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【川崎】吉岡明治(リットアップ)

藤田観光、UDSを経て独立し、川崎市役所の隣にホテル縁道を開業した吉岡さん、これまでのキャリアとこの先の夢を語っていただきました。

プロフィール

1996年から藤田観光で新宿ワシントンホテルやフォーシーズンズホテル椿山荘に携わったのち、2007年からUDSで沖縄県でリゾートホテルやホテルカンラ京都ホテルアンテルーム京都などの企画運営、ホテル&ホステルオンザマークス川崎の事業企画・プロジェクトマネジメント・開発・運営のほか、HAMACHO HOTEL(プロジェクトマネジメント・事業企画・契約等各種調整)、YUEN SHINJUKU(事業企画・契約等各種調整)に関わる。2019年に株式会社リットアップを創業し、2020年8月にホテル縁道(En Michi)川崎を開業。

UDSで川崎にオンザマークス開業

藤田観光で新宿ワシントンホテル、フォーシーズンズホテル椿山荘に携わり、2007年にUDSに転職する。UDSは目黒の「CLASKA」を手がけた会社で、京都や沖縄などでホテル開発や運営などを行っている。京都のホテル運営なども行っていた吉岡さんが、関西で勤務をしていた頃に川崎駅近くでホテルの運営受託の話が来る。その当時は大阪のミナミ地区など外国人観光客に人気の場所で、有名な観光地ではなくローカルさを求める外国人観光客は少なくなかった。

川崎駅前のホテルの周辺は、チネチッタや歓楽街があるエリアだったが、羽田空港からも近く、東京や横浜にもアクセスできる好立地で、川崎駅からも近い。大阪のミナミのように面白いコンテンツがあり、むかし東海道川崎宿があったというストーリー性もあった。築22年の事務所ビルだった建物を滞在型複合ホテルにリノベーションした。川崎市が音楽の街というコンセプトを謳っていたこともあり、レコード200枚とDJブースがあるラウンジに、川崎のクラフトビールと肉料理を組み合わせたスペースを1階に配置した。外国人観光客や国内旅行者、ビジネス利用者など、それぞれの多様化する滞在時間・滞在方法のニーズに対応するため、「スタンダードルーム」「コンパクトルーム」「バンクベッドフロア」の3タイプの客室も整えた。

吉岡さんに最も印象深いイベントについて尋ねると、開業から半年の0.5周年イベント『 歌謡ホテル』だと答えてくれた。開業して稼働もなかなか上がらない時期だったが、イベントは1階と地下フロアを使って音楽を大音量で流したくさんのお客さんで大盛り上がりだった。また、近隣企業とも連携したイベントも企画をし、着物をたくさん持っていたチッタとみやうち着物学院の先生とコラボし、外国人観光客の方に着てもらい川崎市内を観光してもらったり、自転車で川崎のまちを巡るツアーなどホテルの枠を飛び越えた観光案内、まちに開いた取り組みを積極的に行い、地域の人と繋がることができた。点(ホテル)ではなく面(まち)で盛り上げることの大切さを感じたという。

ホテル縁道の誕生

オンザマークスは2020年4月に営業終了。星野リゾートが運営する『 OMO3東京川崎 』として引き継がれることになった。吉岡さんはUDSを退職し、株式会社リットアップを設立。「Lit」はLightの過去形(明るくなった、照らされた)、「Lit up」は「明るくなる、盛り上がる、元気になる」という意味らしく、人やまちの強みに気づき、事業として可視化し、人と、まちを盛り上げていくステージとなる事業を観光の中心となる宿泊事業からおこなうとしている。独立して第1弾として手がけたのが、川崎市役所近くに出来た『 ホテル縁道 』だ。もともとビジネスホテルとして計画していた案に東海道川崎宿のコンセプトメイクをし実現した。旅人と地域の日常が交差し、様々な『縁』が生まれる宿を目指していると話す。

ホテルがある場所は、旧街道から川崎宿の総鎮守、稲毛神社へ向かう参道だったため、ロビーの壁に瓦を使い、受付カウンター下にアンティークの帳場たんすを設置した。

1階の「縁道食堂」では朝食に、川崎発祥といわれている三角おむすびを提供(コロナで休業しており2021年7月から提供)。ランチタイムは定食、夜は川崎産クラフトビールなども用意。また、開業時には地域の飲食店を応援するチケット販売や川崎野菜、弁当、ママさんの作る手作りマスクを販売するイベント「縁道マート」を開催した。開業時期とコロナ禍が重なってしまったが、テレワークやマイクロツーリズムの需要も手伝い、地域のお客さんにも支えられてスタートできたそうだ。

これからどうしていきたい

コロナでイベントがなかなかやりにくい状況ではあるが、現在テラス部分を使った野菜販売やマルシェは定期的に行っている。今後は更に様々な企画を実施して、将来的には国内外の旅行者とローカルのつながりを作っていきたい。

パッションポイント

キャンプ、川釣り

公式サイト、出版物など

株式会社リットアップ

ホテル縁道

チケット(私のできること、得意なこと)

・川崎のディープで美味しい飲食店をご案内します

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

多摩川(六郷橋から羽田空港付近)
川崎市川崎区

お気に入りの場所(アウェイ)

沖縄・瀬底大橋から見た海
沖縄県国頭郡本部町

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

つながり

・川畠康文(ユクサおおすみ海の学校)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

かわファン(クラウドファンディング)に支援していただいての取材で、オンザマークスがあった頃にグリーンドリンクス川崎としてイベントで使わせれいただいたり、スタッフの方との交流もあったことからのご縁。ホテル縁道の近くにあったシェアオフィスで、コミュニティマネージャーをしていたこともあったので、何度かお邪魔していました。コロナ禍が明けたら、またイベントなどでご一緒できたら嬉しいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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