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【千葉】石神貴子(The Hive and Barrow)

留学先のロンドンで旦那さんと出会い、リーマンショック後に千葉県に移住。山を自ら開墾し農業をはじめた石神貴子さんにインタビュー。

プロフィール

石神貴子 プロフィール

1979年千葉県生まれ。私立鹿島学園高校を卒業後、1998年に渡英留学。

2000年に現在の夫と知り合い、2004年に結婚。ロンドン東区のハックニーに居住し様々な人種や文化に触れ刺激を受ける。

ロンドンでは食品卸会社の営業職から、大手飲食チェーンのバイヤー兼商品開発を経て、2010年夫のリクエストで日本に帰国。

2011年に約3100坪の土地を自ら開拓、必要な部分を必要なだけをモットーに、自然と共存しながら農業経験ゼロの夫婦が農業経験ゼロの土と歩むThe Hive and Barrowを立ち上げる。

農作物や加工品を製造から販売まで行い、農園には併設の週末だけのカフェThe Ploughmanをオープン。完全予約制でお野菜バカ丸出しのお野菜ランチの提供や、不定期に”お総菜倶楽部”と称したおかずイベントも開催している。

10代でイギリス留学

出身地は千葉県銚子市で、高校を卒業後は大学に進学せず、海外留学の道を選ん だ。当時は就職氷河期で大学に進学しても就職先がなかなか決まらないという時代 でもあった。小学生の頃から英語塾に通い、中学では全国スピーチコンテスト でも賞を受賞したことがあったので、海外でも通用すると自信もあった。さらに海外に 行けば語学が身につくと思ったが、親からが反対されていた。それでも説得し短大に 通う分は資金を工面してくれてイギリスに飛び立った。当初は 2 年間の予定だった が、遊び呆けてしまい 1 年で生活費を使い果たしてしまった。

資金が底をつき、1 年で両親に強制的に帰国させられてしまう。語学の方も自信満々 で行ったものの、イギリスの英語にまったく通じず、ロンドンではなくイギリス郊外の街 の学校に通っていた。とにかく自由でいて、世間体を気にせず暮らせる感じがとても 気に入っていたそうだ。日本に帰国して半年、どうしてもイギリスに戻りたいという気 持ちが抑えきれず、ベルギーの音楽祭に参加した友人がやるバンドの手伝いとして 再びヨーロッパへ。そのバンドのツアー先のロンドンで後に結婚する旦那さんのフィル と出会う。当時はお金もなく、無料で泊まれる場所を探していたところ、その彼を紹介 してくれて出会った。

再びイギリスへ、そして結婚

そのバンドの手伝いが終わり日本に帰国するが、ロンドンでの自由さを忘れることが できず、フィルに連絡を取り始めて、所持金 20 万円でイギリスに戻っていく。それから 同棲が始まり、イタリアンカフェで働きながら過ごし始めた。イギリスでの生活が 4 年 ほど経った時、ビザが切れる期限が迫っていたため、結婚しないとフルタイムで働くこ とができず、25 歳でフィルと結婚をした。結婚後は正社員で食品関係の会社に勤務し、バイヤーなどの仕事をしていた。そのままずっとイギリスで暮らしていくつも りだったが、そのな最中にリーマンショックが世界中で巻き起こってしまう。

周囲の会社が相次ぎ倒産、旦那が勤めていた会社でもリストラが始まって、このまま ではいけないと思った旦那さんは、突然農業を始めたいと言い出したという。やっとつかんだ安定をあきらることを拒んでいたものの、旦那さんの熱意に押される。イギリス郊外で探していたが、土地が広大で金額も高い。そのほかの国でも探した がなかなか良い場所が見つからず、しぶしぶ日本に 2 人で移住することを決めた。

千葉に移住し、農業を始める

千葉県匝瑳市(そうさし)で 3100 坪の土地を購入、山を夫婦 2 人で開墾した。畑では 芽キャベツなど年間 50 種類の野菜を栽培、そのうち 30 種類ほどが西洋野菜を作っ ている。ニワトリも放し飼いで飼っていてる。農園の名前を「ザ・ハイブ・アンド・バロウ」と 名付けた。由来は響きの良さと、ロンドンで生活していた頃に養蜂を手伝っていたこと があり、ビーハイブ(蜂の巣)とハイブ(群衆)、手押し車で行商する人(バロウボーイ ズ)から名前を取ったそうだ。

また併設して完全予約制のカフェ「ザ・プラウマン」もやっている。採れたての野菜は マルシェや対面販売をはじめ、高島屋にも野菜を出荷してる。他にも真空パックのピクルス などオリジナルの加工食品も作っていて、これまでに 1500 種類も開発したそうだ。

これからどうしていきたい

なにかおかしいだろと、思った時に新しいことをやってみる。

パッションポイント

おりがみ、食べ物を見直す、未知の遭遇

公式サイト、出版物など

Hive & Barrow

Facebook The Hive and Barrow

Instagram(@the_hive_and_barrow_)

チケット(私のできること、得意なこと)

・研究材料の結果をお見せします。野菜に食べれない部分はない。捨ててる部分をどう活用するか教えます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

自分のカフェ「ザ・プラウマン THE PLOUGHMAN」
千葉県匝瑳市小高599

飯高寺(飯高檀林)
千葉県匝瑳市飯高1789

お気に入りの場所(アウェイ)

ハックニー(イギリス)

つながり

豊田維(no Wave)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

豊田維さんからの紹介でインタビュー。とにかく明るい。話してるだけで楽しくなってきます。それでいて多岐に渡って活動されていて、凄いと思いました。イギリスの田舎の風景を切り取ったようなThe Hive and Barrowに、お邪魔したいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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