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【川崎】井上広基(畑から、台所へ。)

川崎で地元野菜を生産し、新百合ヶ丘駅前などで販売する若手農家ユニット『畑から、台所へ。』デザイン性を取り入れたファッションや販売方法で注目を集めている。

プロフィール

川崎市出身。木工屋やシルバー彫金などの仕事に就いていたが24歳の時、結婚を機に農業の道へ進む。代々続く農家を継ぐ。農家仲間たちとユニット『畑から、台所へ。』を結成した。

川崎の地元野菜を生産する農家

東京都と横浜市に挟まれた川崎市に農地があることをどのくらいの人たちが知ってるでしょうか。多摩川沿いに南北に伸びる川崎市は、かつて江戸時代には東海道の宿場町として、多摩川の水源を利用した二ケ領用水をつくり大規模な水田稲作地帯でもありました。近代以降は工業都市、ベッドタウンとして急速に変わっていき、農業人口も減っていきました。

井上さんは同市麻生区にある農家を継いでいるが、実は木工屋やシルバー彫金をやっていた時に奥さんと出会い、結婚を機に、農家を継いだ。最近はYoutubeを通じて動画配信を行い、メンバーを紹介している。野菜は80種類以上を手がけ、地元野菜「万福寺人参」や珍しい野菜など生産している。どんな野菜を作るかは、雑誌を見たり、知人たちから美味しい野菜の話を聞いたり、道の駅で各地の野菜を見つけたりして、自分で作っているそうだ。2019年の台風被害では、ちょうど大根の芽がで始めた頃だったそうだが、半分近くを台風被害で失ったという。自然の猛威にはどうしようもないという現実も体験した。

畑から、台所へ。の誕生

おそよ50年間続く、柿生野菜生産者直売会の若手メンバーで構成する『畑から、台所へ。』は白いシャツに、デニムエプロンという格好でマルシェに立ち、農家とは思えないオシャレで清潔感のある姿で、あっという間に人気の的となっていく。陳列の方法などはメンバー同士で話し合い、色使いや配置にもこだわっているそうだ。『畑から、台所へ。』という名前は、柿生野菜生産者直売会のキャッチコピーから名付けられている。

また、自分たちの姿をモチーフにしたキャラクターも作った。マルシェなどに出店する際にはシールを貼って、『畑から、台所へ。』のブランディングにも力を入れている。結成したきっかけは2〜3年前に新百合ヶ丘駅前で開催されたしんゆりフェスティバルマルシェ。

最近は、小田急と一緒にコラボし、新百合ヶ丘駅前や駅構内で野菜を販売した。駅構内で販売した時はたくさんのお客さんが足を止めて買ってくれ、夕飯の支度前となる夕方に朝獲れ野菜を陳列した。

また新百合ヶ丘駅前のイオンでは、『 畑から、台所へ。』のコーナーを作ってもらい出荷している。無印良品の店内でも即売会を行い、現在は常設してもらっている。地元のお客さんからは地元で野菜が生産されていることを初めて知ってくれる大きなきっかけにもなったそうだ。また対面でコミュニケーションをするなかで、それぞれの野菜の食べ方の提案もしているという。

そもそも生産した野菜を何故マルシェに出そうと思ったのか。きっかけは、これからこんなマルシェをやりたいので一緒にやってくれませんか。とseiseki farmers meeting という聖蹟桜ヶ丘のグループリーダー城田恵子さんと友人のtak beansの松崎さんが立ち上げの時に、井上さんに声をかけてくれたのがきっかけだそうだ。井上さんも立ち上げメンバーで、そのマルシェの名前は『 SEISEKI ASAICHI』。

SEISEKI ASAICHIでの野菜販売がそれまでとは違いおしゃれで、その雰囲気に合わせて、販売方法も変わっていった。 城田恵子さんの旦那さん(竜一さん)には、『 いのうえのうえん』、『 畑から、台所へ。』のロゴやキャラのデザインを作ってもらった。

これからどうしていきたい

この先の夢について聞いてみると、柿生の直売所をリニューアルして、『畑から、台所へ。』の店舗を作るという。また、柿生野菜生産者直売会の先代がバスを使って野菜の移動販売をしていたらしく、その復活も密かに目指しているそうだ。

パッションポイント

キャンプ、アウトドア、植物

公式サイト、出版物など

Instagram (@inoue_nouen)いのうえのうえん

Facebook 畑から、台所へ。

チケット(私のできること、得意なこと)

・用途にあった野菜を提案します
・人を繋げます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

nichinichi(ニチニチ)
神奈川県川崎市麻生区万福寺4-8-4 ペルナ 101号
公式サイト
食べログでパン百名店に選ばれたお店。小田急新百合ヶ丘駅北口徒歩8分

お気に入りの場所(アウェイ)

tak beans(タック ビーンズ)
東京都多摩市一ノ宮3-7-16
公式サイト
京王線聖蹟桜ヶ丘駅西口徒歩約5分

朝霧ジャンボリーオートキャンプ場
静岡県富士宮市猪之頭2971

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つながり

田中みずき(Beaulily)

城田恵子(Seiseki farmers meeting)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

新百合ヶ丘で活動している田中みずきさんからの紹介でインタビューしました。私が川崎市内でコミュニティ活動を始めた頃から川崎野菜についてよく耳にしていましたが、実際に農家の方に話を伺ったのは初めてだったので、新しい世界を見た気持ちでした。人懐っこく話してくれる井上さんの魅力に惹き込まれました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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