茨木の新名所『おにクル』(茨木市)で体験する、公園のような不思議な公共施設

投稿者: | 2026年1月31日

「市役所や図書館って、なんだか用事がないと行きにくい……」

そんな公共施設のイメージを、根底から覆す場所が大阪府茨木市に誕生しました。2023年にオープンした「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」です。

一歩足を踏み入れれば、そこには吹き抜けを貫くエスカレーターと、まるで公園の丘を歩いているかのような開放的な空間が広がっています。今回は、「ただの箱モノ」ではない、世界的な建築家が手がけたこの施設の秘密と、大人も子供も、そして「鬼」までもがワクワクするような、新しいまち歩きの形をご紹介します。

世界的建築家・伊東豊雄氏が手がけた「立体的な公園」

おにクルの設計を手がけたのは、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した、世界的建築家の伊東豊雄氏です。

伊東氏が目指したのは、建物の中にいても外の公園を歩いているような感覚になれる「立体的な公園」。その特徴は、施設の中心を貫く「縦の道」にあります。

  • 吹き抜けの魔法: 下の階から上の階までが緩やかな吹き抜けでつながっており、どこにいても誰かの気配や賑わいが伝わってきます。

  • 外とのつながり: 建物を取り囲むように配されたテラスは、目の前の広場と視覚的につながっており、散歩の途中にふらりと立ち寄りたくなる工夫が凝らされています。

  • アートな壁画: 南側の外壁には、茨木市出身の現代美術家・名和晃平氏による巨大なアートワークが施されており、街のシンボルとしての存在感を放っています。

緻密な計算に基づきながらも、どこか有機的で柔らかなデザインは、訪れる人の心を解きほぐしてくれます。

名前の由来は「6歳の男の子」?遊び心あふれる施設概要

「おにクル」という少し変わった、けれど耳に残る名前。これには、茨木市民の温かい想いが込められています。

名前の由来

茨木市には、かつて茨木城に住んでいたとされる「いばらき童子」という鬼のキャラクターがいます。この名前は、一般公募の中から当時6歳の男の子が提案したもので、「怖い鬼さんですら、楽しそうで来たく(クル)なっちゃうところ」という意味が込められているのです。

多彩な施設概要

おにクルは、単なる行政施設ではありません。

  • 図書館: 圧倒的な蔵書数を誇るだけでなく、読書に没頭できるユニークな椅子やスペースが点在。

  • ゴウダホール: 本格的なコンサートや演劇が楽しめる大ホール。

  • 子育て支援センター: 「屋内こども広場」など、雨の日でも子供たちが思いっきり遊べるエリアが充実。

  • カフェ・テラス: 街を眺めながら一息つけるスポット。

ここは、市民が「用事」を作って行く場所ではなく、「ただそこにいたい」から行く場所へと進化しているのです。

誰でも気軽に利用できる!利用料金と新しいまち歩きの楽しみ

おにクルは、その豪華な見た目に反して、誰もが気軽に利用できる開かれた場所です。

利用料金について

  • 入場・閲覧: 基本的に無料です。図書館で本を読んだり、屋上広場やホワイエで休憩したりするのに料金はかかりません。

  • 貸室利用: 会議室や多目的ルームなどは有料ですが、茨木市民なら非常にリーズナブルな設定(1時間数百円〜)となっています。※市外居住者や営利目的の場合は加算料金があります。

  • 有料施設: こども広場など、一部のエリアは少額の利用料(または予約)が必要な場合があります。

まち歩きのゴールに。

茨木市の中心部に位置するおにクルは、周囲の商店街や神社仏閣を巡る「まち歩き」の拠点にぴったりです。

古い歴史を持つ茨木神社でお参りをした後に、最新建築のおにクルでコーヒーを飲みながら本をめくる。そんな「新旧の茨木」を一度に味わうのが、今もっともおすすめの散歩ルートです。

主要駅からのアクセス方法

おにクルは、JRと阪急のちょうど中間に位置しており、どちらの駅からも散策にぴったりの距離です。

利用駅・路線 所要時間 おすすめルート
阪急京都線「茨木市駅」 徒歩 約10分 西口を出て、賑やかな商店街(茨木阪急中通商店街)を抜けて行くルートが楽しいです。
JR京都線「茨木駅」 徒歩 約10分 東口を出て、市役所方面へ向かってまっすぐ進む分かりやすいルートです。
バス(各社) すぐ 阪急・京阪・近鉄バスの「茨木市役所前」バス停で下車してすぐ目の前です。