沖縄で大手ホテルチェーンの営業や総支配人を経験、現在は名桜大学で教鞭もとる東恩納盛雄さんにインタビュー。
航空会社系列、グローバルチェーンホテルの営業、総支配人等を経て、2020年から名桜大学にて教授職。 人材育成の傍ら“いい観光地には、いい音楽がある”という理念のもと、地元をテーマにした楽曲をNHK沖縄局「あたらしい沖縄のうた」や、国内、国際線機内オーディオ、地元CMソングに提供するなど、趣味の音楽を通して沖縄PRに尽力する。2022年開催予定の「世界のウチナーンチュ大会」のテーマソングにも選ばれる。
学生時代からJAL系列のホテルでアルバイトを始め、旅行会社に内定していたもののホテルの上司に口説かれてそのままホテルマンの道を選んだ。フロントからスタートし、その後外資系ホテルを経て、全日空ホテルへ移り沖縄出身者としては初の総支配人に就任する。それから地元資本のホテル等数々の大手ホテルを経験していく。2008年には東京・中目黒に都内でも、本格的な琉球料理で接待できる店をと「あんのん」の開業にも尽力した。総支配人もいくつか経験し、りんけんバンドがプロデュースしたリンケンホテルも任せられたこともある。
思えばホテルマンは始め、3日で辞めるつもりだったそうだが口説かれ、約35年も続いた。ハワイにはハワイアン、バリにはガムラン、最近は韓国が国策でエンターティメントに力を注いでいるように、いい観光地にはいい音楽がある。そこで音のお土産を作ろうと考えた。オリオンビールや名護市観光協会と一緒にイベント化したカリークリスマスや、ホテルで挙式を上げるカップルにアーティストのラブソングを収録したCDをプレゼントし、挙式本番ではそのアーティストが生演奏するサプライズも仕掛けた。
沖縄の結婚式では、多い時には約400人近い参列者が集うが、食事が余ってしまう問題もあった。東恩納さんが小さい頃は折り箱に入れて持ち帰っていたが近年は残飯として処理されてしまっていた。そこで夏バージョンのおせち料理を料理長たちに依頼し作ってもらった。はじめは反対されたそうだが、ケーキもパッケージ化したところ持ち帰りに便利なコース料理として提供することができ、残飯も無くなったので残業して食器を洗うこともなくなった。そうした持ち帰りの取り組みが、当時の県知事にも好評価を得た。
ほかにもJALホテル時代に、ある日スペイン語の先生がディマンテスのボーカル・アルベルト城間を連れてきた。まだデビュー前の彼だった。200人ほどの国際交流パーティで歌ってもらうと、そこにいた誰もが彼の歌声に聞き惚れてしまう。そこで東恩納さんはディナーショーを企画し、社長たちを説得して、まだ無名だったアルベルト城間のディナーショーを開催し大きな話題にもなったそうだ。
2019年沖縄県内にある名桜大学から観光サービス産業について教えてほしいと誘われ、ホテルの社員でありながらも非常勤講師として教壇に立つことになった。机上だけの学問ではなく現場でのインターンシップにも力を注ぎ、実践して学ぶことを学生に伝えているという。大学のゼミでは、FM局と一緒に名護市内に訪れる観光客向けに旅の思い出としてラジオに出演しませんかと誘い、その音源をお土産に持ち帰ってもらう取り組みもしている。
また、沖縄県内のホテルマンたちの福利厚生をシステム化しようと立ち上がり、県内のホテルを保養所として利用できるホテルマン専用のカードづくりに取り組んでいる。県内には約14万人ものホテルマンたちが就労していて、その家族を入れると約40万人のマーケットが、お互いのホテルに泊まりあって、新しい気づきを得ようという狙いもあるそうだ。また観光施設にも無料で入場できる特典もあり、宿泊者に自分の言葉で、観光施設が勧められるようにしたいとも語る。10年勤続でシルバーカード、20年勤続でゴールドカードにする構想だ。
学生たちに実践して学ぶ、学生のうちから社会を学ぶことを伝えたい。
年明けには、沖縄を皮切りに全国でコザを舞台にした映画「ミラクルシティコザ」が上映される予定なので、是非是非観ていただき、興味のある人は実際にコザのライブハウスにお越し頂きたい。
音楽
・沖縄の音楽、コザのライブハウスを紹介します |
※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
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名桜大学からの眺め「名護市街、名護湾」
目の疲れを癒すには最適の名護市街と名護湾の見える丘にある名桜大学
北谷アメリカンビレッジ
街遊び、海遊び、温泉の3つのバカンスが楽しめる新しいタイプのリゾートエリア
・前田裕子(名護市観光協会)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
前田裕子さんからの紹介でインタビュー。優しい語り口調で親しみやすそうな雰囲気で、一気に東恩納さんの魅力を感じました。エピソードがあとあとからどんどん出てきてだいぶ省略してしまいましたが、いつかお会いしてゆっくり話を聞いてみたいと思いました。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |