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【広島】高畑桜(ここいろhiroshima)

小学校教員の時に休職し、自身のセクシャリティについてカミングアウト。退職後は仲間とともにセクシュアルマイノリティの子どもたちと保護者のためのサポートを行う「ここいろhiroshima」を立ち上げるともに、地域おこし協力隊へ就任。現在はここいろhiroshimaとしても、地域の子育て支援コーディネーターとしても子どもたちの居場所づくりの活動を続ける高畑桜さん。

プロフィール

高畑 桜(さーちゃん)

小学校教員→うつで休職→爆速で回復&「自分らしく生きる」と決意→復帰&退職→神石高原町地域おこし協力隊→子育て支援コーディネーターへ。自分の性に悩む子どもたちのためのコミュニティスペースここいろhiroshimaの共同代表。地域で火を囲みながらあるがままの自分を語る「ファイヤーリトリート」を実施中。子どもたちの居場所づくり、セクシュアルマイノリティや地域活動について、一緒に焚き火したい、などなどなんでも気軽に声かけてください(*^^*)

自然と目で女の子に向いていく

広島市で生まれ、両親や親戚も教員の家系で育った。幼稚園の年長のころ、自然に女の子を目が向くことになっていく。小学校にあがってクラス替えのときに友達たちが好きな男の子ランキングで盛り上がっている中、自分の中では好きな女の子を選ぶランキングを考えていた。小学校高学年になってくると周囲では恋愛の話で盛り上がっていて、そこでみんな男の子のことが好きなのかと思った。中学校、高校に進学するとよりハッキリしできた。周囲ではカップルとなり付き合いだしていくが、それができない自分はおかしいのかと思った。男の子を好きになろうとしたり、頑張って付き合ってみたが、やはり好きになることはなかった。

将来の夢を考えたとき、高校時代に小学校の先生になってみたいと思った。家系的にも教員の環境で育ってきたので、自分にも子どもと一緒に過ごすのが向いていると考えた。大学は福山市立大学に進学。大学時代にようやく彼女ができ、自分の味方が増えたという実感がわき嬉しかった。その彼女とはその後、他に好きな男性ができたと言われて別れてしまうが、それまでに感じたことのない愛しいと想う気持ちを実感できた。

小学校の先生になる

大学を卒業して小学校の先生となり、3年生を受け持った。1年目はとにかく目が回るほど忙しくてパニック状態だった。2年目になって少し周りが見えるようになってきたときに「自分がしたい教育はこれではない」という学校現場への違和感を感じるようになった。その違和感を感じたまま自分1人で業務を背負い込んで、3年目の途中で休職することになった。大学時代に付き合っていた彼女にも、他に好きな男性ができたと言われて別れ、セクシャリティであることを誰にも言えず、頼れる人もいず孤独を抱えてしまっている自分がそこにいた。うつ病と診断され4ヶ月間の学校を休んだ。

精神的にも追い詰められていたので、学校を休んでホッとした。どこかタブーを破ったという気持ちと休んでよかったという気持ちが湧いてきた。休職の期間中は、自分はどうしたいのかと向き合ってノートに考えを書いた。両親にカミングアウトをしたのもこの頃で、寂しかったと言うことができなかったが、打ち明けるこれができて人生が変わるきっかけにもなった。両親も高校生のころからそうじゃないかと思っていたそうで、受け止めてくれ抱きしめてくれた。どんな自分でも大丈夫だと思えた瞬間でもあった。

「OUT IN JAPAN」が広島で開催

「OUT IN JAPAN」というLGBTQをはじめとするセクシュアル・マイノリティを対象に、写真家のレスリー・キー氏がポートレートを撮影して、モデルとなった参加者がカミングアウトするというプロジェクトで、そのイベントが広島で開催された。会場には中四国地方から27組31名が参加。その中に高畑桜さんもいた。両親や「OUT IN JAPAN」でのカミングアウトをしたことで、勇気が湧いてきた。そして休職していた学校を2ヶ月だけ復帰し、生徒や保護者、教員仲間たちにもカミングアウトをして退職した。

地域おこし協力隊

2018年、退職してからは、広島県の神石高原町(じんせきこうげんちょう) で地域おこし協力隊として着任した。地域に全校児童が18人の小学校があり、その学校存続の業務を任された。子ども向けの自然体験や教育、イベントなどを考え、地域内外の子どもたちが遊べるプレイパークも作った。2021年に任期を終え、現在は子育て支援コーディネーターとして神石高原町で仕事を続けている。

ここいろhiroshima

2018年に「OUT IN JAPAN」で出会った當山敦己(あっきー)さんと一緒に「ここいろhiroshima」を発足させた「こころもからだもいろいろ。彩り豊かでええじゃん!」をモットーに、セクシュアルマイノリティ特有の「心と体」・「自分の性」について「生きづらさ」を感じている子どもたちとその保護者のためのサポート・コミュニティスペースだ。名前は「こころもからだも・いろいろ・彩り」の頭文字をとって「ここいろ」と名付けた。

子どもと保護者の居場所づくりを通じて、性のことやそのままの自分でいていいと語りかける。また企業や学校などにも啓発活動、出張授業、小中高、企業向けにライフストーリーを提供し、3年間で100件以上実施した。またエリアも広島県のみならず中国地方にも活動の場が広がった。一緒に活動してくれる仲間を募集中だと言う。

これからどうしていきたい

あるがままの自分で、仲間と共に生きる。ファイアリトリートで火を囲んで対話し続けたい。

講演会ももっと実施して、悩んでる人に、1人ではないということを伝えていきたい。

パッションポイント

仲間と一緒に対話する、その人らしくなることに関わること。

公式サイト、出版物など

公式サイト

Twitter@sakuraaamen)高畑桜

ファイヤーリトリート募集ページ

地域の子育て支援コーディネーター  NPO法人とよまつむら

チケット(私のできること、得意なこと)

・自分のライフストーリーを語る講演会が開けます。
・ファイアリトリートしましょう

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

太田川の河川敷
広島県広島市

お気に入りの場所(アウェイ)

しものせき水族館 海響館
山口県下関市あるかぽーと6−1
公式サイト

つながり

吉川ヒロ(tomoni.)

夏目江理(ラブライフカウンセラー)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

吉川ヒロさんからの紹介でインタビュー。話をしてて安心感がありました。まるで目の前に火を囲んでるかのような暖かさ。一度お会いして話したいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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