100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【佐賀】小田切裕倫(Challite)

音楽業界から美容業界に転身。東京から佐賀に移住して地域目線でコスメをプロデュースする小田切裕倫さん。

プロフィール

1973(昭和48)年7月11日生  株式会社Challite 代表取締役
HanaMarche 実行委員会 代表 HanaMarcheConnect 代表 NPO法人唐津Switch 理事

洋楽が好きでレコーディングスタジオで働く

東京都生まれ育ち、高校の頃から音楽が好きでハードロックをよく聴いていた。作曲や演奏よりも、音を創ったり音色をいじるのが好きだったという。高校を出て音楽系の専門学校に進学するが、とにかくつまみに囲まれたかったのと学ぶよりも働いた方が早いということに気づき、わずが1ヶ月で専門学校に行かなくなり、都内にある音楽スタジオに飛び込んだ。音楽には流行もあり、時代に合わないと感じたり楽しくなくなったらやめようと引き時を決めていた、35歳くらいで時期が来たと感じ、プライベートを重視していこうと転職を考えた。

音楽業界から美容業界に転職、佐賀に移住

そんな時に見つけたのが美容業界。社長室業務の募集に出会い、単純に格好いいと思った。音楽業からから美容業界への転身で、まったく知識もなかったが、人と環境に恵まれ、さまざまな機会を得ることができた。固定観念がない、素人という目線でだけにいろんな疑問から開発に関われたのが良かったと振り返る。ある日、「なぜ全国には気候や特産物がそれぞれ違うのに、それを生かした商品がないのだろう」と疑問に思うとともに強い関心を持った。その視点を事業に組み込みたいと社長に話し、地域デザイン推進室という事業を立ち上げてもらった。

新しい配属先では各地方での美容について調べていた。化粧品は医食同源にも近いらしく、その土地や文化的なものの要素も背景として大きく影響している。タラソ、フィト、インドのアーユルベーダ、北欧のサウナ。フランスでは国策として化粧品産業に力を注いでる。

ある種、自然由来の素材を原材料として化粧品ができてることもあり、日本の四季が海外から評価されるように、四季折々、地域の特性に応じた化粧品もあっていいと思った。なんのための綺麗か、ビューティーとは何か、コスメとは、、、と考えていくと綺麗の定義が広くなっていった。地域性やコミュニティと連携して化粧品をつくる。その結果その地域の方たちを綺麗にしたいと語る。地球環境、社会環境が綺麗でないと自分たちも綺麗になれないと考えるようになっていた。

その中で佐賀県唐津市にコスメ構想という動きがあり、一般社団法人ジャパン・コスメティックセンターという団体が立ち上がったことを化粧品製造などに関わる友人から教えてもらい、唐津を訪問。事業に興味があるなら、入ってみたらと声をかけられた。するとすぐに転職を決心し、家族への説明もままならぬまま、単身で佐賀に移住した。

地元高校生との協働で見えた世界

ジャパン・コスメティックセンターの一員として働いていたある日、県の特産品のグレープフルーツ「さがんルビー」を全国的に知ってほしいと唐津東高校の生徒から相談があった。

地元の学生たちによる発案ということもあり、県などもバックアップしプロジェクトが動き出す。まずはグレープフループを使ってを佐賀大学と共同でサイダーの試作品を作った。しかしそれだけでは事業性がなくPRとしては弱い。学業の合間に議論を重ね、次に廃棄するグレープフルーツの皮から香りの成分を抽出してリップクリームを作ろうとなった。リップクリームなら高校生たちも日常で使えて、化粧品としても身近なものである。このプロジェクトで届けたいのは商品だけじゃない、商品を通した日常や非日常を想像しようとアイデアの解像度を上げていった。リップクリームはありがとうのメッセージを添えられるギフトとして製品化することにした。

しかし製品化には資金をどうするかと壁にあたったが、クラウドファウンディングを活用して、110万円を超える資金調達に成功した。佐賀県内ではまだクラウドファンディングの認知度が低かった時期で全てが手探りだった。ビジネスコンテストにもエントリーをして全国1位の文部科学大臣賞も受賞した。さらに数年後には大手化粧品メーカーからも佐賀県のグレープフルーツを使って商品化したいと相談が来るまでに話題は大きくなった。2019年には自身の会社「Challite(チャライト)」を立ち上げた。由来は昔から友人にちゃらいと言われ続け、その言葉が似合ってると言われていたことと、チャリティ、チャレンジしたい人にライト(デライト)をあてるという造語でつけたという。

これからどうしていきたい

みんなが地縁血縁以外に故郷的なものを10作れるような活動。

暮らしと働きの流動性(選択肢)を高めるための活動、地域や人同士の繋がりをつくる。

パッションポイント

サッカー、音楽

公式サイト、出版物など

公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

・土いじりしながら、自然と暮らし、働きを考える研修をします
・キレイを一緒に考えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

TIMERの宿
佐賀県西松浦郡有田町下内野2440−4
公式サイト

唐津switch
佐賀県唐津市南城内2−6
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

三重県熊野市の海岸

つながり

松尾聡子(バーズ・プランニング)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

松尾聡子さんからの紹介でインタビュー。共通の知人も何人かいて不思議な縁を感じました。いろんな地域の特色を生かしたコスメが全国に広がっていくのは面白いですね。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧