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【新潟】飛田晶子(NPO法人越後妻有里山協働機構)

大学時代にボランティア参加したのをきっかけに「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の運営メンバーになった飛田さん、棚田バンクなどの活動についてもお話伺いました。

プロフィール

飛田晶子(とびたあきこ)
NPO法人越後妻有里山協働機構スタッフ
1979年生まれ、茨城県那珂市出身。2000年、学生時代に「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」にボランティアスタッフ「こへび隊」として参加。その後は、サポーターとして東京、現地を行き来しながら活動。03年サポーター事務局としてボランティアスタッフやアーティストの廃校を活用した宿泊・食事運営を担当し、以降も棚田の農作業や作品制作・清掃活動等を経験。06年芸術祭後に移住、NPO法人越後妻有里山協働機構のスタッフとして、現在まで飲食・宿泊サービスを中心に「大地の芸術祭の里」の運営に関わっている。

きっかけはボランティア参加から

新潟県の越後妻有地域(十日町市・津南町)で3年に1度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」という大規模なアートイベントがある。アートを通じた地域活性化の取り組みとして国内のみならず海外でも名の知れたイベントだ。そこで作品、施設、プロジェクトを管理運営するNPO法人越後妻有里山協働機構のスタッフとして運営に携わる飛田晶子さん。21年前の2000年に「大地の芸術祭」はスタートした。大学生の頃に友人に誘われてボランティアとしての参加だった。

イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」撮影・中村脩

当時は将来どうするか特に決めておらず、面白いものがあると誘われ、パンフレットを見て興味を持った。ボランティアで集まったのは学生が中心で、仲間たちや出会う人が面白くて数年間はボランティア活動を続けていた。2003年に臨時職員として半年くらい働くが、一度やめて2年半くらい東京で編集の仕事をしていた。2006年に再び参加したのをきっかけに新潟に移住をした。主な仕事は飲食サービスが中心で、廃校や空き家を使った宿泊施設や飲食店の運営に関わった。集落で郷土料理を作って来訪客に提供したり、東京などからシェフに来てもらい新潟の食材を使ったメニューを開発や食事会に関わった。

約762平方キロメートルの広大な土地が美術館

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市・津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊に残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集める。

マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」撮影・安齋重男

越後妻有地域の約762平方キロメートルの土地を美術館に見立て、アーティストと地域住民とが協働し地域に根ざした作品を制作、継続的な地域展望を拓く活動を目的としている。越後妻有という地名は、古くからこの地域が「妻有郷」と呼ばれたことに由来している。期間中は50日間開催し、約50万人以上の来訪者があるという。冬場は豪雪地帯となるため、野外展示のメンテナンスをはじめ、作品の雪囲い、屋根に雪下ろしなどの管理も行っている。

飛田さんは「大地の芸術祭の里」の施設運営(主に飲食サービス)や地域を訪れる方へ主に空き家や廃校を活用した場所で地元の方々と食事を提供する取り組みなどに携わっている。通年では「越後まつだい里山食堂」等飲食提供施設に関わっている。

まつだい棚田バンク

芸術祭の開催地のひとつ、十日町市松代(まつだい)は、「星峠の棚田」をはじめとした、日本有数の棚田が広がる地域。そんな美しい棚田は、過疎化、高齢化が深刻となり後継者不足が大きな課題である。2003年、そうした状況下から失いつつある担い手を、棚田の里親として募集して農作業体験しよう「まつだい棚田バンク」という取り組みも始まった。「まつだい棚田バンク」は、担い手のいなくなった田んぼを引き受け耕作しながら、里親(棚田バンクオーナー)や地元住民、アーティスト企業や学生など、多種多様な人々とともに、都市と地域の交流を広げる活動を行っている。2020年度は126枚の田、76万平方メートルを手がけた。秋には収穫して里親の皆さんに登録してもらった面積分のお米をお届けている。

TSUMARI KITCHEN

廃校になった校舎(NUNAGAWA CAMPUS)で18年芸術祭オフィシャルツアー向けに食事提供をシェフ監修のもと地元のお母さんたちと行った。50日間で7,000名ほどの利用があった。

主に冬の豪雪時期にツアーバスで各集落で地元のお母さんたちが越冬保存食を今は使われなくなった漆器に並べお客様へ提供する取り組み『雪見御膳』は、13年よりスタートし数年前より担当している。一年に一度だけ、空き家が御膳会場に生まれ変わるそうだ。

これからどうしていきたい

訪れた人にまた来たいと思ってもらえたら。棚田のお米づくりや地域のお母さんがつくる食卓に並ぶ料理を未来に伝えていくためにできることをしたい。

パッションポイント

落語、Podcastやラジオを聴く、写真、映画、運転

公式サイト、出版物など

大地の芸術祭の里

まつだい棚田バンク

チケット(私のできること、得意なこと)

・越後妻有のまわりかたの提案

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

三省ハウス(十日町市松之山小谷集落)から見える風景
新潟県十日町市松之山小谷327
公式サイト

移住するきっかけになった風景 季節、時間で景色の色が全然変わる

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

つながり

岩根宏 (流山お田んぼクラブ)

・高木千歩

・樋口道子

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

先日インタビューした千葉の岩根さんんからの紹介です。ここでの棚田バンクに参加したのをきっかけに、岩根さんは流山市で田んぼを使った地域交流をされています。妻有での大地の芸術祭は何度か行きたいと思っては行けずにいましたが、今回お話を聞いてやはりいつか必ず行きたいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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