100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【神奈川】池田美砂子(Cの辺り)

大手メーカーなどを経てフリーライターに転身。茅ヶ崎でコワーキング&ライブラリー「Cの辺り」を開業した池田美砂子さん。

プロフィール

ライター・エディター、2児の母。神奈川県茅ヶ崎市在住。人の想いに寄り添うインタビュー記事を中心にメディアでの執筆に情熱を注ぎつつ、「育休キャラバン」や「うみべのとしょかん」等、家族プロジェクトを遂行。2021年、夫とともに“あり方”探究会社「株式会社be」を設立し、第一弾プロジェクトとしてCoworking&Library「Cの辺り」をオープン。

気象から地球環境問題へ

愛知県藤岡町(現在は豊田市)で生まれ、中学と高校は私立一貫校に進学したため名古屋市に移り住んだ。父親が数学の教師だった影響からか小学生の頃から算数が大好きだった。将来は数学の先生になりたいとも考えていた。大学は大阪大学に進み、教員免許を取ったが、今しかできない仕事をしようと思い、東芝に入社。上京してシステムエンジニアの職に2年半就いた。仕事はハードで深夜や休日出勤の日もあったが、お客さんとコミュニケーションをとれる時間が好きだった。その頃、日々変化する気象現象に関心をもつようになり、仕事をしながら気象予想士の資格をとってスペースシャワーネットワークに転職した。

スペースシャワーは音楽専門チャンネルとして知られるが、天気予報のチャンネルもあり、そこの部署で8年間勤務した。日々の気象情報をわかりやすく伝えることから、次第に地球環境問題に興味が移りはじめ、環境問題を伝える番組作りも行った。当時はアメリカのアル・ゴア副大統領が『不都合な真実』を刊行し、社会に危機感が漂っていた頃。情報収集する中でウェブマガジン「greenz.jp」に出会い、国内外の社会課題に対するクリエイティブな取り組みを伝えるメディアとしての在り方に、強く共感した。ライター募集に手を挙げ、会社員をしながらgreenz.jpでライター活動を始めた。

グリーンズと出会いフリーライターに

人に会いに行くインタビューにのめり込み、取材先の方の背景にある物語を伝えるのが面白かった。取材を重ねていく度に人の繋がりも増えていき、グリーンズ(greenz.jpを運営するNPO)が主催していたgreen drinks Tokyoにも参加した。フリーランスとしてライター活動を本格的に始める決意をした頃、家族と共に茅ヶ崎に移住した。次第に執筆した記事も多くの読者に愛されるようになった。かつてシステムエンジニアや気象予報士をやってきた経験がすべて肥やしとなってライター活動にも活きていると語った。

「育休キャラバン」から「うみべのとしょかん」へ

2019年6月から100日間、キャンピングカーで「育休キャラバン」という日本一周放浪の旅を家族で決行した。各地で地域に根付いた友人たちの暮らしを見てきて、家に帰って自分たちも茅ヶ崎で何かしたいと話し合った。当時6歳の娘さんの一言で、2020年4月から自宅の土間を使って「うみべのとしょかん」を開設した。本を介して地域の人との繋がる面白さを実感した。

コワーキング&ライブラリー「Cの辺り」

ご主人が会社を辞めたタイミングで2人で株式会社beを創業し、自分たちのオフィスが欲しいとぼんやり考え始めた。ある日子どもと一緒に海で遊んでいると、近くに海の見える空き物件を見つけ、そこを2人のオフィスするのではなく地域のみんなのコワーキングスペースにしようと考えた。地域の人と人が出会い、豊かな関係資本を育む場所を作りたいと思い、地域に開かれたライブラリーを併設した「Cの辺り」を開業。「うみべのとしょかん」も、ライブラリーの一角に移設した。名前の由来は、茅ヶ崎のモニュメント「茅ヶ崎サザンC」の目の前にあるからだそうだ。

「Cの辺り」のライブラリーは一箱本棚オーナー制図書館として、書棚の貸出も行なっている。個性豊かなオーナーと本の貸し借りを通じてコミュニケーションが生まれる、まちのライブラリー機能も備わっている。開業前からDIYワークショップを開催して、友人たちと一緒にスケルトンの状態から内装を作り上げた。場づくりにおいて大事にしたいこととして「つくる」「つながる」「もちよる」「たすけられる」「おもしろがる」の5つを掲げている。

これからどうしていきたい

目の前の人を大事にしたい。地域の人たちが「Cの辺り」で関係資本を育み、そこから日々の暮らしも豊かになることを実感してほしい。

パッションポイント

夏フェス、キャンプ、ミスチル

公式サイト、出版物など

Cの辺り

チケット(私のできること、得意なこと)

・ライブラリーは自由に過ごせる場所なので、いつでも遊びにいらしてください。
・茅ヶ崎の面白い人を紹介します。
・あなたの話を聞きます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

茅ヶ崎海岸通沿いのサイクリングロード

すずの木カフェ
神奈川県茅ヶ崎市元町4−32
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

つま恋リゾートの丘
静岡県掛川市
公式サイト

四万十川
高知県四万十市

つながり

甚田知世(一般社団法人Re)

渋谷大輔・ひでみスタジオシンクロール

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

甚田知世さんからの紹介でインタビュー。NPO法人グリーンズのメディア「greenz.jp」でよく拝見していたライターさんで、茅ヶ崎や辻堂界隈のキーパーソンの方からも何度か名前が上がっていました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧