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【沖縄】宮島真一(シアタードーナツ)

沖縄市でドーナツとコーヒーを片手に楽しめる映画館「シアタードーナツ」のオーナーであり、ローカルタレントとしても活躍する宮島真一さん。

プロフィール

沖縄市出身
沖縄国際大学短期大学、名桜大学卒業。

大学卒後はライブハウス経営、会社員、DJ、映画制作を経てローカルタレントとして活動中。2015年、沖縄県で制作された県産映画を中心に上映する沖縄市のカフェシアター「シアタードーナツ・オキナワ」を街の仲間たちと一緒に開業。

名護市にライブハウスを友人と開業

沖縄市で生まれ育ち、地元の大学を卒業して就職活動は特にせず、バンド活動をしていた時に、友人からライブハウスを作るから一緒にやらないかと誘われた。名護シアターの1階に空き店舗があり、そこで『バードランド』というライブハウスを1999年に開業した。当時は1stアルバムを出したばかりのモンゴル800もライブに来たことがある。ライブハウスには1年半くらい関わった。ライブハウスだけでは生計も立てなかったので、コールセンターで働くことにした。始めはまったく仕事に慣れず上司には「ずっとここで勤めるつもりはないでしょ?(笑)」と言われたこともあったそうだが、1年半勤務した後、エンターテインメント系の仕事を求め退職。

またその時にコミュニティFMが全国で増え始めていた時で地元のコミュニティFMでDJとしてのキャリアもスタートさせた。2004年に公開された東陽一監督作品の『風音(ふうおん)』映画制作にもスタッフとして関わった。オーディションから現場での撮影など参加し、エンドロールに自分の名前が入ったのは嬉しかったと語る。映画の世界にも関わったきっかけで、映画『涙そうそう』では、沖縄方言のイントネーション指導もしたそうだ。

地元の放送局RBCで、2013年の夏からテレビ番組『コザの裏側』( https://www.kozaweb.jp/kozaBacksidePages )が始まり、ディープな沖縄情報を現在も発信し続けていて8年以上にもなる。一緒に制作している神山さんは、沖縄市コザで長年バーを経営しており、近年では“街がラウンジ”というテーマで空き店舗をリノベしたホテル経営などもしている方。『コザの裏側』では宮島さんがMCとして、神山さんがディレクターとしてタッグを組んでいる。

上記写真はシアタードーナツ近くにあるパークアベニュー。ここには市立図書館やコミュニティFM局、飲食店舗、ライブハウス、老舗の刺繍屋さんなど、バラエティに富んだ通り。ここに神山さんが経営するカフェバーやホテルも点在している。

シアタードーナツの誕生

ある日、観光協会から映画祭をやりたいと企画会議に呼ばれ、神山さんと一緒に参加した。そこには旅行代理店、映画祭経験者など来ていた。映画祭をするなら、地元の映画も作りたいという声が上がる。しかし当時は映画館がなく、唯一あったのはピンク映画を上映するとこだけだった。そこで自分たちで映画館をやるしかないと思った。その時に沖縄市観光協会が企画製作した短編映画『ハイサイゾンビ』(ホラーコメディ)に携わり、2014年8月にカフェバーを使って上映会を開いた。映画上映の他にトークショーもやるとお客さんは大喜びしてくれた。

映画関係者の方に神奈川県逗子市に「シネマアミーゴ」という映画館があることを紹介される。そこは住宅地にあり、ランチを提供するカフェのような映画館だった。見学をさせてもらって沖縄に戻るとすぐに空き物件を探して、2015年に「シアタードーナツ」を開業した。映画だけでは収益にならないので、カフェスペースをつくり、その物件の近くに、かつてダンキンドーナツがあった場所でもあるので、ドーナツも楽しめるカフェシアターに。

シアタードーナツ開業初期の上映作品は沖縄県産映画をチョイスしていたが、それだけでは集客が難しかった。ある時、大阪の在日高校生を記録したドキュメンタリー映画『60万回のトライ』を琉球大学の先生から相談されて上映したら、映画ファンではなく、その作品やテーマに共感するお客さんが多数来てくれた。宮島さんは大きな気づきを得たと話す。テーマ、メッセージを見極めた作品を、それを求めているコミュニティに情報を届けるのが大事だと思った。それ以降は主にドキュメンタリー作品を上映する機会が増えた。

テーマやメッセージ性を重視した作品を探して、月4〜6本上映する。映画には人生のヒントが隠されているとの想いから、地域のコミュティや仕事に繋がる可能性を求める作品などを厳選する。常時9種類あるドーナツを片手にコーヒーやビールを飲みながら映画観賞できるもの大きな特徴で、120インチスクリーンに、20席ほどのカフェシアターだ。

これからどうしていきたい

持続可能な経営を実践しているシアタードーナツはもうすぐ8年目を迎える。今後は2号、3号店をどうやってつくるか考えている。全国地域で、フランチャイズ展開していきたい。現在の規模感なら可能だと感じている。

パッションポイント

映画を見に来てるお客さんにする前説、後説の時間(作品を通じてお客さんとのコミュニケーションできる時間)。

公式サイト、出版物など

公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

・街のおすすめスポットを案内します

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

中央パークアベニュー
沖縄県沖縄市中央

お気に入りの場所(アウェイ)

シネマアミーゴ
神奈川県逗子市新宿1丁目5−14
公式サイト

つながり

上原尚子(絵本屋 Polaris)

・神山繁(ファンファーレジャパン )

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

上原尚子さんからの紹介でインタビュー。カフェのように気軽に入れて、かつてのミニシアターのようなセンスのいい作品も楽しめる。一度足を運んでみたくなるような映画館だなと思いました。宮島さんの前説、後説も聞いてみたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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