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【大分】小島健一(サンバシ)

就職氷河期での就活を経験し、大学職員の就職課を経てキャリアコンサルタントになった小島健一さんにインタビュー。

プロフィール

サンバシ株式会社代表取締役/国家資格キャリアコンサルタント

1975年別府市生まれの46歳。採用・就職・起業支援の仕事をしつつ、関わる全ての方々の可能性を開くお手伝いをしている。別府市の産業連携を推進するB-biz LINKや大分大学のキャリア支援も行う。若者支援一筋22年目。

教員を志すも、大学職員となり就職課に配属

大分県別府市で生まれた小島さん。広島大学文学部に通う学生時代は、大学祭実行委員会長を務めたことがきっかけで、将来は学生課で仕事をしたいという夢も持っていた。しかし当時は、就職氷河期と呼ばれていた受難の頃。大学4年生になっても内定を1社も取れないまま、結局就職浪人となった。厳しい状況は変わらず翌年秋まで内定は決まらなかったそうだ。しかし日本文理大学の大学職員としての採用が決まり、1999年から大学の就職課(キャリアセンター)でのキャリアがスタートしてからは想像していた以上に充実した社会人生活を送ることになる。就活のうまくいかなかった自分が、相談に来る学生たちの履歴書の添削や面接の練習をすることで、学生やその周囲の人たちに感謝されることに大きな喜びを感じた。『元来の世話焼きの性分が触発されたのだと思います』と当時を振り返る。

キャリアカウンセラーとなる

大学3年生向けに就職講座の企画も行っていた頃、全国を飛び回り学生に仕事や働くことについて伝えていた講師の存在に感銘を受け、自分も就職に関する講師業をしてみたいと思うようになる。また、のちにキャリアカウンセラーという資格があることを知り、2005年に資格を取得。同年よりキャリアコンサルタントとして独立し、2018年に法人化した。今年度は大分県より委託を受け、学生と企業をつなぐ就活コミュニティ形成事業をスタート大分には特色豊かな大学がいくつもあるにも関わらず、大学を超えた学生どうしの交流がないことには常々問題意識を抱えていたという。この事業では、大分大学、日本文理大学、立命館アジア太平洋大学、別府大学の4つの大学の学生たちが関わり合って、自らコミュニティを運営していくべく、小島さんはその橋渡し役として奔走している。

コミュニティはインターネット上で展開せずに、表情や気持ちが伝わりやすいリアルな形で形成したいというのが小島さんの願いであるが、コロナ禍で採用する側もされる側も変容が求められることとなり、企業訪問やインターンシップ、採用面接もオンラインに変わった。

『大分で生まれ育ち、学んだ若者が物理的に距離の近い大分の企業の魅力にも触れた上で就職活動に臨み、結果的に大分の未来を支える人材になってくれたら最高。でも、あまり大分推しはしすぎずに、広い視野を持ってそれぞれの興味・能力・価値観・適性に合った仕事選びをしてほしいと思っています』

人を支援する

小島さんがコーディネーターを務めるB-bizLINK主催の「ONE BEPPU DREAM AWARD」という企画がある。別府で起業・創業する人にスポットを当てて、地域課題や社会のためになるビジネスモデルが生まれた背景・ストーリーを伝え、企業などに応援してもらうという企画だ。審査を通過したファイナリストが60社近い企業やパートナーの前でビジネスプランを発表し、事業マッチングの場を創出するというもの。過去には温泉コミュニティを守りたい方や、別府のアーカイブズを本格的なものにしていきたいという方、フードロスを無くすための値札のないスーパーマーケットを展開したい、などの企画が発表され、実際にビジネスとして稼働しているものもあるという。

これからどうしていきたい

学校作りをしたい。シブヤ大学のような、キャンパスが街で、みんながお互いに学び合えるコミュニティ大学を大分や別府をベースに作りたい。人々が学ぶ姿は美しい。だから私はキャリアのスタートの時点で大学職員という場所を選び、いまも学生やこれからチャレンジしていきたい方の伴走をしているのだと思う。高校時代、自分も学校の先生になりたかったので、地元でその夢を実現したい。

パッションポイント

ゴルフ

チケット(私のできること、得意なこと)

・ネットでは検索できないような別府の情報を教えます。
・あなたが会いたいという方にぴったりな別府人を紹介できます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

志高湖
別府市大字別府字志高

お気に入りの場所(アウェイ)

糺の森(ただすのもり)
京都市左京区の賀茂御祖神社

つながり

大塚智子 (旅するプランナー)

木元秀典

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

大塚智子さんからの紹介でインタビュー。どこから見ても優しそうで就活に悩む学生たちにとって、どんなに安心して相談できる存在だっただろうと思いました。時代時代で変化していく就活状況に加えて地方という環境でいかに変化していくかが必要だと思いますが、インタビュー中にあった、負荷がなければ成長はないとの言葉はその通りだなと思いました。夢の学校が実現できる日を楽しみにしています。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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