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【京都】角 和輝(SHARELOCAL)

デザインの活動拠点を大阪からローカルに移して、企業ブランディングやコミュニティ運営を行う角和輝さん。

プロフィール

合同会社シェアローカル 代表社員

風の人 / ブランディングディレクター / デザイナー

大阪デザイン専門学校卒業後、デザイン制作会社に勤務。2015年に独立し、KEYDESIGNを設立。デザインに対して正直でありたいという想いで2017年から活動拠点をローカルに移し、2022年合同会社シェアローカルを創業。企業ブランディング、店舗プロデュース、商品開発、ロゴデザイン、パッケージデザイン、コミュニティー運営などデザインを広域的に捉え活動中。

ローカルでデザインしたい

神戸市で生まれ育ち、大阪デザイナー学院に進学。卒業後は大阪のデザイン制作会社でブランディングを中心とした業務に就いた。2年半ほどして体調を壊し、フリーに転身。2018年に自身の事務所 KEYDESIGNを設立した。ずっとデザインに関わる仕事をしてきたのだが、ある時デザインのあり方に疑問を抱くようになった。東日本大震災が発生し広告が少なくなった時、デザインってなんだろうと思ったという。デザインが人に必要なのかを見つめ直し、違和感を覚えたそうだ。

そんな思い悩んでいた時、テレビ番組で梅原真さんが出演してるのを観ていて、地域に根ざしたデザインだったら正直に向き合ったデザインができるのではないかと思った。梅原さんは出身の高知県を舞台に活躍されているデザイナーだった。ローカルに目を向けた時、一次産業に関わってる方たちにまでデザインが行き届いてない。そこで自分がローカルでデザインに関わっていきたいと考えた。

京都の木津川に移住

ある日、大阪の百貨店でマルシェをしていて、関西圏の農家さんたちが集まっていた。そこで京都の茶農家さんと出会う。その方は和束町(わづかちょう)の農家さんで、近隣一体は宇治茶の生産で有名で、その大半を和束町で作られているのだが、茶問屋を通じて出回るのは宇治茶となってしまい、和束の名前は一般に知られることがない。その方にデザインの話をしてたら、和束町に来てほしいと言われた。違う日に和束町含めた3町村のまちおこしに関わるメンバーの飲み会に誘われて参加。

そこに南山城村という地域で道の駅を新たに立ち上げる方もいて、ちょうどデザイナーを探していると言われた。その方は後に道の駅の社長になる方で、その方曰く、道の駅は地域のハブとなる拠点であると教えてもらった。その出会いもあり、当時神戸に住んでいたが、ローカルの仕事をしようと京都への移住を決意した。道の駅のブランディングにも関わり、開業まもない頃には角さんもイベントで店に立つこともあった。

ローカルでブランディング

そのイベントですぐ近くにいた伊賀市の仕出し屋「きねや」の社長と出会い、そこでもブランディングをしてほしいと依頼された。企業のブランディングから商品のパッケージデザインなども手掛けることになった。

さらに、新規事業で町に根ざしたお店を計画してるので、そのデザインもお願いしたいと相談される。「西町や かかん」という施設で上野西町(旧松生邸)改築しオープン。名前は、上野天神祭に巡行する西町のだんじり「花冠」にちなみ店名を「かかん」と付けられた。食べ歩きできるスポットにしたいとの要望に応え、コーヒースタンド、伊賀ブランドショップ、天ぷら店、観光案内所の機能ももたせた。また社員さんが、ぼそっと口ずさんだ「揚げパン」というワードに可能性を感じてひろげた。

シェアローカルの立ち上げ

2020年に世界中でコロナ禍となり、周囲では飲食店がテイクアウトに力を入れ出したり、テイクアウト可能な飲食店の検索サービスが誕生したりと、みんな新しいことを始め出した。自分に正直でありたい、いまの疑問と掛け合わせたものしたいと考えた。小学校時代の友だちが山口県に移住していたので、オンライン飲み会をやったところ、距離が遠く離れていてもオンラインで会える時代がいいなと思った。それを発展した何かできないかと、翌日も友人と一緒に考えた。

地方には都会と違い、若者も少なく、同じ想いを持った人も少ない。ローカルにいると孤独に感じることもあり、それを解消したいと思った。そこで全国をオンラインでつなぐコミュニティ「シェアローカル」を立ち上げる。オンラインイベントやオフラインでも合宿を企画するなど会員制のコミュニティとしてスタート。現在は100人ほど集まっている。

これからどうしていきたい

ローカルにいると問題が多いと感じる。少子高齢化、人材不足で継ぎ手がいないなど。クリエイティブの力で一緒に悩んで解決したい。

シェアローカルの拠点を和歌山県すさみ町に構える予定。二拠点生活をしながら移住の窓口や地域の人との交流ができて、シェアオフィス機能のある拠点を目指したい。

パッションポイント

小泉八雲の本

公式サイト、出版物など

公式サイト KEYDESIGN

オンラインコミュニティ

Instagram(@keydesign_sumi)

Facebook

チケット(私のできること、得意なこと)

・ローカルで若い人が生きるコツ、二拠点生活について、場所に縛られない仕事、

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

木津川の景色
京都府木津川市

お気に入りの場所(アウェイ)

稲積島
和歌山県西牟婁郡すさみ町周参見

つながり

曽我瞭 (カフェ Irohaco)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

曽我さんからの紹介でインタビュー。企業のブランディングでさらに商品のデザインや店舗のデザインも手がけられていて楽しそうな仕事だなと思いました。和歌山は気になってる地域の一つなので、今後の展開も楽しみです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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