム天井を見上げると、その圧倒的なスケールに言葉を失うはずです。この空間体験こそが、マイケル・グレイヴスが意図した「ホテル=非日常の劇場」という演出なのです。

「THE BASICS FUKUOKA」への転生:知的な大人の遊び場へ

2020年、この建築遺産をそのまま活かしつつ、ホテルは「THE BASICS FUKUOKA」としてリブランドオープンしました。

  • 世界を旅するライブラリー
    かつてロビーだった円形ホールには、高さ約8メートルの巨大な書架が設置されました。ここには小説、写真集、マンガ、哲学書など約5,000冊の蔵書が並びます。
    宿泊者はこの本を自由に部屋へ持ち帰って読むことができます。ただ泊まるだけでなく、知的好奇心を満たす「図書館に泊まる」ような体験は、静かな夜の散策にぴったりです。
  • レコードが流れるラウンジ
    ロビーラウンジでは、こだわりのスピーカーからアナログレコードの音楽が流れています。建築の重厚感と音楽、そしてコーヒーの香りが混ざり合う空間は、博多駅のすぐ近くにいることを忘れさせてくれます。

過去と未来が交差するホテル

旧ハイアット時代の格式高いクラシカルな雰囲気と、現在のモダンで知的な要素が見事に融合したこの場所。

かつて結婚式を挙げたカップルが思い出を語りに訪れたり、建築学生がスケッチに来たりと、建物の記憶は今も多くの人に愛され続けています。

アクセス方法

THE BASICS FUKUOKA(旧ハイアット リージェンシー 福岡)は、博多駅筑紫口(新幹線側)から徒歩圏内の好立地にあります。

【鉄道(JR・地下鉄)でのアクセス】

出発地点

利用路線

下車駅・出口

詳細ルート

JR博多駅

新幹線・在来線

博多駅

「筑紫口(ちくしぐち)」を出て、都ホテル方面へ大通り(筑紫口中央通り)を直進。徒歩約7分。

地下鉄

空港線

博多駅

「東6番出口」から地上へ出るとスムーズです。徒歩約7分。

福岡空港

地下鉄空港線

東比恵駅

あえて1つ手前の駅で降りるルート。「3番出口」から徒歩約10分ですが、静かな道を散策できます。

【タクシーでのアクセス】

  • 福岡空港から: 約10〜15分。荷物が多い場合は、博多駅を経由せず直接タクシーで向かうのが最も楽です。

WEB編集者のアドバイス:

博多駅から歩く際、合同庁舎などが並ぶ少し無機質なオフィス街を通りますが、その先に突如として現れるマイケル・グレイヴスの建築は感動的です!夜のライトアップされた外観も幻想的なので、夕食後の散策コースとして訪れるのもおすすめですよ。