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【東京】戸嶋浩子(ひらがなネット)

ニューヨークで生活した経験を活かし、帰国後は「ひらがなネット株式会社」を設立。在住外国人と日本人をつなぐ仕事を行う戸嶋浩子さん

プロフィール

2005年に夫の仕事の都合で渡米したことがきっかけとなり、帰国後外国人に日本語を教えるボランティア教室で活動。その後、一緒に活動していた吉澤弥重子と2012年に「ひらがなネット株式会社」を設立。散歩や料理教室などのイベントを主催するとともに、前職での雑誌編集の経験を活かし外国人向けのガイドブックや外国人との関わり方に関する情報冊子の制作や、東京都や墨田区など行政の事業を行なっている。

ニューヨークで無料英会話教室に出会う

東京都目黒区に生まれ育ち、女子美術大学短期大学部を経て、賃貸住宅情報誌の仕事に就き、編集長時代を含めて10年ほど勤めた。その後は資格試験の予備校に転職して新しい部門の立ち上げを経験した。夫の転勤の関係でニューヨークに渡り、慣れない海外生活がスタートした。日常生活で英語のヒアリングがうまくできず、答えることができなかった。生活で使う単語が出てこない。半年過ぎた頃、ジャパンソサエティで開かれている英語教室に通い始めた。英語を学ぶことが楽しくなり、もう少し勉強しようと調べると、図書館で無料の英語教室が開催されているのを知った。申し込み、週に2回通い出した。ニューヨークは移民が非常に多いという背景があり、無料で英語を教えてくれる場所が多い。図書館の生徒から別の教室(週5日、無料)を教えてもらい、そこにも行った。週に9コマのうち、7コマは無料で学ぶことができた。英語で英語を学ぶのは新鮮で、理解がしやすかった。

ひらがなネットの開始

1年半ほどの海外生活ののち、帰国してからは墨田区のボランティアセンターで、日本語を外国人に紹介する教室があることを教えてもらい、ボランティア活動を始めた。自身のアメリカでの経験から日本で暮らす外国人の手助けをしようと考えた。外国人の子どもたちの学習支援やその親たちの生活サポートを行う活動にも参加した。外国人の親は、学校からのプリントが読めず、間違ったものを持たせたり、忘れ物をさせてしまったりと悩みが多かった。そうした困りごとを解決したい、外国人が気軽に参加できる場を増やしたいと考えるようになり、2012年4月に会社を設立。NPO法人ではなく会社にして事業をしていくことを決めた。

会社を始める2年前から、外国人向けに日本の家庭料理の作り方を教える料理サイト「ひらがなレシピ」を自身で立ち上げていたこともあり、料理教室や、外国人と日本人が一緒に町歩きを楽しむイベント「みんなで散歩」を企画した。東京スカイツリーが開業して外国人観光客が増加した背景もあり、飲食店などの英語メニュー作成を支援する墨田区の事業を受託するなど、活動の場を広げていった。他にも「ひらがなネットしんぶん」でをベント告知として発行し始め、現在までに100号を突破。区内の飲食店などでも入手できる。

これからどうしていきたい

今年4月で10周年を迎えることができた。ずっとニッチな仕事を選んでしてきて、時代とともに必要とされるようになってきた。これからも小さな会社ならではの視点と機動力で、多文化共生の仕事の幅を広げていきたい。しっかり稼いで、外国人スタッフも増やしていきたい。

パッションポイント

旅行、散歩、映画、舞台、ライブ

公式サイト、出版物など

ひらがなネット

ひらがなレシピ

Youtube  ひらがなネット 公式チャンネル

Facebook ひらがなネット株式会社

Twitter (@HiraganaNet)ひらがなネット

Instagram (@hiragana_net)ひらがなネット株式会社

チケット(私のできること、得意なこと)

・外国人と日本語でコミュニケーションする方法を教えます
・さんぽで都内コース、まちあるき案内します

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

両国駅から見た空

仕事を終えて両国駅に向かう時、遠くの空がとてもきれいに見える時があります。両国駅のホームからもきれいな空が見られます。

目黒

都会の住宅街の空。建物の間からぱっと空が開ける場所が好きです。上は、近所の駐車場。今日は空がきれいだなと思ったときに、ここに行くと、ぱっと広く見渡せる。下は、東急東横線の車窓からの空。中目黒を過ぎると空がぱっと開けてとても好きです。

お気に入りの場所(アウェイ)

山形県赤湯

1本の古木からだけ収穫したぶどうで作ったワインのプロデュースの仕事をしました。赤湯のワインはぶどうの味がしっかりして、とても美味しいです。写真はブランディングした古木ワイン、古木とワインの物語を絵本にした販促用の冊子。

つながり

三田大介(すみだクリエイターズクラブ)

・前田幸輔(VILLA青鹿)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

三田大介さんからの紹介。海外で体験したことを活かして日本で外国人の方向けに支援をしていると聞いて、大変素晴らしい活動だと思いました。東京のみならず全国に広がることを願っています。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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