大学時代から小田原や静岡でのまちおこしコンテストで優勝するなど頭角を表し、超帰省の旗揚げやオダワラブレイクの発足など注目を集める根岸亜美さん。
地元である神奈川県の大井町には、神奈川県でありながらJR東海の御殿場線が通っているという珍しい地域で、その町で生まれ育ち、高校は平塚へ、大学は都内へ20歳まで通った。学生時代から世界史が好きで、早稲田大学の教育学部に進学。将来は中学教師になって歴史を教えたいと思っていた。歴史の教員になるには地理と歴史の両方を学ぶ必要があり、人文地理も学んでいると、次第に地理が面白いと思うように。人文地理学は、人文・社会現象を研究対象としていて、農業や産業との関係や市街地の活性化、人の暮らしと地理の関係などを学ぶ。
その中でシャッター商店街を再生した事例を学んでいると、地元の小田原にも興味を持ち始めて、地元で何かできないと思うようになった。幼い頃から小田原には家族でよく出掛けていたので馴染みが深く、その町もシャッター通りとなりもったいないと思っていた。そのタイミングで偶然にも小田原のブランディングを考える授業があり、エントリー。小田原の海へと続く一本道を初恋ロードと名付け、甘酸っぱいレモンシティ小田原にという企画を提案し優勝した。それをきっかけにクリエイティブ戦術を広告代理店の方に教えてもらい、クリエイティビティ×地域のアプローチの楽しさに出会う。さらに大学3年生時には、三保の松原を盛り上げようというアイデアコンテストで、「三保ポーズ」というアイデアを提案して優勝。その後、「企画力を磨いてから地域で仕事をしよう」と考えるようになる。
学生時代に地域活性化の企画に関わったのを機に広告代理店に就職した。地域活性は、まちの人がそのまちを誇りに思う状態にすること。また、まずは地元の人が地域を楽しんだ結果、その魅力が伝播するものと感じていた。そこで、社会人として働きながら週末に西湘地域で1泊2日のオリジナルツアー「暮らしを想像するツアー」を企画。地域のそのままの暮らしを紹介したいと思い、近親者を中心に誘った。地元地域の楽しみ方、西湘が自治体ではなく“エリア”として面白いと伝える。自分自身がコンテンツとなって、思い出の場所や実家まで、幅広く案内した。参加者同士が最終的には親友レベルにまで親しくなるのを目指し、1ヶ月後に都内の飲み会で再会して、ツアーで撮影した写真を持ち寄って、思い出話に花を咲かせるなどあらゆる工夫を凝らした。
ツアー参加者たちの共通言語が“小田原”になっていく過程を見て、他の地域でも出来るのではないかと思った。何度かツアーを重ねていく中で、参加者の1人からそのツアーをヒントに何かしたいという相談があった。そして生まれたのが「超帰省」だ。友人の帰省に付いていくのもありじゃないか。お盆や正月以外でも、1人で帰らず友達と帰省するのもいいじゃないかと企画を具体化した。「超帰省」を文化にし、いつかは広辞苑に登録されることを願っている。
仕事では広告企画職をしていて、週末のツアーで地元のゲストハウスのオーナーと繋がる機会もあり、ブランディングの相談に乗っていた頃、コロナ禍に突入してしまう。これからはゲストハウスが連携しながらこの状況を乗り越えないといけない。仲間たちとミーティングを重ね、「地元の人が地元を楽しめること」をしていこうと話がまとまった。そしてゲストハウスオーナーたちと「オダワラブレイク」を立ち上げ。新しいことを生み出す、小休憩としてのブレイクから名付けた。これまでのイベントでは茶道や座禅などの企画を実施。「地元を旅する」という視点で小田原の魅力を再発見する自転車ツアーもやった。20代から30代をターゲットに地元を再発見する企画を生み出している。
また小田原内における場づくりやwebサイト制作などに関する企画ディレクターとしても活動中。
地元に企画会社を作りたい。
広告にこだわらず、企画だけにも限らず、人と人のコミュニケーションが発生するその隙間にある言葉やクリエイティブを作り上げる企画事業を地元で手掛けられたら。
まちあるきをする、哲学書を読む、スパイスカレーを食べる。
Facebook オダワラブレイク
・小田原を含めた西湘エリアを案内します(おもしろい場所、おもしろい人紹介します) |
・地域での企画のアドバイスできます |
※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。
国府津駅(こうづえき)のうしろの山をのぼった丘からみる景色
長崎の居留地エリア
・有賀みずき(編集者)
・守屋真一(micro development design / 一般社団法人超帰省協会)
・森恭平(FG長崎2045)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
有賀みずきさんからの紹介でインタビュー。以前インタビューした守屋真一さんの時にも名前が出て、周り巡ってようやく話を聞けました。コミュニティ活動していく上でいくつかヒントもあって、とても楽しくお話を伺えました。またお話聞かせてください。小田原にも遊びに行きます。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |