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【さいたま】三ツ口拓也(一般社団法人うらわClip)

不動産会社に勤める傍ら、さいたま市役所前の広場等で「うらわLOOP」というイベントを開催している三ツ口拓也さん。

プロフィール

1981年、愛知県豊田市生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、アメリカにて農業に従事。帰国後に農業生産法人の設立・運営に携わる。レストラン事業、教育事業に従事した後、マンションデベロッパーに勤務。住まいを通じたコミュニティづくり、ブランディング、マーケティング、CSR・CSVの推進を担い、現在は「ミュージション」という防音賃貸マンションの仲介管理業務に従事。NPO法人緑のカーテン応援団・理事。2019年から一般社団法人うらわClipの共同代表に就任。2021年、コミューンときわ・フェローに就任。浦和区民。宅地建物取引士。

緑のカーテンとの出会い

愛知県豊田市で生まれ育ち、高校時代には青年海外協力隊に憧れ、いつか海外に行きたいという夢を抱いていた。北里大学の卒業を迎える頃、就職氷河期が続いていて就職するのも厳しい時代で、どこで働いていくかはっきり決めれずにいた。海外で経験を積みたいとの想いもあったので、カリフォルニア州サリナスの農場で、農業研修生として渡米。石川好さんの『ストロベリー・ロード』という小説にも登場した町で、現地のナーセリーで1年半汗を流した。

帰国後は、大学時代に知り合い遠距離恋愛していた彼女の知人の会社で、栃木県鹿沼市(旧粟野町)に農業生産法人を設立、運営をし有機農産物の生産に従事。その後、東京都板橋区に農業塾とレストランを開く。そこで環境共生型マンションを手掛けていた不動産会社リブランの社長と出会い、ゴーヤーなどを使った緑のカーテンの取り組みを知った。その取り組みを板橋区内の保育園と小学校で導入することが決まり、2000鉢の苗を栽培し納品したのをきっかけに、「NPO法人緑のカーテン応援団」の理事に就くことになった。

リブランに入社

2007年、リブランに入社する。それまで農業や飲食、エデュケーションをやってきて、人の暮らしを作っていくというビジョンに共感した。リブランでは、2018年3月まで宣伝部にいて、住まいを通じたコミュニティづくり、ブランディング、マーケティング等を担った。その間、まちに開いたカフェ「&LIvlan(アンドリブラン)」を開店する他、リノベーション専門店「てまひま不動産」の立上げに関わった。2018年4月から営業部にて分譲住宅の売買を、2020年2月からミュージション事業部に移り、かつて音楽をやっていた経験も活き、防音・遮音効果を高めた24時間楽器演奏推奨賃貸マンション「MUSISION(ミュージション)」の物件仲介業を担っている。

うらわClipの「うらわLOOP」

「&LIvlan(アンドリブラン)」では、毎日のようにマルシェを開いたり、地域の作家さんの展示や、ワークショップの開催などを通じて地域とのつながりが濃厚になっていた。仕事だけでは出会えない数多くのまちの人と出会った。リノベーションスクールが豊島区で開催することを知り、夫婦で参加。スクールでは刺激的な面白さを感じる一方で、住んでいた浦和でまちに接続する活動が出来ていない寂しさも同時に感じた。そこで学んだことを浦和でも実現したいと思い始めた。

その頃、父と子供の遊びをつくるダディ会という活動をしていた長堀さんと出会う。浦和生まれ浦和育ちの彼と一緒に話をしていて、自分たちの街で何かをしたいと意気投合。さらに、子どもが通う「母の会こども園」で知り合ったパパ友仲間を誘って任意団体うらわClipを設立した。同時期にリノベーションスクールで講師等をしていた宮本恭嗣さんと奥さんが浦和駅前で再会し、宮本さんに市役所前の広場について教えてもらい、そこでナイトマルシェの企画が一気に進んでいく。2018年夏に「うらわLOOP」と題し、さいたま市役所前の広場と水の流れる段床で、夕方から20時までマルシェを出店。いつもは閑散とした広場に、子どもたちが遊び、都内から仕事帰りのパパ、ママも一緒になって楽しむイベントになった。

毎週水曜日は市役所の職員はノー残業デーでもあり、18時を過ぎると5000人近い職員が一気に役所から出てくる。それまで職員と市民とがふれあう場もなかったので、このイベントをきっかけにお互いの心の距離も近くなった。「うらわLOOP」のLOOPは、地元メガネ屋・ポンメガネの松沢さんが名付けてくれた。地域の魅力的な商店同士が繋がるように、お客さんも地元で消費してほしいという願いからLOOPと名付けた。また浦和という土地柄と歴史から、コミュニティの境界線・分断があり滑らかにしたいとの想いで「うらわ」とひらいて表現した。そして、新たに「うらわ圏」という関係性から成り立つ圏域を設定し、この地域に愛着がもてるような価値を繋ぎたいという想いで「うらわClip」という名前の任意団体を発足。2019年に法人化し、一般社団法人うらわClipとなった。

これからどうしていきたい

「うらわLOOP」のようなハレの日をまちなかに作るだけでなく、この街に愛着が持てるような日常の光景を作りたい。子どものふるさとの景色を作りたい。

今後は、まちなかに「お店を開いてみたい」というチャレンジを応援する、曜日替わり移動式の、モバイルシェア屋台「うらわstand」を計画している。市内の公園や商業エリアなど様々な場所で出店し、うらわ圏をキャラバンしていきたい。

パッションポイント

山登り、キャンプ

公式サイト、出版物など

一般社団法人うらわClip

Instagram  (@urawaclip)うらわClip

ミュージション

チケット(私のできること、得意なこと)

・浦和界隈の面白い店を紹介します。はしご酒しましょう。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

別所沼公園(ヒヤシンスハウス)
埼玉県さいたま市南区別所4-12-10
公式サイト

ポンメガネ浦和
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-6-9信陽堂ビル1F
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

豊田市駅東口まちなか広場(とよしば)
愛知県豊田市喜多町2丁目101
公式サイト

つながり

宮本恭嗣(ハムハウス)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

宮本さんからの紹介でインタビュー。経歴を見てどこから話を聞いても面白い。うらわLOOPの取り組みもしかり、緑のカーテンの話もしかり、カリフォルニアでの話も面白かったです。またゆっくりお話聞かせてください。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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