なんばパークス(大阪市)誕生秘話と五感を刺激する『緑の丘』歩き

投稿者: | 2026年1月31日

はじめに

大阪・ミナミの象徴といえば、活気あふれる道頓堀やグリコの看板を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、そのすぐ南側、南海難波駅に隣接する場所に、世界を驚かせた「巨大な森」があるのをご存知でしょうか。

それがなんばパークスです。

コンクリートジャングルの中に突如として現れる、うねるような曲線美と圧倒的な緑。ここは単なるショッピングモールではありません。「街歩きをもっと面白くしたい」「ありきたりな観光には飽きた」というあなたにこそ訪れてほしい、驚きと歴史が詰まった唯一無二のスポットなのです。今回は、その誕生の裏側から、散策がもっと楽しくなるデザインの秘密までを紐解いていきます。

大阪球場の記憶を刻む!「昭和の大阪城」から「都市の森」へ

なんばパークスが建っている場所には、かつて「大阪球場(大阪スタヂアム)」というプロ野球・南海ホークスの本拠地がありました。

戦後の焼け跡に建てられ、当時の人々から「昭和の大阪城」と親しまれた球場でしたが、時代の流れとともにその役割を終えることになります。この広大な跡地をどう活用するか——。そこで生まれたのが**「都市と人と自然との融合」**という大胆なコンセプトでした。

実は、施設内にはかつての球場の面影がそっと残されています。

  • ピッチャープレートとホームベース: 2階のキャニオンストリートの床には、かつての球場のマウンドとホームベースがあった位置に記念プレートが埋め込まれています。

  • メモリアルギャラリー: 9階には南海ホークスの歴史を伝えるギャラリーがあり、かつての熱狂を今に伝えています。

ただの新しいビルではなく、大阪の情熱の歴史を土台にして、新しい「森」が作られたのです。

建築家ジョン・ジャーディが描いた「大峡谷(グランドキャニオン)」

なんばパークスの最大の特徴である、あのダイナミックな曲線。これを手がけたのは、アメリカの伝説的建築家、ジョン・ジャーディ氏です。

彼は「六本木ヒルズ」や「キャナルシティ博多」も設計した、体験型商業デザインの第一人者。彼がなんばパークスで表現したのは、長い年月をかけて削られた「大峡谷(グランドキャニオン)」でした。

デザインに隠された見どころ

  • 地層のような壁面: 建物の壁を見ると、色の異なるタイルが層のように重なっています。これは地球の長い歴史「地層」をイメージしており、歩くたびに自分が深い谷の底にいるような不思議な感覚を味わえます。

  • 流れるような動線: 直線を極力排除したデザインは、川の流れのように人々を自然と奥へ、そして上へと誘います。

  • パークスガーデン: 3階から9階まで段々畑のように続く屋上庭園は、国内最大級の規模。約500種類、10万株以上の植物が植えられ、専属のガーデナーによって丁寧に管理されています。

ここでは、地図を見ずに「感覚」で歩いてみてください。角を曲がるたびに現れる緑や、空が見える角度の変化に、きっとワクワクするはずです。

五感で楽しむまち歩き。なんばパークスを120%満喫するコツ

なんばパークスでの「まち歩き」は、お買い物の合間の移動ではありません。それ自体がメインイベントです。

1. 滝の音と風を感じる「キャニオンウォーク」

建物の中央を貫く通路は、まさに谷底。吹き抜ける風や、時折聞こえてくる水の音が、都会の喧騒を忘れさせてくれます。上を見上げると、切り立った崖のような建物と空のコントラストが絶景です。

2. 季節を五感で味わう「ガーデン散策」

屋上庭園「パークスガーデン」は、季節ごとに表情を変えます。春の桜、夏の力強い緑、秋の紅葉、そして冬の幻想的なイルミネーション。特に夕暮れ時は、沈む夕日と都会の夜景が同時に楽しめる隠れた絶景スポットです。

3. 「ベンチ」に注目してみる

ガーデン内には、至る所にユニークな形のベンチが配置されています。あえて人通りの少ない場所に座って、都会の真ん中に響く鳥のさえずりに耳を傾けてみてください。

「大阪のミナミは賑やかすぎて疲れる」……もしそう思っているなら、ぜひなんばパークスの「谷」へ逃げ込んでみてください。そこには、デザインと自然が織りなす、驚くほど穏やかで刺激的な時間が待っています。

主要駅からのアクセス方法

なんばパークスは、大阪の主要ターミナルである「難波(なんば)」エリアに位置しており、各線からのアクセスが非常に良好です。

利用駅・路線 最寄り出口からの所要時間 備考
南海電鉄「なんば駅」 中央口・南口直結 2階中央改札口からすぐ。最もスムーズに到着できます。
Osaka Metro 御堂筋線「なんば駅」 南改札口より徒歩約7分 4番出口方面から地下街「なんなんタウン」経由でアクセス可能。
Osaka Metro 千日前線「なんば駅」 改札口より徒歩約8分 地下通路を通り、南海方面を目指してください。
近鉄難波線・阪神なんば線「大阪難波駅」 東改札口より徒歩約9分 地下街を通り、南海「なんば駅」方面へ進みます。
JR線「JR難波駅」 北出口より徒歩約15分