100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【岐阜】濱野かほる(アート・コミュニケータ)

イラストレーターと美術教育を行うアート・コミュニケータとしての活動を行なっている濱野かほるさんにインタビュー。

プロフィール

濱野かほる(はまのかほる)
多摩美術大学卒業。
デジタルコンテンツのデザイナーからキャリアをスタートさせグラフィックデザイナー、イラストレーター、美術教育を行うアート・コミュニケータ。アートにまつわるワークショップ企画、乳幼児家庭教育の屋外活動インストラクターやプログラム企画・運営も行う。アートの対話型鑑賞のファシリテーター。趣味はお菓子作りとピクニックとキャンプ

2014年~:一般社団法人 遊心にて屋外活動のインストラクターを開始
2014年~:アートとコミュニケーションをテーマに”nicoART”名義でワークショップ活動を開始。
2016年4月~2019年3月:とびらプロジェクト5期とびラーとして参加
2018年~:たのアート(家族に向けアート体験の架け橋となるプログラム&ツアー)
2020年~:おしゃべりアートさんぽ(デジタルコンテンツ&アート鑑賞ツアー)

絵を描くことをポジティブに

東京で生まれ育った濱野さん。美大を卒業してからはWEBデザイナーとしてのキャリアをスタートし、その後グラフィックデザインも始めた。小さな頃から手を動かして何かを作るのが好きだったと語る。ある時、一般の方と話す機会があった。みんな絵を描くのも、描いた絵を見せるのも嫌がっている。恥ずかしいと言うのもあるのだろうが、その意見にびっくりしたそうだ。それまで濱野さん自身は絵を描いたり物づくりは楽しんでやればいいと思っていたので、その逆の考えを持つ人が多いのに驚いた。

アートに対するネガティブな感情はなんだろう。そんなことを考え始めた。思えば小学生の頃の美術の授業でスケッチなどするが、それを点数で評価されたり、少し下手な絵だと周囲に笑われたりもする。職業としてのデザイナーならばデザインに対して評価されるのは当然なのだが、誰しもが絵を描くと言うことに対して評価されず、自由に描きたいように描いたらいいのにと思った。

チャイルドマインダーの活動をはじめる

そうした体験から子どもの教育に興味を持ち始め、2013年からチャイルドマインダーを学ぶことにした。チャイルドマインダーとはイギリス発祥の子どもの保育に関わる取り組みで、0歳から12歳までの子どもを対象に、1〜4名の少人数保育を行う。イギリスでは国家職業資格の認定を受けている。濱野さんは幼児教育とアートの分野でこの活動を開始した。

主な活動は、子ども向けにお絵かき教室のようなものを開き、そこで上手い下手関係なく、テーマを与えて好きなように絵を描いてもらう。アートに関わる時間を楽しく過ごして欲しいとうのが狙いだ。お題は決めるが描くのは自由、すべて本人の意思に任せるのだが、保護者は先生の言うことを聞きなさいとつい注意してしまう。自由に過ごして良いのに、何を自由にやっていいのか教える必要があることに気付かされた。結果として家族に対しても、またその地域に対しても同様のアプローチをしなければ、誰々はこう話したのに、誰々は違うことを言うと子どもは何が正解かわからなくなってしまう。

活動拠点を東京から岐阜へ

東京都美術館と東京藝術大学が連携して始めた美術館を拠点にアートを介し、コミュニティを育むソーシャルデザインプロジェクト「とびらプロジェクト」の5期メンバーとして参加した。美術館にある文化資源を活かし、人と作品、人と人、人と場所をつなぐ活動を行うというものだ。例えば小学校の子どもたちが来館した際には、一緒に作品を見て対話型鑑賞をしたり、ワークショップを行ったりした。来館して楽しい思い出を作って欲しいと願いながら取り組んだと語る。

他にも美術館ツアーやチャイルドマインダーの活動から繋がった屋外活動の仲間と一緒に、上野の森の中で拾ったものを使って工作したり、都心の中でも、まちなかの公園で自然体験ができることを伝えた。現在は活動の拠点を東京から岐阜に移している濱野さん。そもそも学芸員でも教員でもない立場で、アートを学びとして伝えることに説得力が欠けてしまうという点を懸念していたこともあり、しっかり経験を積みたいと考えた。そこで探して見つけたのが岐阜での採用募集だった。またコロナ禍でイベントなども出来にくくなった背景もあり、都内のシェアオフィスを借りていた頃でもあったので、そこでいろんな地域の方との出会いにふれ、東京に拠点を置く必要も感じなくなって地方移住を決断したそうだ。

これからどうしていきたい

アートって楽しい、アートの視点、見る視点が変わる。生活が豊かになると思った。そんな楽しさを、いろんな人に届けたい。コロナ禍になってオンラインで対話型鑑賞も開始して、新しいアートの楽しみ方も実践している。

パッションポイント

キャンプ、ピクニック

チケット(私のできること、得意なこと)

・アートワークショップできます
・作品鑑賞会ができます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

岐阜城からの景色
岐阜県岐阜市18

お気に入りの場所(アウェイ)

本栖湖の広庵キャンプ場から見る富士山
山梨県南巨摩郡身延町中ノ倉2926
公式サイト

つながり

近藤乃梨子(アートコミュニケーター)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

近藤乃梨子さんからの紹介でインタビュー。絵を描くのをみんな楽しんで欲しいという話で、私自身も小学生くらいから絵を描き始め、友だち同士で漫画を描きあって見せあったり面白がっていたので、当時を振り返り、表現力や発想力を自由に無限大に広げてみると面白かったなと思いました。みんなも絵を描く楽しさを感じて欲しいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧