100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【神奈川】守屋真一(micro development design / 一般社団法人超帰省協会)

東伊豆でのリノベーションや蔵前のマチナカ製図室、そして超帰省という新しい切り口で地域再発見の出会いを企画する守屋真一さんにインタビュー。

プロフィール

1990年神奈川県秦野市出身。「”誇れる地元”を全てのひとに。」をヴィジョンに建築・まちづくりにおける企画・設計・運営に携わる「マイクロディベロッパー」として、複数組織を横断しながら活動。地元と東京の二拠点居住。芝浦工業大学建築学科、同大学院修了後、株式会社日本設計、VUILD株式会社を経て、現在はADDReC株式会社プロデューサー。micro development design代表、一般社団法人超帰省協会代表理事、NPO法人ローカルデザインネットワーク副理事長、建築設計事務所monaca共同主宰を兼務。YouTubeにて建築ラジオ・FMアーキチャットを配信中。

大学時代の東伊豆での取り組みが原点

神奈川県秦野市で生まれ育ち、大学は芝浦工業大学の工学部建築学科に進学した。大学院時代に東伊豆の空き家を使った改修プロジェクトに携わる。1軒目に小さな集会所を改修したが、地元の方に使ってもらえず、運営する人もいなかったので、それを課題点として2軒目はまちの人と一緒に考えて作ることになった。まずまちにどんなものが必要かをまちの人と考え、「食」をテーマにしようと決まった。そして消防団倉庫だった場所を改修してシェアキッチンスタジオ「ダイロクキッチン 」をオープンさせた。その後も後輩たちがシェアオフィスを作り、その2つの施設を運営するため、NPO法人ローカルデザインネットワークを設立。卒業後も運営を継続して行っている。

卒業後は日本設計に就職し、主に大規模再開発のプロポーザル方式で提案を行った。企業で働く一方で、大学にあった建築学生のためのクリエイティブな場所だった「製図室」を作りたいと思い、仲間たちと蔵前の物件を借り、セルフリノベーションをして1年間「マチナカ製図室」として運営した。ある意味「製図室」も自分達にとってはサードプレイスと呼べる場所でもあった。そこを起点に新しいプロジェクトが生まれる。そんな場所を目指した。

福岡や川崎でまちの人とつながっていく

日本設計2年目は福岡に転勤となり、転勤に伴って「マチナカ製図室」は終了したが、福岡テンジン大学やHOOD天神といった福岡で活動しているコミュニティに参加したりする中で、仕事以外にも福岡でのつながりも深めていった。その後、大学の研究室の先輩が作った会社「VUILD」に2018年に転職。翌2019年には小規模再開発をコンセプトにした「micro development design」を設立して独立。ADDReC株式会社にもプロデューサーとして関わっている。設計の仕事をしてきて、そのまちに何を作ったらいいかを考えるようになったと話す。まちに足りないものは何か、そうしているうちにまちづくりに辿り着いた。

超帰省協会をはじめる

友だちを連れて地元に帰省することを「超帰省」と定義し、友だちの地元でディープなローカル体験ができるツアー企画を仲間と3人で始めた。また全国に「超帰省アンバサダー」として活動してるメンバーが現在93人もいるそうだ。Instagramでの「超帰省名鑑」やオンライン配信「妄想超帰省」の情報発信に加え、実施に現地に行ってみる「超帰省ツアー企画」も行っている。地元がない都心の方でも参加ができ、日本中に帰省できるというのがポイントだ。

渋谷スクラングルスクエアにある共創施設SHIBUYA QWSでは、超帰省で「地元にしか帰省しちゃいけないの?」という問いを掲げ、3ヶ月間のプロジェクトも行なった。もともと立ち上げメンバーは地元が大好きで、メンバー同士の帰省についていくことを実践し、そこで実家や友だちに会ったり、まちの風景に溶け込むことで、同じように帰省してる気持ちを体験できたと語る。ゆかりのない土地でも親しみを感じたり、まちの楽しみ方が変わることで可能性を見出したそうだ。そして2020年8月に「超帰省協会」を発足する。サービスとしてマネタイズを考えるのではなく、文化として根付かせたいと語る。

これからどうしていきたい

「誇れる地元を全ての人に」をテーマにしている。地元の秦野にも空き家があり、リノベーションして地元をリデザインしていきたい。そこを二拠点生活のコアとして、敷地全体をプライベートパーク(個人所有の公園)として仲間たちと暮らしをつくっていきたい。

パッションポイント

クルマの運転で、デジタルデトックスできること

公式サイト、出版物など

note モリヤシンイチ micro development design

Twitter (@mrysnic) モリヤシンイチ/micro development design

Instagram mrysnic

チケット(私のできること、得意なこと)

・秦野の街を案内します。季節ごとに楽しめる筍掘り、栗拾い、梅拾いを一緒にしましょう。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

秦野の風景

お気に入りの場所(アウェイ)

瀬戸内

好きな風景は瀬戸内の風景です。 学生の頃から何度か訪れていますが、行くたび、季節ごとにまちの風景が変わってパワーをもらっています。島ならではのコンパクトさや、文化、アートも魅力的です。おなじ場所、おなじアートでも、行く時々の自分の気持ちによって見え方が変わっていることが、自分と向き合う時間としてとても大切な場所になっています。

つながり

中村彩乃(水戸宿泊交流場/AN_ARCHITECTS 中村彩乃建築設計デザイン)

ジェントルゆうすけ(ローカルエージェント)

根岸亜美(コミュニケーションプランナー・一般社団法人超帰省協会)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

中村彩乃さんからの紹介でインタビュー。川崎にも福岡にも縁があり共通の知り合いも数多く、名前もどことなく耳にしたことがあったので、やっとオンラインですがお会いできました。多岐にわたる活動や超帰省は人に会いに行く旅にも通じてて、いつか一緒にできたら嬉しいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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