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【和歌山】脇口みづほ(ツナ娘)

那智勝浦の鮪仲買人の長女として生まれ、「ツナ娘」としてSNSで勝浦とマグロの魅力を情報発信する脇口みづほさんにインタビュー。

プロフィール

鮪仲買人の長女として那智勝浦に生まれ育ち、昨年、家業でもある鮪で何か地元に恩返しをしたいと考え、それまで勤めていた企業を退職し脇口水産に就職。

「ツナ娘」として、SNSを通じて那智勝浦の魅力や自社が扱う鮪の素晴らしさを発信しつつ、水産の世界に若い世代の力を取り入れるべく日夜奮闘中。

大阪への大学進学と就職

延縄(はえなわ)漁法による生鮮まぐろの水揚げ日本一を誇る勝浦漁港がある町としても有名で、そこで1897年(明治30年)にマグロなど水産物の卸・加工業として創業したヤマサ口水産の四代目・口光太郎さんの長女として生まれた脇口みづほさん。高校卒業後は大阪の大学に進学するため上阪。外国語を学んだ。大学時代にはカナダとアメリカ・サンディエゴに2度留学も経験。大学を出てからは大阪で人材情報系の会社で営業の仕事を3年。その後ソフトウェア会社で人事採用の仕事を3年くらいやって、地元に帰ってきた。

もとは親の会社で勤めるつもりはなかったそうだが、大学時代と大阪での社会人時代に自由にさせてもらったので、その恩返しと地元で何か貢献したいという気持ちがあったそうだ。現在は月の半分を勝浦で、鮪の競りや加工の仕事、Youtubeの素材撮りを行い、残り半分は大阪で百貨店、スーパーでのマグロ解体ショー実演やSNS配信の業務を行なっている。

ツナ娘として情報配信

はじめて、漁港の競り場に行った時は周囲の人びとがちょっとビックリしたそうで、それまで若い女性が競り場に足を踏み入れることがほとんどなかっただけに、あっという間にアイドル的存在になった。子どもの頃にも足を運んだことがなかったそうなので、新鮮な光景だったに違いない。普段ならば活気に満ちた町であるが、2020年のコロナ禍以降は、マグロ市場も大きな打撃を受けてしまう。近隣には熊野もあるが観光客も減少してしまった。脇口さんはそうした状況下でオンラインショップやSNSを開設し、うまく訴求できてなかった勝浦の地域情報と水産品のPRに乗り出した。

勝浦にある商店もシャッターが閉まったままで、後継者がいないお店は閉店して行った。若者たちの就職先も少ないので、6割強は大阪などに進学、就職で出て行ってしまう。Youtubeでは「ツナ娘」という名前で地元の情報発信やマグロの魅力を楽しく紹介している。Youtubeを始めてテレビ局などの取材も増え、先日出かけた先でYoutube見てるよと声をかけられる場面もあったそうだ。

この地域は雨が多く、紀伊山地に降り注いだ雨が、栄養とミネラルを豊富に含んで海に流れてくる。すると植物プランクトンが大量に発生し、黒潮とぶつかる近海は「マグロが水を飲みに来る」と言われる好漁場でもあることから、勝浦漁港にはビンチョウマグロ、クロマグロ、メバチマグロ、キハダマグロなどさまざまな種類の近海産マグロが多く水揚げされるのだ。またマグロだけでなく、クジラやイルカも追い求めて近海まで来ることもあり、ホエールウォッチングなどの観光もかつては人気を博していた。

天然マグロは奥が深いらしく、1つとして同じマグロはいないと話す。そうした知識も今の仕事を始めてから覚えたそうだ。また重いマグロを持ち運ぶ仕事も多いため、スポーツ選手のように腕の筋肉もついてしまったと最後に力こぶを見せてくれた。

これからどうしていきたい

Youtubeのチャンネル登録を1万人を目指して頑張りたい。そして勝浦を元気にしたい。

パッションポイント

解体の技量をあげたい、マグロで筋トレ

公式サイト、出版物など

Youtube ツナ娘チャンネル

Twitter (@tunamusume0416)

Instagram (@wakiguchi_maguronet)

オンラインショップ  マグロ通販の脇口水産

チケット(私のできること、得意なこと)

・地元民が教える勝浦観光ツアーを船で案内します
・マグロ解体ショーのマグロ売ります

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

ブルービーチ那智
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮

お気に入りの場所(アウェイ)

米サンディエゴのコロナドビーチ

つながり

原裕(だものみち)

山本紗矢(脇口水産)

後呂孝哉WhyKumano)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

‪原さんからの紹介でインタビュー。地域のことや仕事のマグロに関することなどを発信する脇口さん。Youtubeを観るとどこにでもいそうなお姉さんという感じで親しみやすく、どこかクスッと笑ってしまうゆるさもいい。なかなかいつでも行ける状況ではありませんが、いつか勝浦には遊びに行ってみたいのと、クジラやイルカも見てみたいなと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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