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【名古屋】堀新太郎(堀商店)

商社マンから家業のおもちゃ・雑貨問屋に転職。コロナ禍でお祭りや花火大会が中止する中で、斬新なアイデアで話題を呼んだ堀商店の堀新太郎さん。

プロフィール

おもちゃ、文房具、雑貨、お菓子などのファミリー・子ども向け商品を扱う1950年創業の卸問屋 株式会社堀商店の4代目跡取りです。

総合商社で天然資源の輸入国内販売営業担当を6年、南アフリカ共和国での駐在員を2年経験した後、2019年5月に家業に合流。広報活動や新商品開発・イベント主催など堀商店にとって新たな取り組みを担当しています。堀商店に関わる方々に楽しい気持ちになって頂くことを目指しています。

商社マンとして国内、南アフリカで奮闘

名古屋市で生まれ育ち、実家は1950年に創業した夏祭りなどのイベントや企業の集客・販促用で使われる玩具・文具・雑貨・菓子を販売する景品卸問屋。子どもの頃からメーカーから提供されたサンプル品やテスト品に囲まれて遊んだり、両親の手伝いもしていた。両親からは特に跡を継ぐようには言われたことがなく、むしろ地方都市の中小企業で収まる人材になってほしくないとも思われていたそうだ。サラリーマンが身近にいなかったので、会社員として働くというイメージがつかなかったため、将来は会社員になるにしろならないにしろ、自分で稼いで食べていきたいと考えていた。

ビジネスを学ぶといえば経営学部や商学部がある大学だろうと、その中でも多くの経営者も輩出している慶應義塾大学に進学するため上京した。大学時代はバンド活動をしたり、バレーボールをしたりと青春を謳歌し、就職先は商社大手の双日に決まった。会社では主に天然鉱山物を取り扱い、その国内営業を6年間勤め、その後の2年間は南アフリカのヨハネスブルグに赴任した。訛りが強い英語が聞き取れず、始めの1年間は苦労も多かったそうだ。

名古屋にUターン

2019年、祖父母の介護で父が時間をとられることが増えていき、そろそろ戻って来ないかと連絡があった。それまで弱いとこを見せることがなかった父からの言葉に、その大変さを実感する。家業に魅力も感じたため8年間勤めた会社を退職した。それまで商社時代はユーザーの喜びに触れることはなかったが、堀商店では直接お客さんの喜ぶ顔を見ることができる。多くの子どもたちを笑顔にする仕事を生業とする方たちに自分たちの商品を販売して、喜んでもらえる。それが何よりも嬉しいと思った。

堀商店で働き出してからは営業など通常業務を覚えることから始めたが、父たちが作り上げて来た会社が”いい会社”だと実感することが多く、社員みんなとの関係性も商売の仕組みもすごいと思った。幅広く知って頂くことで伸びしろがあると感じたため、広報にも力を入れた。

おもちゃのかべ

2020年コロナ禍となりイベントなどが相次いで中止となっていく。その中、千葉県の幕張メッセで開催された「イベント総合エキスポ」に出展。問屋が展示会に出店するのは珍しいのだが、JETROが発表している展示会リストをくまなく探し、自分たちが出展するに適した場所として「イベント総合エキスポ」を見つけた。イベントに関わる方たちに提案できると考えた。1万種類以上ある品揃えをPRするために玩具などをベニア板に貼り展示してみたら、あるお客さんからその壁が欲しいと言われた。考えもしなかったオーダーだったが、すぐに段ボール製作の会社に設計と制作をお願いし、「おもちゃのかべ」が完成した。

おうちで縁日セット

全国的に祭りや花火大会が中止に追い込まれるなかで、お祭り文化を守りたいと考え、PR会社の一旗に相談し、自宅でお祭りの楽しさが味わえる縁日グッズの詰め合わせセットを企画した。「セルフ縁日」プロジェクトと題し、クラウドファンディングのCAMPFIREを使い、2020年7月にスタート。予想以上の400万円近い支援を集めた。実際には箱詰め作業など大変だったそうだが、チャレンジできたことが大きな財産となった。

これからどうしていきたい

地元で70年以上商売した会社だが、地域にお返しできていないと感じている。問屋街でもある明道町から地域を盛り上げていきたい。

最近は地元イベントとしてハロウィンラリーを開始した。2020年に1回目をスタートして、店舗をめぐってスタンプラリーをしながら、トリックアトリートと店員さん言うとお菓子がもらえるという企画で、親子で参加できるので、親御さんと店舗とのコミュニケーション、ファンづくりのきっかけにもなった。1回目は20店舗、100人のお客さんが参加し、翌年の2回目はデジタルスタンプラリーにバージョンアップして65店舗、1,000人ものお客さんに参加してもらった。地元の円頓寺商店街と一緒にイベントができたのが嬉しかった。今後はさらにエリアを広げて名古屋を盛り上げたい。

パッションポイント

雑貨屋

公式サイト、出版物など

堀商店 会社紹介

通販サイト

Twitter(@horishoten) 堀商店【公式】@景品・販促品はおまかせ

Instagram 株式会社堀商店

チケット(私のできること、得意なこと)

・堀商店の実店舗に、ソーシャルタウンガイド見た言って来てくれたら店舗案内します

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

新道中央公園
愛知県名古屋市西区新道2丁目13−1

なごのキャンパス (写真は1周年イベントでプチ縁日を開催した様子)
愛知県名古屋市西区那古野2丁目14−1
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

南アフリカのイタリアン

つながり

清水夏樹(ソーシャルデザイナーEarth.)

田口大輔(チャリチャリ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

清水夏樹さんからの紹介でインタビュー。おもちゃのかべに、おうちで縁日。どれも楽しそうでいいアイデアだなと思いました。お祭りや花火大会などなかなか出来ないですが、近い将来お祭りなどに多くの人たちが集まって賑わう日が来ることを願ってます。名古屋にも遊びに行きます!(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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