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【東京】城田恵子(Seiseki farmers meeting)

ポートランドで見たファーマーズマーケットに衝撃を受け、聖蹟桜ヶ丘で Seiseki farmers meeting を立ち上げた城田恵子さんにインタビュー。

プロフィール

Seiseki farmers meeting
せいせきファーマーズミーティング
代表:城田恵子
結成:2014年 東京都多摩市周辺に点在する地元農家さんのことをもっと地元の方々に伝えたい、地域を知ることで地元にもっと愛着がわくような良い町づくりに繋げていきたい。という思いで活動しているグループです。地産地消、生産者さんの顔の見える安心安全なお野菜を地元の方々にお届けすることで、地元農家さんの継続性にも繋げていきたいと思っています。 2015年から月に1回程度のペースで、「seiseki ASAICHI」を地元のコーヒーショップtak beansさんと共同開催。 地元のお野菜と一緒に地元のパン屋さんや、お味噌、お豆腐なども販売している。(コロナによりお休み中) その他、地元のイベント等に出店。

コレクティブハウスで暮らし始める

普段の仕事は建築設計の仕事で、住宅や店舗のデザイン、リフォームを手がけている城田さん。12年くらい前に世田谷区から聖蹟桜ヶ丘に引っ越してきた。当時はシェアハウスでの暮らしをしてみたくて、コーポラティブハウスを探していたそうだ。

コーポラティブハウスとは、入居希望者が集まり組合を結成し、その組合が事業主となって、土地取得から設計者や建設業者の手配まで、建設行為の全てを行う集合住宅のことである「コーポラティブハウス」は和製英語で、英語ではBuilding co-operativesと呼ばれる。住戸プランの設計は自由で、間取り、キッチンや浴室などの仕様、床・壁の仕上げなどをライフスタイルに合わせて選択できるというメリットがある。

引用:Wikipedia

 

そこで聖蹟桜ヶ丘で見つけたのがコレクティブハウス(collective house)。これはスウェーデン、デンマーク、オランダなどで仲間や親しい人々が、生活を共同で行うライフスタイルで、共同キッチン、コモンスペースがある一方、各戸に台所、浴室、トイレなどがある。そこを見て城田さんは興味を持ったが、旦那さんははじめ嫌がったという。グラフィックデザイナーをしてる旦那さんは、平日家に帰ってくるのが遅く、お子さん1人でワンオペ家事が毎日続いていたこともあった。

自宅で設計の仕事をする城田さんにとっては、誰かと話せる暮らしをしたかった。それでコミュニティがある生活を探して見つけた物件がそこだった。20世帯くらいが生活をし、オーナーのモットーで多世代・多年齢が集まる場所だった。1人暮らしの人も入れば、子育て世代の家族も年配の方も住んでいたそうだ。そこ中で食事当番、そうじ当番を決め、毎月定例会もやっていたそうだ。また地上庭や屋上菜園もあり、みんなで樹木や草花を育てたり、イベントも開催されていた。

ポートランドで見た光景

ある時、親戚住んでいるアメリカのオレゴン州ポートランドを訪問する。自然豊かで、コンパクトにまとまった街で、公共交通機関が充実していて、自転車や歩行者にかなり配慮された街づくりが特徴だ。日本でもまちづくりの視察などでポートランドを訪問する人は多く、注目の街でもある。そこでは市街地と郊外が区分けされていて、都市部と郊外が融合している。例えば、郊外で作られた野菜を、地元産の野菜と謳ってファーマーズマーケットやスーパーマーケットで販売している。その販売方法やパッケージがどれでもオシャレで洗練されたデザインだった。

街中いろんな場所でファーマーズマーケットがあって、野菜だけでなく蜂蜜が売られたり、ストリートミュージシャンの演奏もあったり活気が溢れていた。

聖蹟桜ヶ丘でファーマーズマーケットを開始

2014年。ポートランドで見たファーマーズマーケットに刺激を受け、自分が住む街でもやってみたいと強く思った。住んでいた多摩市や隣の川崎市にも農家が多かったのも行動に移そうと思えたきっかけのひとつだ。しかし誰から声をかけて行ったらいいのか分からず、まず自分が目指すファーマーズマーケットのステイトメントを作成し、同じ地域にあった「tak beans(タックビーンズ)」というコーヒーショップのオーナーに相談する。すると一緒にやろうと話が進み出して、タックビーンズの店頭で野菜を販売したのが第1回目だった。

月 1 回のペー スで「seiseki ASAICHI」を開催。地元農家さんの野菜や地元パン屋さんにASAICHI限定パンを作っていただいたり、豆腐店、味噌なども一緒に販売して地域の小さなマルシェを作っている。

それから、多摩川河川敷でのクラフトビールイベント 「Drink Out」でもマルシェを開催した。ポートランドで見たような雰囲気を作り出し、パッケージデザインや販売ディスプレイにもこだわった。デザイナーであるご主人と一緒にディスプレイやパッケージのデザインなどにも気を遣った。売り場などの参考にしたのは表参道の国連大学前で毎週開催している『青山ファーマーズマーケット』で、ボランティアスタッフとして手伝いながら学んだそうだ。毎月開催を重ねていく度に多摩市や川崎市の農家さんたちを紹介してもらい、知り合いが増えて行ったそうだ。

中には初対面で野菜を売らせて欲しいと城田さんに言われて、どうしようかと迷ったこともあったという方もいたそうだが、今では信頼しあえる関係でいつでも野菜を提供してくれるという。続けていくことで農家さんに限らず、地域でコミュニティをやってる人ともつながった。地元農家さんたちを地元の人に伝えていきたい。地域を知ることで地元にもっと愛着 がわくような良い町づくりに繋げていきたいと語る。

これからどうしていきたい

地域の農家さんが長く続いて欲しい、都市農業の後継者問題もあるが、地域の人に地元農家さんのことを知って欲しい。

パッションポイント

漫画(東村 アキコ、井上雄彦)

公式サイト、出版物など

FacebookSeiseki farmers meeting

チケット(私のできること、得意なこと)

・店舗デザインやパッケージデザインなど、オシャレにするお手伝いします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

tak beans(タック ビーンズ)
東京都多摩市一ノ宮3-7-16
公式サイト
京王線聖蹟桜ヶ丘駅西口徒歩約5分

多摩川河川敷
東京都多摩市一ノ宮1049地先

 

お気に入りの場所(アウェイ)

今宿長垂海岸
福岡県福岡市西区今宿駅前

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つながり

井上広基 (畑から、台所へ。)

・松崎雄大(tak beans)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

川崎の井上広基さんからのご紹介でインタビュー。中学生から大学生までの期間は福岡市で過ごしたことがあるとのことで、私の母校とも同じ学区だったという話でインタビュー冒頭で少し盛り上がったり、共通の知人がいたりと、どこか他人とは思えませんでした。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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