まるで海外のよう?異次元の街並みネクサスワールド(福岡市)

投稿者: | 2026年2月11日

福岡市東区。かつて静かな住宅地だった香椎(かしい)の地に、突如として現れた異次元の街並み。それが「ネクサスワールド(NEXUS WORLD)」です。バブル経済の絶頂期、世界のトップ建築家たちが競い合うように「理想の住まい」を描いたこの場所は、建築の教科書にも載るほどの歴史的プロジェクト。今なお色褪せないその魅力と、知られざる開発の物語を紐解いていきましょう。

開発秘話:世界を驚かせた「建築の博覧会」

1991年、福岡の不動産開発企業・福岡地所が社運を賭けて挑んだのが、この「ネクサスワールド」プロジェクトでした。

  • 「住む」を芸術に変える: 当時の日本は、画一的な団地やマンションが立ち並ぶ時代。そこに「もっと自由で、刺激的な住環境を」という想いから、世界中から新進気鋭の建築家が集められました。
  • 磯崎新氏のプロデュース: 全体のコーディネートを担当したのは、世界的な建築家・磯崎新氏。彼が「これからの都市居住はどうあるべきか」を問いかけ、当時まだ若手だった建築家たちに自由な表現の場を与えたのです。
  • バブルの結晶: 予算を度外視したかのような斬新な素材使いや、驚くべき空間構成は、当時の熱狂的なエネルギーがあったからこそ実現できた、まさに「奇跡の街」なのです。

デザイナーたちによる「競演」:個性が爆発する建築群

ネクサスワールドを歩くと、一棟一棟が全く異なる表情を持っていることに驚くはずです。

  • スティーヴン・ホール(アメリカ): 「光と水の調和」をテーマに、空中に浮かぶような不思議なヴォリュームの住宅を設計。
  • レム・コールハース(オランダ): 漆黒の石の壁がそびえ立つ、まるで要塞のようなデザイン。内部は驚くほど開放的な中庭があるなど、都市居住の概念を覆しました。
  • マーク・マック、クリスチャン・ド・ポルザンパルク、オスカー・トゥスケ: それぞれが自国の文化や哲学を持ち込み、カラフルで幾何学的な、これまでにない集合住宅を完成させました。

幻の「ツインタワー構想」

ネクサスワールドの風景を語る上で欠かせないのが、空を突くようなツインタワーです。

  • マーク・マックのデザイン: 当初、このエリアの中核をなすものとして、さらに壮大な「ツインタワー構想」が存在していました。
  • アイランドシティへの影響: 実際には、この場所からほど近いアイランドシティに、ネクサスワールドの思想を引き継ぐような高層タワーが建設されるなど、福岡のウォーターフロント開発の先駆けとなりました。現在もその周辺には、当時の熱量を継承した個性的なタワーマンションが並び、福岡のスカイラインを彩っています。

まち歩きの楽しみ:路地に迷い込む贅沢

ここは「見る」だけでなく「歩く」のが一番の楽しみ方です。 建物と建物の間の路地、計算された光の差し込み方、そして経年変化によって味わいが増した素材。30年以上が経過した今、木々が育ち、建築と自然が融合したその姿は、当初の構想以上の「美しき森」へと進化しています。

アクセス方法(バスでの行き方)

ネクサスワールドは、博多駅や天神からバスで一本と、アクセスも良好です。

  • 博多駅から:
    • 博多バーストミナル(1F)または「博多駅前」バス停から、西鉄バス 29番・29N番 系統などに乗車。
    • 「香椎浜海岸通り」 または 「香椎プロムナード」 バス停で下車(約25〜30分)。
  • 天神駅から:
    • 「天神中央郵便局前」バス停から、西鉄バス 都市高速経由(22N番など) に乗車。
    • 「香椎浜海岸通り」 バス停下車(約1520分)。都市高速を使うため、意外なほど早く到着します。