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【大阪】松浦美帆(DANCE & SMILE)

学生時代に出会った社交ダンスに自分の居場所を見つけ、大阪を拠点に社交ダンスコミュニティを運営する松浦美帆さん。

プロフィール

1989年大阪市東淀川区で生まれる。
2007年千里国際学園高等部を卒業。
2008年DANCE&SMILEをスタート。
2011年神戸ファッション造形大学卒業。
2020年11月、歌って踊れるカフェ喫茶ミュージックハウスDJを開業。

祖父母が作ったダンスホール

大阪市東淀川区「阪急上新庄駅」から徒歩2分の場所に「ミュージックハウスDJ」がある。カラオケ喫茶かと思いきや、階段を上がった先にあるのはミラーボールが輝くダンスホール。そこは北海道から沖縄、更には海外からの社交ダンス愛好家も集まるお店で、1980年代に松浦さんの祖父母によって作られた。

松浦さんの子ども時代

華やかなダンスホールとは裏腹に、松浦さんが育った家庭には問題があった。象徴的な問題は実母の抱える心の病『アルコール中毒依存症』。小学生の頃から何のために自分は生まれてきたのか。私に生きる価値はあるのか。絶望を感じていたそうだ。

社交ダンスが自分の居場所となる

中学生になっても家庭環境は深刻化していく一方であったが松浦さんは少しずつ家庭外で過ごす時間が増え、自分の好きなことを取り組めるように。その一つに社交ダンスがあったという。15歳の時、大学生カップルによるダンスショーに心打たれ、社交ダンス教室に通い始めた。ダンスを楽しむ時間は心が解放される大切なひと時、相手が居ないと踊れないペアダンスの魅力に引き込まれる。「踊っているその時間はお互いを尊重し、助け合いながら二人のダンスを共創する楽しみがある。そこで私の自己肯定感は育まれていった。」社交ダンスを始めてから数年は祖母のお店で楽しめたが、シニアの方としか踊れないことに満たされない気持ちが生まれる。同年代のダンス愛好家と繋がりたいと考えた松浦さんは大学進学後の2008年、20~40代の社交ダンス仲間が集うコミュニティサロン「DANCE&SMILE」を立ち上げ、毎月第一土曜日にダンスパーティを開催した。卒業後はプロダンサーと百貨店の販売員、二足の草鞋で多忙な日々を過ごしたという。

結婚をきっかけにプロ選手としてのダンス競技は引退。子宝にも恵まれ、社交ダンスと子育ての両立に難しさを感じることもあったが、夢を持って人生を楽しむ姿を我が子にも見せていたいという気持ちから「DANCE&SMILE」は更に活動の幅を広げる。

2017年には大阪市中央公会堂でダンスパーティを開催。それ以降も年に一度の開催を続けた。100名以上の参加者を集められるようになり、この力が社会貢献活動に繋がればとパーティで出た利益を児童養護施設へ寄付する年齢制限をしないチャリティダンスパーティも行なった。

2020年コロナ禍となり、ダンスの活動は一時休止。家族との時間が増え、子育てに集中する機会となる。自身の子ども時代と大人になってからの子育てを振り返り、大人も子も幸せであるには親も子も「ありのまま」を大切に他者との違いを認め合う、そして育ち合うコミュニティが大切なのではないかと考えるようになったという。そして、東淀川区役所の方にも協力してもらいながら、ママが輝ける場所づくり「まま☆スマイル」を立ち上げた。

ママ達が抱くさまざまな夢や「好き・したい」を叶えられる場所になればと、お店の営業時間外を地域の方に開放している。松浦さんも「まま☆スマイル」の中で“みんなでリズム体操”という社交ダンスの音楽やステップを通して大人も子も一緒に楽しめる新しい取り組みをスタートさせている。

社交ダンスは競技ダンスと異なり、外見やダンスレベルを争うものではない。社会の中で様々な職業・立場で生きている人たちがフラットにコミュニケーションできる異業種交流会のようなものだと語る。

これからどうしていきたい

ダンスに関わる人を増やし、東淀川区を老若男女が社交ダンスを楽しめる街に。

おばあちゃんになっても踊り続けたい。

パッションポイント

竹林整備

公式サイト、出版物など

20~40代の社交ダンス【DANCE&SMILE

Instagram  (@dance.and.smile.osaka)

Facebook  松浦美帆

チケット(私のできること、得意なこと)

・社交ダンスを教えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

大阪市中央公会堂
大阪市北区中之島1丁目1番27号
公式サイト

神崎川
大阪市東淀川区

お気に入りの場所(アウェイ)

京都の竹林

つながり

吉川ヒロ(tomoni.)

岡本麻友子(森のようちえんウィズ・ナチュラ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

吉川ヒロさんからの紹介でインタビュー。映画やテレビでしか見たことがない社交ダンス。でもコミュニケーションツールでもあると聞いて、確かにそうだなと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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