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【鹿児島】今吉直樹(キリシマビト)

霧島市役所で温泉巡りスタンプラリーや、地域ブランド「ゲンセン霧島」の認定制度を企画。生活とビジネスの側面で霧島の人たちとまちづくりを進める今吉直樹さんにインタビュー。

プロフィール

鹿児島県霧島市溝辺町出身。溝辺町役場、鹿児島県庁、霧島市役所に勤め、観光行政に深く携わった。「食」を中心に置いた活動を行う「霧島ガストロノミー推進協議会」を発足後、霧島の食のビジョンでもある「きりしま食の道十カ条」を制定し、地域ブランド「ゲンセン霧島」の認定制度をスタートさせた。

2021年4月には、まちづくりの会社「キリシマビト」を起業。現在は、霧島市や溝辺町で暮らす人たちが、世代やジャンル、地域を越えてつながることを目的とした「きりしまみぞベル」のオーナーとしても活動している。

霧島の温泉巡りスタンプラリーを手がける

鹿児島県霧島市で生まれた今吉直樹さん。二十歳の頃、父親が亡くなるが、その父は生前に市役所で働くことを薦めていたこともあって、溝辺町役場でのキャリアをスタートさせた。もともと地元で就職したいと思っていたのだが、当時は就職氷河期で新卒で採用してくれる会社があまりなく厳しい状況だった。入庁後は、鹿児島県庁、霧島市役所などで勤め、主に観光行政に関わってきた。

霧島には豊富な湯量と泉質をもつ温泉が多数あり、その温泉を巡る「きりしまゆ旅〜めざせ霧島の温泉横綱〜」というスタンプラリーを2014年からスタートした。温泉に浸かりスタンプを集めて申請することで、番付昇格し、オリジナルグッズをもらえるという企画だ。霧島市内60ヶ所以上の温泉をつなぎ、霧島の温泉が「きりしまゆ旅」を通じて一つになり大いに盛り上がった。

霧島のブランドを活かす

2016年、観光課で特産品の担当となりPRに乗り出したのだが、霧島ならではの食が打ち出せていないことを感じる。日本最初の国立公園の大自然をはじめ、神話や歴史、温泉が観光の代名詞として霧島のPRになっているものの、食の分野が弱い。霧島市の地で農林水産業に携わる人や小売、製造業の方々は、霧島で生産、活動するメリットを活かせていないんじゃないか。そんな危機感を感じていた時に、中小企業庁が行う「ふるさとプロデューサー育成事業」を見つけ志願して活動させてもらった。

福島県会津若松の卸問屋「本田屋本店」のプロデューサーも務められている本田勝之助さんと、全国各地の地域課題を解決するための活動に同行した。そこでガストロノミーという言葉に出会った。ガストロノミーとは、食事・料理と文化の関係を考察すること。いわば「地域を丸ごと楽しむ」という非常に大きな概念だ。食育やグルメなどそれまで縦割りの領域・行政の部署ごとの取り組みだったのを、ガストロノミーという概念で横串を通す。まずは、その価値を可視化するためのビジョンを市民と一緒に10ヵ条をまとめた。そのビジョンをもとにブランド認定制度を作り、「ゲンセン霧島」というブランドを誕生させた。「ゲンセン」には「源泉」と「厳選」の意を含めたという。ブランド認定というステージを作って、その舞台に上がってきた事業者とともに発信するようにした。事業者同士のつながりが、強みを生み出し、弱みを補うというシナジーも作り出した。

きりしま食の道10ヵ条
地域性/神事・風習と食文化/職人気質/地産地消/伝統と革新/健康志向/環境型/創造制/もてなしの心/褒め合う食文化

きりしまみぞベル

2018年から「きりしまみぞベル」というコミュニティを始めた。「みぞベル」は「溝辺で〇〇する」という躍動感を感じる動詞的な意味と「幸せのベルを鳴らして色々な人に届けたい」という想いを掛け合わせた名前だそうだ。市役所で勤めながら、地域が衰退していくのを感じ、その課題を解決するには「コミュニティ」が必要だと考えた。コミュニティを作ることで、自分だけの能力じゃなくて、関わってくれる人達の力で物事が前に進むと信じ、仲間づくりを始めた。

プロセスの中でお互いの生きがい、喜びをつくり、大人が楽しんでる姿を子どもに見せたい。子ども達の人生にいい影響を与えていきたい。活動は、限界集落地域の森の中での開催する音楽フェスや大河ドラマ『西郷どん』をテーマにしたイベント開催。他にも、環境や食のことを考え持続可能な地域づくりの活動を続けている。

21年春には市役所を退職し、キリシマビトという会社を設立。分断している地域のプレイヤーをつなげる「キリシマビト倶楽部」というコミュニティプラットフォームを立ち上げ、課題をビジネスで目標達成することを目指している。

これからどうしていきたい

SDGsの17番目のゴールが重要だと思っている。地域の中の人、外の人がつながり、補い合い、地域課題を解決していく。繋がることでトライしやすくなる。いろんな団体、組織と連携し地方での暮らしを豊かにしたい。居場所やコミュニティを整えていきたい。

パッションポイント

本が好き(好きな作家は喜多川泰さん)

公式サイト、出版物など

きりしまみぞベル

霧島ガストロノミー

チケット(私のできること、得意なこと)

・霧島市の美味しい店、オススメの場所を案内します
・霧島のおもしろい人を紹介します
・霧島で何かしたいをサポートします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

霧島山が見える場所

天文館
鹿児島市

お気に入りの場所(アウェイ)

皇居付近
東京都千代田区

つながり

大塚智子(旅するプランナー)

・野間太一(WALK IN STUDIO)

・有賀沙樹(こゆ財団)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

大塚さんからの紹介でインタビュー。霧島は中学時代に修学旅行で宿泊先として訪問した記憶がある。福岡で生まれ育った私にとって南九州は南国に行く気分だったような気がします。天孫降臨神話や猿田彦、坂本龍馬のハネムーン旅行など歴史的な側面でも見どころある霧島。また遊びに行きたいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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