マルヤガーデンズ(鹿児島市)百貨店ではない「第三の居場所」鹿児島・天文館の新しい歩き方

投稿者: | 2026年2月28日

鹿児島の繁華街・天文館を歩いていると、壁面を覆う豊かな緑が目を引く建物に出会います。それがマルヤガーデンズです。 一見するとおしゃれなファッションビルですが、中に入るとそこには「買い物をする場所」という枠を超えた、心地よい「余白」が広がっています。

今回は、20代から50代の「ありきたりな観光では物足りない」と感じている皆さんに、この施設がなぜこれほどまでに愛されているのか、その開発の背景と、各フロアに隠された魅力を紐解いていきます。

「三越の撤退」から生まれた、地場資本の意地とクリエイティビティ

マルヤガーデンズを語る上で欠かせないのが、そのドラマチックな開発経緯です。

もともとこの地には、地元の百貨店「丸屋(まるや)」があり、その後「鹿児島三越」として長年親しまれてきました。しかし、2009年に三越が惜しまれつつ撤退。中心市街地の空洞化が危惧される中、オーナーである丸屋は「再び百貨店を誘致する」のではなく、自ら運営する「全く新しいスタイルの商業施設」を創る決断をしました。

そこで掲げられたコンセプトが「ユナイトメント(つなぐ)」です。 単にモノを売る場所ではなく、人と人、人と文化、そして人と街をつなぐ場所。そんな願いを込めて、2010年にマルヤガーデンズは誕生しました。築50年を超える建物を壊すのではなく、耐震補強を施しながら再生させたリノベーション建築としても、非常に高い評価を受けています。

ただの売場ではない。「ガーデン」という名の贅沢な余白

マルヤガーデンズの最大の特徴は、各フロアに「ガーデン」と呼ばれるフリースペースが設けられていることです。

通常、商業施設は1円でも多くの利益を出すために、床面積のすべてを売場にしようとします。しかし、ここではあえて「何もしなくてもいい場所」を贅沢に配置しています。

  • コミュニティの場: 椅子に座って読書をする人、友人と語らう人、時にはワークショップが開催されることもあります。

  • デザインと緑: 建物全体に配置された植栽は、鹿児島の気候に適した植物が選ばれており、都会の中にいながら自然の呼吸を感じさせてくれます。

この「商業施設らしくない余裕」が、忙しい日常を送る20代から50代の大人の心に、ふっと休息を与えてくれるのです。

フロアごとに異なる表情。文化と暮らしが交差する空間

各フロアは、それぞれ異なるテーマで構成されており、歩くたびに新しい発見があります。

  • B1F:キッチンガーデン 「北野エース」などのグロサリーや、新鮮な地元の食材が揃うフロア。鹿児島の食文化の奥深さを感じられます。

  • 1F〜3F:ファッション&ライフスタイル 「ユナイテッドアローズ」や「マーガレット・ハウエル」といった洗練されたショップが並びます。トレンドを追いかけるだけでなく、長く愛せる「質の高い暮らし」を提案しています。

  • 4F:D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA 「ロングライフデザイン」をテーマにしたこのフロアは、鹿児島の工芸や食の魅力を再発見できる場所。旅の思い出になる、ストーリーのあるお土産が見つかるはずです。

  • 5F〜6F:知的好奇心を満たす場所 大型書店「ジュンク堂書店」や、鹿児島の文化発信基地としての役割も果たすロフトが広がります。

  • 7F:屋上庭園(ソラニワ)とシネマ 開放感あふれる屋上庭園からは、鹿児島の空を近くに感じられます。また、ミニシアター「ガーデンズシネマ」では、世界中の良質な映画を上映しており、文化の香りが漂います。

アクセス方法

マルヤガーデンズは、天文館エリアの中心部に位置しており、公共交通機関でのアクセスが非常に良好です。

【鉄道・路面電車でのアクセス】

  1. 鹿児島中央駅から

    • 鹿児島市電(路面電車)2系統「鹿児島駅前行き」に乗車。

    • 「いづろ通」電停で下車。

    • 徒歩約1分。

  2. 鹿児島駅から

    • 鹿児島市電1系統・2系統のいずれかに乗車。

    • 「いづろ通」電停で下車。

    • 徒歩約1分。

【徒歩でのアクセス】

  • 鹿児島中央駅から「ナポリ通り」や「中央公園」を経由して、街並みを楽しみながら歩くと約20〜25分ほどです。