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【京都】坂田真慶(丹後暮らし探求舎 )

海外や国内で仕事をし続け、移住先として選んだのは歴史と文化、そして食に恵まれた京丹後。移住支援やコミュニティづくりで京丹後を拠点に活動する坂田真慶さんを紹介します。

プロフィール

坂田 真慶 / 一般社団法人丹後暮らし探求舎(たんくら)

2019年、人のつながりをつくり、まちを楽しくするをテーマに(一社)丹後暮らし探求舎を立ち上げ、移住支援業務、京丹後市若手職員の研修や、高校への地域コーディネーター(地域おこし協力隊)の導入など、多様なコミュニティとまちとのつながりをコーディネートする活動を行っている。東京都荒川区出身。大学卒業後、人材紹介会社での海外人材事業の立ち上げ、京都府移住コンシェルジュ@東京などを経て、現職。

 

歴史文化と海の豊かさに恵まれた京丹後

京都府の北部に位置した日本海に面した京丹後市。近隣には観光スポットで有名な天橋立や舟屋で有名な海沿いの町「伊根町」もある。扇谷遺跡、途中ケ丘遺跡、奈具遺跡など弥生時代の遺跡をはじめ、日本海側最大の前方後円墳も残っていて、大陸からの文化交流の拠点だった。シルクや絹織物の名産地でもあり、江戸時代中期には京都のお召ちりめんを参考にした「丹後ちりめん」が生まれた。

京丹後で移住支援や移住後のコミュニティづくりなどの活動をしている『   丹後暮らしの探求舎 』。峰山駅近くの元木材屋さんだった場所を借りて、移住相談窓口や、イベント兼コワーキングスペースの運営も行なっている。

2016年に京都府の移住コンシェルジュとしてイベントや移住相談を東京で担当していたのが坂田さん。1年半ほどその仕事をしながら、関西の仕事をしたいと思っていたという。京都や大阪の上方文化にもともと興味があり、歴史や文化に近い場所で仕事をしたいと考えていたところ、京丹後の魅力を知る。もともと学生時代や東京で仕事をしていた頃からイギリスや中国など海外での留学や勤務経験があったので、知らない土地で生活することには慣れていた。

心暖かい人びとの出会い

丹後の魅力は、食べ物が美味しいく、住んでる人は20〜30代のプレイヤーが多く優しい人が多い。文化も歴史も地層が深く、いろんな角度から編集できる。3.11の東日本大震災以降に京丹後への移住者は増え始め、多種多様な人たちが集まってき出した。余白があるローカルならではの時間の流れ、人とのつながりも魅力のひとつだ。地元の人びとも暖かく迎い入れてくれる。それはもともと大陸の玄関口だったという背景もあるのでしょう。

Uターン、Iターンで先に移住してきた人たちが土壌づくりをしてくれて、地元の方とのコミュニティが生まれた。丹後地方では、住んでいる人たちが自らしたいことをするイベントが多くあり、例えば2009年から2018年まで10年間続いた「mixひとびとtango」(ミクタン)では、地域での音楽や酒蔵でのイベントなど、時間に束縛されない、ゆったりした時間の中で気の向くままに歩き、人と出会い、会話を楽しむ。そんな日常が根付いてきた。

京都府の日本海に面した丹後半島の中心に、京丹後市は位置しています。大陸からの文化や技術の玄関口であった歴史と、『うらにし』と呼ばれる特有の気候は、丹後地方独自のゆたかな暮らしを育んできました。京阪神からは、鉄道や高速バス・高速道路を使って最短で2時間ほど。 決して近いとは言えませんが、その分、森里海の自然が守られ、昔ながらの文化や生活の知恵が残っています。この丹後では、『自分らしさx暮らしと仕事』を営む、UIターン者や地域のプレイヤーが活躍しています。

引用:京丹後暮らし探求舎

 

京丹後市の役所の職員との距離が近く、行政の企画も柔軟で地域の方と一緒に作っている。若者が希望に輝くまちづくりを進めるという目的で「京丹後未来Lab(ラボ)」がある。若者世代が自ら「住みたいまち」や「働きたいまち」創りへのアイデア創発や意見交換をするというものだ。これまで20〜30代のプレイヤーが移住によって増えてはいたが、行政とは繋がっておらず、プレイヤーたちの見える化が出来てなかった。そこで「京丹後未来Lab(ラボ)」をきっかけに繋がった。

1回目のイベントに約50人が参加し「まちづくり」や「創業」などをテーマに、自分が実現したいこと発表しあった。2回目は、「婚活」と「子供の教育」をテーマに開催。婚活イベントではなく、普段から異性と出会える場がないことや、高校卒業後の教育環境が整っていないなどの課題が出て、それについて議論したそうだ。

5万人ほどの人口で、土地は広く、住んでる人は少ないため余白は十分にある。街には大学がないので高校生は大学進学とともに丹後から出ていくが、20代後半になってようやく丹後の良さに気づき帰ってくる。その間約10年間のブランクができてしまうので、高校の中に地域コーディネーターを置き、街のルーツや高校生の居場所づくり、サポートしてもらえる場を提供している。こうした教育面でもサポートする土壌はもこの地域ならではだ。

2020年、コロナ禍で飲食店などが苦しい状況下で、All Tango Action(オルタン)という丹後の緊急時に「自分も丹後のために何かしたい!」という想いを持つメンバーが集まった団体が結成された。坂田さんもそのメンバーの一人。移住の仕事をしてる時にも、飲食店の方にはすごくお世話になっていたり、それが好きで移住してくれる方もいるので、大好きな丹後の飲食店さんのために「何かできないか」と動き始めた。誰が何が得意なのか、どんなネットワークを持っているのかが、明確化しているからこそ「○○は誰々に聞けばいい」など、そのネットワークを使って、やりたいことがある場合にも、すぐに行動できたと言う。

また、月に一度、みんなでご飯を食べて楽しむ会「15(いちご)会」も定期開催していて、参加費は1,000円(子どもは無料、食事持ち寄り時は500円)で、ざっくばらんに交流するご飯会を開いている。

これからどうしていきたい

丹後で事業づくりをしていきたい。丹後半島の歴史、文化、エンタメといった入口整えて、商品開発や多様なプレイヤーを紹介していきたい。京丹後は稲作発祥の地でもあり、日本海に面しプラスチックゴミなどの海洋ゴミは、海外などの文化を伝えているものでもある。そうした海洋ゴミをどうプロダクトアウトしていくかを発信していきたい。

パッションポイント

散歩

公式サイト、出版物など

丹後暮らし探求舎 (公式サイト)

チケット(私のできること、得意なこと)

・仕事やプロジェクトなどやりたいことの相談にのります

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

八丁浜の夕日
京都府京丹後市網野町浅茂川地内

お気に入りの場所(アウェイ)

柳川の掘割
福岡県柳川市
公式サイト

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

つながり

小林朝子(丹後暮らし探求舎)

関奈央弥(丹後バル)

藤本和志(京都移住計画)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

京都移住計画の藤本さんからの紹介で取材。京都市には何度か旅行で行ったことありましたが、日本海側には行ったことがありませんでした。今回坂田さんのお話を聞いて京丹後の風景に溶け込んでみたいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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