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【京都】宮園ナオミ(匊 KOKU)

大阪から京都・綾部の里山に移住し、グルテンフリーの米粉の魅力を発信する宮園ナオミさん。

プロフィール

大阪生まれ大阪育ち。2009年に大阪から綾部市上林地区へ移住。自然食品の販売や料理教室、農家民宿など行う中で、2018年、iicome(イイカム)合同会社を起業し、お米のあらゆるカタチを提案するブランド「 KOKU」をスタート。

地元地域の水田を守るため、上林地区の契約農家が栽培するお米を使った商品を展開。「京都グルテンフリー米粉事業」の一貫として、米粉を広く知ってもらうための基礎講座なども行う。

舞鶴市のホテルと「海と山のオーガニックマーケット」を企画したりと、持続可能な地域社会を目指して活動。

3人のお子様と一緒に「自分で創り育てる」田舎暮らしを満喫中。

大学はアメリカの州立大学へ

出身は大阪府池田市。今でも近隣にある伊丹空港そばのスカイパークにはお子さんとよく出かけている。中学生の頃は音大に進みたいと思うほど音楽や美術が好きだったそうだ。高校時代まで池田市で過ごし、大学を選ぶ時、特に進路の希望はなかったのだが、中途半端に選びたくはないと、進学情報誌を見ていて、たまたま最終ページに掲載されていたフェアモント州立大学(米ウエストバージニア州)に進学することを決めた。日本の私立大学よりも安く行けて、違う世界に飛び込んでみようと思った。海外はもちろん初めてで、英語も話せなかったと言うが、ある意味逃げの気持ちもあったと話す。

そこで異文化に触れて、日本を外から見ることが出来、自分の国について考える機会がなかったので、人種の違いや文化について考えることができた。大学ではフードビジネスの経営学などを学ぶ。小学生の頃から料理を手伝うのが好きで、母親がレストランに連れて行ってくれた時、その店の料理の味を子どもながら家庭で再現したころもあって、母親は大喜びしてくれたこともある。帰国後はフレンチレストランで勤務し、ワインやチーズなど学んだ。しかし毎日夜中に帰宅をし、体を壊してしまうと言う危機感を覚える。また便秘や肌荒れ、低体温に低血圧と体調不良に悩まされていた。

日頃の食事を整えて体質改善

そうした体調不良の中、どう改善したらいいかと悩んでいた時、親が施術していた整体の師匠に、日頃の食事を整えなさいと言われた。そこから食卓を変えていく。自然食やマクロビオティックという陰陽理論に基づいた穀物菜食を学んだ。アメリカでは、ジャンキーな食生活でサプリ社会。数値で栄養素を満たすことに疑問を感じ、健康的ではないと思ってた。マクロビオティックは、食べ物そのものの命をいただく。オーガニックな野菜などの生命力を取り入れ、体質改善や体温を整えてくれる。玄米を食べ始めると実際に体が整っていくのを体験した。

厳しい環境でも育つ雑穀を使った穀物菜食を学び、自身の体質も改善。雑穀の魅力を体感し、自らも雑穀料理を開催し始めた。その後、マイクロビオティックを取り入れた野草料理家がいると聞き、若杉友子氏を訪ねるため毎月現在の綾部市に大阪から通うことになった。生命力の強い野草だが、綾部の奥地には豊かにあり少しづつ移住を考えるようになった。

京都府綾部市に移住、米粉に出会う

それまで大阪でカフェ兼料理教室「粒々屋五彩」を経営していたが、そのまま綾部市に移転した。移住してからはマルシェで手作りした自然食のスイーツやパンを販売したり、料理教室も綾部で再開するようになった。地元地域は水が綺麗で、やはりそこで育つお米も美味しい。しかしながら、稲作農家の後継者不足が深刻で、周りの田園は毎年荒廃していく。このままではお米が危ない。過疎と少子高齢化が激しいこの地域で、この田園を守り抜くにはどうすればいいかを考えた。半分趣味とお小遣い稼ぎとして「粒々屋五彩」を個人経営してきたが、それでは地域のためになっていないと感じ、もっと地域社会に密着したビジネスの必要性を感じるようになった。

そんな時、米粉に出会う。それまでは米粉は使いにくいイメージしかなく、ふんわりとしたお菓子やパンを作ることが出来ずにいた。しかし、ネットである特定の米粉だと、小麦のような食感のふわふわなケーキやパンができると見て、早速取り寄せることにした。すると想像以上に上手くでき、「この米粉なら地域の田園を救うことができるかもしれない」と直感で思った。

そしてたくさんの人に米粉のことを知ってほしいと米粉マイスター協会で勉強して、インストラクターの資格を取得した。これを地域ビジネスに実際に活かしていこうと、2018年、iicome(イイカム)合同会社を設立し、お米のあらゆるカタチを提案するブランド「 KOKU」をスタートした。

「米粉ビジネスをする」と言っても、周りからの反応は当時悪く、「米粉なんて・・・」という意見が多かった。周りもまた少し前の私のように「米粉はつかいにくい」というイメージしかなかったのである。そこで少しずつ「知って得する米粉講座」を開催し、米粉の違いを実際に体感してもらう。また、KOKUブランドで自ら米粉商品の開発に力を注いだ。徐々に周りにも米粉の可能性を感じてもらえるようになり、今では米粉を使った商品開発などの相談もくるようになった。現在KOKUでは、地元の米専業農家と連携し、米粉専用品種を栽培。より上質な米粉の製品化に成功し、米粉の美味しさと魅力を発信している。

これからどうしていきたい

米粉がまだまだスタンダードにならないが、いろんな種類の米粉があるので、その理解度を広めたい。米粉をスタンダードにしていく、動画をつくったりしたい。

米農家でやっていけるモデル地域に、産業を起こして経済と自然の両輪で地域を活性化したい。

パッションポイント

音楽(JAZZとクラシック)

公式サイト、出版物など

匊 KOKU

オンラインショップ

Youtube Happiness Food LAB

チケット(私のできること、得意なこと)

・贅沢なごはん体験できます(かまど炊きのごはん、美味しい玉子、地元の醤油)

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

綾部の田園風景
京都府綾部市

お気に入りの場所(アウェイ)

伊丹スカイパーク
兵庫県伊丹市森本7丁目1−1
公式サイト

つながり

小林加奈子(小林ふぁ〜む)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

小林加奈子さんからの紹介でインタビュー。米粉の可能性についてあまり知らなかったのですが、宮園さんの話を聞いて興味を持ちました。私も小さい頃はおばあちゃんが野草を使った料理をよく作ってくれていたのを思い出しました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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