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【富山】加藤愛理子(みやの森カフェ)

盲学校やYMCAフリースクールの講師を経てコミュニティカフェを開設。老若男女が集うみんなの居場所づくりをしている加藤愛理子さん。

プロフィール

神奈川県出身。慶應義塾大学卒業後、盲学校教諭・専業主婦を経て、35歳の時に大阪教育大学特別専攻科言語障害児課程に入学。その後大阪YMCA講師。1993年~2016年 富山YMCAフリースクール国語科講師、Y’sさくらカフェ(コミュニティカフェ)担当。現在は「みやの森カフェ」を運営。

「障害とは何か」で迷いつづける

神奈川県横須賀市で生まれ、家族の転勤の関係でこれまでに20回引越しを繰り返してきた。大学は慶應義塾大学の国文を専攻。妹に障害があり、大学に行くまでは障害者に関わらない場所に行きたいと考えていたが、学生時代に児童文化研究会で養護施設に行き、学習指導のボランティア活動を始めた。また同時期に全国青い芝の会という団体の活動にも参加し、そこで徹底的に障害に対する考え方を叩き込まれたという。障害者に対して助けてあげたいと思っていたのだが、それが違う、何も分かっていないと何度も言われた。当時は苦しかったが、そのときたたき込まれたことが今の原点にあると思っている。

大学を卒業し、浜松市にある盲学校の先生に就いたのち、大学時代同じ活動をしていた夫と結婚をし、専業主婦となった。しかし専業主婦には慣れず、すぐに養護学校の講師になる。35歳の時、大阪教育大学の特別専攻科言語障害児課程に入学。同時にボランティア活動を再開。その当時は学生時代と比べて世の中が変わっていたように思えた。障害のある人たちの中に「みんなで共生していこう」とのびやかに言ってくれる人が現れてきたのだ。

コミュニティカフェ「Y’sさくらカフェ」

夫の転勤で富山に引っ越した。それ以降は夫が転勤であっても加藤さんのみ富山に残り活動を続けることにした。1993年から富山YMCAフリースクール国語科講師となり、生徒たちに自分が作った弁当を振る舞っていると、次第にどんどん集まりだし、そのうち料理を教えてほしいとも言われるようになった。しばらくして廃業したスナックを紹介してもらい、そこを改装しコミュニティカフェ「Y’sさくらカフェ」を作った。大変すぎて円形脱毛症になったこともあるそうだが、それでも面白かったと振りかえる。生きづらさを持つ若者たちも集まり、自分の悩みを相談しあったり、話をしたり、みんなの居場所となった。やがて若者のために就労支援もはじめると新聞誌面で告知すると、100件近い問い合わせが殺到したこともあった。そうした活動が10年ほど続く。

ケアラーズカフェからごちゃまぜカフェへ

組織の中では出来ることが限られてしまうという限界も感じていた。60歳になる前に老後のことを考え、母が亡くなって独居になった父と生活を始めた。一軒家を建ててその庭にカフェを作った。介護のいろはもよく分からなかったので、ケアラーズカフェと銘打ち介護ケアの人が集まる場にしようと考えた。家が完成し引っ越した4日目に、病院の検査で自分が肺がんであることが判明した。早期であったため無事に手術は成功して、カフェもスタートできた。オープンしてみると、さくらカフェ時代の若者たちをはじめ、子どもたちやその親が来てくれるようになった。近所の人も来るようになり、気がつけば老若男女が集まる場所になっていた。ケアラーズカフェというより、ごちゃまぜカフェの方がふさわしいと、ケアラーズカフェを返上して、ごちゃまぜカフェとした。

一人で相談に来た人が、他のお客さんと話をして「私だけではなかった」と笑顔で帰ることがよくある。一人で悩むのではなくてみんなで悩む方が悩みは軽くなる。月曜から水曜までは小中学生、若者が中心のフリースタイルスクール。木曜から土曜はカフェとした。野菜たっぷりのワンプレートランチの人気で、定年を迎えた夫は、今就労支援の中心となり、若者たちと頑張ってくれている。

これからどうしていきたい

出版した本「庭に小さなカフェをつくったら、みんなの居場所になった」(ぶどう社)に「私は床になりたい」と書いた。8年経って、若者たちが力をつけてきている。若者たちに、カフェという床(居場所)の上で新たな活動を広げていってほしいと思っている。

パッションポイント

面白い人を発掘する。人をつなげる

公式サイト、出版物など

一般社団法人Ponteとやま

チケット(私のできること、得意なこと)

・カフェに一歩入れば、独りぼっちではないという体験ができます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトは、Ponteとやまのホームページにあるメールアドレスでお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

砺波
富山県砺波市

お気に入りの場所(アウェイ)

台湾

つながり

斉藤保(イータウン)

・杉浦陽之助(コミュニティカフェわおん)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

斉藤保さんからの紹介でインタビュー。富山は好きな町のひとつで、そこでみんなの居場所づくりをしている加藤さん。自然体で優しい感じがインタビューでも伝わって来て、南砺市にも足を伸ばしてみたいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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