25歳でパリにわたり芸術活動をしたのち、岡山県美咲町に移住。国際芸術祭「美咲芸術世界」を主宰するなど町議会議員でも活躍する板垣正寿さん。
画家。1976年、神奈川県横浜市生まれ。2000年、東洋大学文学部印度哲学科修了。2002年より、9年間フランスパリにて芸術活動に専念。2011年より、岡山県美咲町大垪和に移住し、妻のスカットリンダ(板垣奏)と共にアート・ヨガ・カフェ スペース「キッサコ」を運営。2016年より、美咲町発信の国際芸術祭「美咲芸術世界」を主宰。2017年、次世代を担う地元民・移住者が集う「オオハガ座芸農倶楽部」の立ち上げに参画。美咲町在住10年、3児の父。
横浜市で生まれ、東洋大学の夜間でインド哲学を学んだ。絵を描くのが好きだったが美大ではなく哲学を学びたいと思ったのがきっかけだったそうだ。絵を描くにはまず哲学があった方がいいと考えた。その後、原宿にあるアート系の学校に通って油絵を習っていた時、イギリス帰りの先生に自分も海外に行きたいと相談したら、自分にはパリがいいのではと勧められる。大学を卒業してからはしばらく不動産会社に就職をし、入社するまでの1週間、パリを訪問してみると想像以上に楽しかった。路上アーティストなどどこを歩いても絵を描いてる人や演奏や手品をしてる人たちがいて、そういう風景が気に入った。
不動産の仕事を2年ほど勤め、貯金をして25歳でパリに渡った。そこから9年間過ごしながら、デッサンの学校に通い個展を開いたり、絵を描きながらアルバイトをしていた。パリ市内に7階建ての銀行がかつて入っていた空きビルをアーティストたちが占拠(スクワット)し活動している集合アトリエにも何度か通い、そこで多くのアーティスト仲間と知り合うことができた。パリで生活していた間に何度か日本にも帰国し、京都の中山間地域や静岡、徳島の神山町、香川県の直島などにも足を運んでいた。その頃、岡山県の美咲町に空き家があるのを教えてもらい、訪れてみると棚田が見える空き家で、そこをただで使っていいと言われた。そして2011年に移住。
家の中をアート作品で埋め尽くし、パリで知り合って結婚した奥さんがヨガ教室を始めた。現在は1000平米の元保育園があった平屋に移り住み、そこで「アート・ヨガ・カフェ スペース キッサコ」を開始。ギャラリーのほかライブや演劇などもできるイベントスペースも併設している。パリの集合アトリエで知り合ったアーティストを招き、「美咲芸術世界」を企画。さらに美咲町には移住者も増えて来ていたが、少子高齢化も進んでいたので、若い世代でなにか始めようと「オオハガ座芸農倶楽部」という団体をつくり、山道を整備してトレッキングをはじめたり、農家さんの手伝いなど支援した。コロナ禍以降は町議会議員にも選ばれ活動を続けている。
キッサコのある美咲町大垪和(オオハガ)はかつて銀座と呼ばれていたほどの賑わいだったと地元の人に聞き、今またそんな銀座の賑わいを取り戻そうと、この場所に移住者を呼び込んでいる。
合唱
Instagram(@masatoshi_itagaki)板垣正寿
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棚田百選大垪和西棚田
二上山両山寺
集合アトリエ 59 RIVOLI(フランス・パリ)
・六反かゆこ(吉備中央町地域おこし協力隊)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
六反さんからの紹介。インタビュー中に現在の家の様子を案内してもらいましたが、元保育園だった場所だけあり広さはもちろんのこと、至る所がアート作品があり面白そうな場所だと思いました。いつか訪問してみたいです。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |