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【大分】小笠原順子(一般社団法人ゆれる)

学生時代は競泳選手としてシドニー五輪に出場し、社会人を経て大分県竹田市に移住。馬を中心とした暮らし型セラピーなどを行う小笠原順子さん。

プロフィール

一般社団法人ゆれる 代表理事/株式会社YURERU 代表取締役

東京都出身。中央大学法学部卒業後、2004 年キリンビール株式会社に入社。営業職、企業ブランド戦略を担当。2016年退職後、大分県竹田市へ移住。地域おこし協力隊に就任。教育や地域の魅力発見、世代間交流の機会つくりを中心とした活動をスタート。オリジナルの体験型教室「タケハコ教室」や8ミリフィルムを市民から集め映画を制作する「竹8シネマプロジェクト」を実施。現在は、「一般社団法人ゆれる」を立ち上げ、代表理事を務める。馬を中心とした暮らし型のセラピーを行う牧場や児童デイサービスを立ち上げ、空き店舗を活用した映画館でフィルムの保存や活用も行なっていく。

キリンのCSV活動で大分県竹田市とつながる

競泳選手としてのアスリート人生を引退、大学を卒業しキリンビールに就職。会社のSCV活動でサッカー日本代表のスポンサー業務で、子どもの夢を応援する事業に関わる。大分での代表戦開催が決まり、その事業を協力先の自治体を探していた時に竹田市が候補になった縁で大分県竹田市と関わるようになった。

キリンでは産休と育休を繰り返しながら10年間営業の仕事をしてきて、子どもができて充実はしてるが夜まで子どもを預けて、また仕事をするという毎日に疑問を感じるようになる。将来を考えた時、違和感のまま子育てを続けるよりも会社を辞めて田舎暮らしをしたいと思った。出張で出会った竹田市に移住を決意。行政にも移住に向けて相談すると、地域おこし協力隊の募集も行っていると知り、応募をしてみることにした。

 

タケハコ教室と竹8シネマプロジェクト

2016年から移住して竹田市の地域おこし協力隊になった。協力隊では子育て支援を中心に取り組んだ。ワークショップも講師を外部から招く体験教室「タケハコ教室」では、「トンネル宇宙教室」と題して、トンネルを使って宇宙教室を行った。JAXAのスタッフが隊長となり、宇宙を身近に感じる体験を提供したり、子ども食堂を地域で始めた。さらに、「竹8シネマプロジェクト」では、子どもたちがサイレントの8ミリフィルム映像に効果音をつけるフォーリー教室を開催した。地域に残っている8ミリフィルムを見ながらどんな音が鳴っているのかを書き出し、必要なモノを持ち寄って録音した。その様子を記録したドキュメンタリー映像と合わせて2本製作し上映した。

映画に関してはまったくの素人でもあった、映画を勉強しようと思い、湯布院で開催されたゆふいん文化記録映画祭に参加。そこにゲストで来ていた馬のセラピー牧場を広め、生きることに困難を抱える人へのセラピーを行う第一人者の方と知り合う。その方から動物の力を取り入れたら、もっと子どもたちにとって意味のある活動ができるのではと提案され、自分も動物が大好きだったと気付かされた。協力隊の任期も残り1年という時期もあり、竹田市に残り子どもたちのために何を生業とし、生きていくのか悩んでいた頃でもあった。

馬を中心とした暮らし型のセラピー

その頃、学校に通うのが難しかったり、いきることに困難の抱える人たちが集まれるような居場所をつくりたいとも考えていた。そこで竹田市に馬の牧場を作ることを決意した。しかし場所を探すのが難航し、3年近くかかって馬小屋付きの古民家を紹介してもらえた。そこを拠点に「一般社団法人ゆれる」を2020年に立ち上げて、放課後児童デイサービスを開始した。名前の由来は、子どもが生きていく環境で、じっとしていられないことが許されない事が多く、そうではなく体を動かしたり踊ったり、自然に体をゆらすことで、楽しさや幸福をありのままに表現して生きてほしいと願い、ゆれると付けた。

 

2021年から株式会社YURERUを設立。馬を中心とした暮らし型のセラピーを行う牧場兼オルタナティブスクールを開始。年齢問わず全国から子どもたちを受け入れて、馬を中心にヤギやロバ、犬、猫、ニワトリの動物たちと共に暮らしている。朝6時ごろから、馬たちにエサをやることから1日が始まり、子どもたちが自分の担当の馬を見つけて、手入れをする。不登校やひきこもりの原因のひとつに朝起きれないことがあるが、自分の馬が待ってるので、エサをあげるために自然に目を覚まし起きてくるようになる。起きて午後は自由に川に行ったり、映画を観たりして過ごす。

これからどうしていきたい

ゆれるのような馬を中心とした暮らしを他の地域でも立ち上げていきたい。

パッションポイント

暮らしにあるすべて(仕事も子育ても料理も掃除も映画鑑賞も大好きな動物たちとの時間も、私の好きなものはすべて今の暮らしにあります。)

公式サイト、出版物など

Instagram(@yureru.official)YURERU ゆれる

Facebook 一般社団法人ゆれる

チケット(私のできること、得意なこと)

日本一の長湯温泉や美味しいお食事処をご紹介します。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

竹田市の城下町の雰囲気

お気に入りの場所(アウェイ)

竹富島

つながり

茨木いずみ(NPO法人グローカルアカデミー)

市瀬健治(竹富島地域自然資産財団)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

茨木いずみさんからの紹介。毎回事前にいろんな記事や資料を見てインタビューに臨むのですが、そこで元五輪選手だったというのを知りました。キリン時代の話も協力隊時代の話もすごく面白くて、今の活動にもすべて通じてて、今後の活躍が楽しみです。大分県には何度か行った事がありますが竹田市は足を運んだ事がないので、いつか行ってみたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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