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【神奈川】中田理恵(中田製作所)

セルフリノベーションをきっかけにHandiHouse projectや海の家SeasideLiving、タイニーハウスフェスティバルなど活躍の場を広げる中田理恵さんにインタビュー。

プロフィール

神奈川県三浦市出身。組織設計事務所勤務を経て、2013年に中田製作所を設立。「妄想から打ち上げまで」という合言葉のもと、デザインから工事のすべてを自分たちの「手」で行う集団HandiHouse projectに参画する。2013年、自分の結婚式を自分達で建てた場所で行うため、海の家SeasideLivingをつくり、毎夏、運営中。

ものづくりを通じてコミュニティを

2010年10月、祖母から譲り受けた築45年の公団分譲団地の一室をセルフリノベーションしたことがある。翌年から参画した「妄想から打ち上げまで」を合言葉に住まいをDIYする「Handihouse Project」もその一つで、家づくりの全てを住む人と一緒にやってみようと活動をしている。地域の方みんなとつくるというのも特徴的で、人との関係、地域との関係を大切にしている。ある大手住宅情報会社の休憩スペースでは社員みんなものづくりの経験がなかったが、社長も含めみんなで企画、設計、施工まで行った。自分たちも加わりつくることで愛着を感じ、大切に使ってくれる。また一緒に作ることで部署関係なく、仲良くなってコミュニケーションもできた。

また南葛西のカフェのリノベーションでは、障害を持ったお子さんも安全講義をした上で参加してもらい改修をした。近くの小学校の子どもたちも登下校途中に立ち寄って参加してくれたり、近所の方も何が出来るのか楽しみにしてくれた。プロだけではなく、あえて近隣の方も一緒につくることで時間はかかるが、時間が長くかかることで、よりそこに何が出来るのか注目も集まったという。

震災後のソクセキ断熱プロジェクトに参加

2011年に発生した東日本大震災後の12月に岩手の復興支援としてボランティア活動に参加した。そこで仮設住宅を見て冷暖房が利きくい構造を目の当たりにした。プロとして何かできることはないかと考え、近隣にあったホームセンターで買える材料で、必要最小限に抑えた断熱材を追加する住環境の改善に取り組んだ。住民の方の負担を最小限に抑えた、無理のない住まい作りの大切さを感じた。自分たち好みに家づくりを楽しむスタイルを「エコDIY」と呼んでいる。またホームセンターで買えるもので「エコDIY」出来ることを冊子にまとめ配布した。

海の家「SeasideLiving」で結婚式

2013年、中田製作所を設立し「妄想から打ち上げまで」という合言葉のもと、デザインから工事のすべてを自分たちの「手」で行う集団HandiHouse projectにも参画した。またこの年に結婚もし、その結婚式会場となった逗子海岸に海の家「SeasideLiving」 の企画設計施工運営も行った。海辺で結婚式を上げたいとの夢を叶える為に、逗子海岸の敷地を借りて、結婚式の予算内で建てて、式を終えた後そのまま運営することにした。

「SeasideLiving」はみんな素人で建てた手作りの海の家。製材屋ででた端材を使い、建てやすく解体しやすい構造にした。解体後も使えるように家具、内装材としてリユース。翌年の海の家の材料として一部をリユースしている。建築設計のコンセプトは『DIT』。「Do it yourself」ではなく、「Do it Together。」だそうだ。イベントも朝ヨガや絵本の読み聞かせ、フラダンス、オーガニックTシャツ染めなども多彩に行われていて、地域の方ともつながるコミュニティのようだ。2020年のコロナ禍では海の家が開けず、21年も短期間のみの営業となったが、テレビや雑誌でも紹介されるなど話題となった。

タイニーハウスフェスティバル

毎年、東京都内でタイニーハウスフェスティバルが開催されている。建築家でみかんぐみ共同代表の竹内昌義さんと中田さんが代表を務め、東京ビエンナーレの一部として開催している。タイニーハウスとは、小さな家の総称で、セルフビルドしたトレーラーハウスや軽トラハウス、モバイルハウスなどが展示されて、タイニーハウスの中も見学できる。

これからどうしていきたい

新築住宅に住んだ人に、壁に穴を開けたくないと話す。住んでる家を改修してはいけないと思ってる人も多いが、自分の家なので、自分がしたいようにやっていいという事を普及させたい。

タイニーハウスフェスティバルにも参加していて、自分たちで手を加えることで安くできることを伝えていきたい。

パッションポイント

建築

公式サイト、出版物など

Instagram  (@nakataseisakusyo)中田製作所

Seaside Living

チケット(私のできること、得意なこと)

・エコハウスのDIYの仕方教えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

逗子海岸

ヨロッコビール
神奈川県逗子市久木3-7-2
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

D&DEPARTMENT TOKYO
東京都世田谷区奥沢8丁目3−2
公式サイト

つながり

伊藤奈未( Social Green Projects in NAGAREAYAMA )

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

伊藤さんからの紹介でインタビュー。企画、デザインから施工まで一貫して行うプロジェクトやものづくりを街の人と共に作っていきコミュニティにするなど面白い事を手掛けられている中田さん。ちょうどアポイントを取らせていただいた頃は妊娠中で、インタビューは日程調整して出産後にさせていただきました。お忙しいところインタビューありがとうございました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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