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【北海道】入舩絵美(樹皮細工)

山に関わる仕事をしたいと地域おこし協力隊で北海道那中川町に移住。樹皮細工職人として活躍する入舩絵美さんにインタビュー。

プロフィール

樹皮細工 入舩絵美
1985年新潟生まれ、大工の祖父の影響で住宅業界に就職し管理職を務める。管理職を経験したことで、改めて本当に自分がやりたい仕事を模索し始める。そして、幼いころ山好きの父がいつも連れて行ってくれた大好きな山に関わる仕事を探し始める。2015年、山に関わる仕事で北海道中川町に移住して、そこで山ぶどうの職人と出会う。この出会いから山で生きる植物の力強さを伝える存在になりたいと樹皮細工職人として生きることを決意。

材料の採取で山に入ると植物の生命力をたくさんいただきます。その植物の生命の力強さを自分自身が感じることで、それを生かしたモノづくりができると思っています。山が好き、植物が好きだけど身近には感じずらいという方にも、身近な道具に形を変えた植物をお届けして永く大切に育てて頂けるように丈夫で使いやすい商品を編んでいきたいと思います。

自分の人生を生きていく

山ぶどうつるの樹皮と白樺の樹皮を使ってバッグや小物などを製作している入舩絵美さん。主に自身のWEBサイトで販売をしていて、イベントなどでも販売を行うこともある。出身は新潟県で、大学を卒業し2007年からリフォーム会社に勤めて店長にもなった。ずっとその仕事を一生続けるつもりだったという。しかし管理職になって人とお金の管理業務が中心となって、お客さんのために働いていた頃が良かったと思い始めた。一生このまま続けるのか、自分の人生を生きるのか。早いうちに決断をして、自分の人生を生きれる道を選ぼうかと悩んだ。

友人に地域おこし協力隊について教えてもらう

小さい頃は家族で良く登山に行っていたそうで、父親が山登りが好きで連れて行ってくれた。その影響もあって山に関わる仕事をいつかしたいと思っていた。大学時代はマングローブの調査をしていて、その時に出会った友人が木工で木を活かす仕事をするとのことで北海道に移住すると耳にする。その友だちの話に地域おこし協力隊という話が出てきて面白そうだと思った。その彼女は協力隊で木工作家でチャレンジするということだった。

入舩さんも移住を考え、探していたたら地域おこし協力隊の募集を見つけて応募。新潟から北海道に単身で移住するという不安はあったが、大好きな猫を連れて行ったそうだ。中川町に引っ越してみると地域の人たちが関心を寄せてくれて、よく飲み会にも誘われ、すぐに打ち解けて行った。協力隊としての仕事は、木材流通コーディネーターというもので、伐採され曲がったりして、捨てられるような木材を木工作家に届けて価値を生み出すという仕事だった。

樹皮細工との出会い

協力隊をやっていた時、樹皮を探してる人がいると紹介されたのが、後に樹皮細工の師匠となる女性だった。樹皮細工には山ぶどうを使って加工するが、高齢化で担い手が少なくなっていた。入舩さんはその師匠に教えてもらい、材料の採取から制作まで1人で出来るようになった。山に入っての採取は結構大変だが、自分がそうやって集めた材料で制作する樹皮細工を大切にしてもらえるのは、何よりも嬉しいと語る。木々が何十年もかけて生きていた過程を加工していくのを担えるのも楽しいそうだ。

現在は幼稚園があった場所を借りて、木工作家やカゴ編み職人の3人とでシェア工房として運営している。中川町で9月に開催される「森のギャラリー」という、多彩な作品や催しを楽しみながら、木や森林の魅力に触れられるイベントがある。例年の期間中は、森から生まれた様々なモノやコトを森の会場内に一堂に展示され、道北の作家や生産者が集い、工芸品やアート、自然素材にこだわった食品や雑貨などが販売するというイベントだ。今年はオンラインイベントで開催予定で、WEBショップで出品を行う予定だ。

これからどうしていきたい

自然のサイクル、自給自足の暮らしで生きていきたい。日が暮れて、家に帰って家族で書字を楽しんで、夜になったら寝るという素朴な暮らし方を発信して、こんな暮らし方もあると知ってもらいたい。

パッションポイント

住宅業界にいたので、いまは家を建てるのに情熱をかけている。風景をきりとって、絵画みたいに眺めていたい家を作りたい。

公式サイト、出版物など

公式サイト

オンラインショップ

チケット(私のできること、得意なこと)

・カウンセリングしながら、ご自身に合ったアクセサリーなどをお作りします。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

中川町で二番目に高いパンケ山
北海道中川郡中川町
一年に一回だけ登山できる日があります。

お気に入りの場所(アウェイ)

カロト
岐阜県各務原市前渡東町6-6
公式サイト

つながり

上村望( j.interiorshop )

池田奈美子(松葉屋家具店)

小菅謙三(空のアトリエ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

上村望さんからの紹介でインタビュー。樹皮と白樺のつるをつかった樹皮細工に木々や山々のストーリーを重ね制作する様子がインタビューしながら目に浮かぶようでした。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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