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【沖縄】儀間敦夫(オリオンビール)

オリオンビール製造部一筋で、地域の人たちと開発した75BEER(ナゴビール)が大ヒット。開発に携わった儀間敦夫さんにインタビュー。

プロフィール

儀間敦夫(ぎまあつお)
オリオンビール株式会社 生産本部 製造部 部長

1967年沖縄県国頭郡伊江村生まれ。
15の春に島立をして、高校大学は那覇市在住。琉球大学理学研究科修了(泡盛の新酒と古酒の違いを物理化学的視点から溶媒構造について研究)。92年オリオンビール入社。ビール醸造家。PTAやキャリア教育に取り組む。趣味はボウリングとウォーキング。地元新聞紙での執筆活動もたまに。名護市少年補導員、名護ロータリークラブ(社会奉仕委員長)など地域ボランティア活動にも積極的に。

神谷氏(名護十字路商店連合会)との繋がりとしては、75BEER(ナゴビール)の開発から限定発売そして定番化へのリリースまで密に関わってきている。その後、名護こども食堂と名護ロータリークラブとの懸け橋役として繋がって、現在コラボで取り組み中。

オリオンビール製造部に配属

生まれたのは、沖縄本島の本部半島から北西9kmの場所にある小さな島・伊江島。高校と大学は那覇市にある学校に進学した。本当は高校の理科の先生を目指していたのだが、試験で落ちてしまい。その後にオリオンビールで採用されて1992年に入社する。配属は入社以来一貫して製造部で、品質管理や新商品の開発、醸造技術の研究、設備の更新やソフトウェアの開発など多岐にわたる。仕事以外でもPTA会長を小学校から中学、高校までやったという。今でも出前授業として中学生に職業人講話と題して、話す機会もあるそうだ。

オリオンビールは、アメリカ合衆国統治下だった1957年(昭和32年)5月18日、湧水があった名護市で沖縄ビールとして設立され、1959年からオリオンビールに社名を変更した。全国的には5番目のシェアで、2002年からアサヒビールと提携関係にある。沖縄県内ではトップのシェアを誇り、県民自慢のビールだ。オリオンの名前は、オリオン座に由来し、南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること、星は人々の夢やあこがれを象徴すること、さらに当時沖縄を統治していた米軍の最高司令官の象徴が”スリースター”であったことなどから、一般公募から採用された。

名護市民と共につくった75BEER(ナゴビール)

地域での活動にも参加していた時、子ども食堂をやっていた名護十字路商店連合会の神谷さんと出会う。ちょうどその頃、名護市観光協会が名護市にオリオンビールの工場があることから、ビールの街宣言を発表。商店街のメンバーたちと意見交換する機会があり、それぞれ夢を語ってもらった。オリオンビール側も若手社員中心に醸造技術を向上することを目的にプロジェクトがあり、その年の課題として何を取り組むか思案中でもあった。

地元のビールで盛り上げていきたい商店街側と醸造技術向上でなにかアイディアを模索していたオリオンビールとがかみあった瞬間でもあった。そしてオリジナルビールが実現。小ロットで製造しテストでスタートするも、瞬く間に完売し話題となる。会社としてはアンケートも回収しそこで終わるはずだったというが、世間の盛り上がりに答える形で定番商品化が決まる。現在までは第5弾商品まで拡大し、全国でも販売するまでに成長した。以前にもクラフトビールを開発したことはあったそうだが、ここまで成功した事例はなかった。75BEER開発に当たって、沖縄県産のシークワーサーを表現するために、オーストラリアまで行き、シークワーサーの味に近いホップを探し出し実現したという。

これからどうしていきたい

ビール造りを通して、循環型生産活動を活発化していきたい ビールの搾り粕(モルトフィード)を堆肥として再利用し、そこに麦を植え、それをビールの原料として製造を行う。 それが完全循環型生産で地域貢献や地産地消にもつながる、加えて沖縄県産原料を使用したモノづくりにも積極的に 貢献していきたい。(オリオンザドラフトがまさしくそれで、伊江島産大麦を使用。)

また75BEERシリーズは地域の方々と一緒になって開発から商品化まで作り上げた事例のひとつである。ビールは、人々をハッピーする。人、場、世界を笑顔にしたい。

パッションポイント

ボウリング、ウォーキング

明日は今日の風は吹かない だから今日出来る事は今日で。仕事とは、誰かを感動させるもの。それが無ければ単なる作業。 どうせやるなら、注がれたグラスの向こう側の笑顔のために!

最寄りのホームグラウンド(ボウリング場)。ボールの数だけドラマがあり、その選択が大切な試合では駆け引きとなる。勇気とチャレンジも必要(仕事にも共通)

公式サイト、出版物など

オリオンビール

チケット(私のできること、得意なこと)

・名護市にあるのビール工場見学にきてください。
・名護の砂浜で75BEERを飲みましょう。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

家のベランダから眺める庭(名護湾の風景)
沖縄県名護市

家のベランダから眺める名護湾の夕日。このグラデーションと夕日のイメージは2019年にリリースした75BEER(ナゴビール)の缶体のグラフィックと中身ビール色を表現してます。

お気に入りの場所(アウェイ)

伊江島のワジー(湧出)
沖縄県国頭郡
島の北海岸の風景
観光サイト

15の春に島立をした伊江島の北海岸で、湧出(ワジー)と呼ばれる場所で、南側の砂浜とは異なった顔を見る事が出来る。その場所は、海中から水が湧き出る場所で、沖縄本島からの海底送水管が出来るまでは貴重な水源であった。今も使用している。

つながり

神谷康弘(名護ビール)

前田裕子(名護市観光協会)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

神谷さんからの紹介でインタビュー。名護市を代表する75BEER開発に関わった人物のお一人でもあり、オリオンビールの製造部部長さんにお話を伺えるとは夢にも思わなかったので、インタビュー前から楽しみにしていました。とにかく明るくて元気でパワーをいただいた気がしました。必ず名護に行きます。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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