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【東京】大川朝子(地域魅力発見人)

神奈川県真鶴など、全国各地域の人たちによって盛りがあがる街に旅をする大川朝子さんにインタビュー。

プロフィール

旅行ガイドブックを出版する会社にて地域に旅好きな女性を誘客する地域プロモーションや旅行グッズなどの女性向け商品の企画・運営を担当。ライフワークとして住民により盛り上がり魅力的な町になっているような地域に旅するのが趣味。

地域の魅力の発見がライフワーク

生まれは北海道で、育ったのは青森県八戸市。それでも両親が転勤族だったため、故郷というものを意識したことがなくノーホームタウンだと語る。いろんな街に住んでいても地元の人の地域愛との温度差を常を感じてきた。自分には郷土愛を語れる故郷がないと思いながら過ごしてきた。

大学を卒業後は出版社に就職して、それ以来旅行ガイドブックに携わってきた大川朝子さん。全国各地に旅行や取材を訪問している中で、なんでもない地域が盛り上がっているところに行くのが一番好きだという。離島などでもそこの隅にこそ宝物がある。まさに各地を巡ってきたからこそ出てくるキーワードだ。

有名な観光地に行って、そこの美味しいグルメを楽しむという旅行よりも、その街の人と話をしふれあう方が、そこのコミュニティや風土文化を感じる。最近は地域思考になっていて、第二の故郷とも言えるようなそんな地方を探し求めているそうだ。現在は出版社に勤めながら、大学院で神奈川県真鶴、徳島県神山町など人口減少地域といった地方の研究をしているという。

最近通っている神奈川県真鶴町は、人と人との距離感がちょうどよく、人が温かい。移住者の方は町の人と風土をとてもリスペクトしているのが印象的だと語る。なぜ特定の場所で移住者が増えてるのか。秋田の山間部でも人が集まるのかなど。過疎地域で何か盛り上がってるのが気になるそうだ。それは自然環境だけでなく、人的な要素があるのではないか。そこで地方の風土やコミュニティについて興味が湧いてきた。

「長崎さるく」に出会う

長崎の「さるく」をご存知だろうか。「さるく」とは、まちをぶらぶら歩くという意味の長崎の方言で、まち歩き観光の代名詞にもなった。やがて自然発生的に全国に広がり、女性誌なども相次いで特集を組むなど、まち歩きが観光の楽しみ方として定着していった。2015年に町の人の案内で、そこに今生きる方々の営みや生活の息吹を通して長崎の歴史や文化がわかることに衝撃を受けた。こういう人の出会いがあると忘れない旅先、土地になった。住民と触れ合うのが大事だと思った。

人に会いに行く旅

ただ観光スポットだけを巡る旅ではもったいない。「忘れられない旅」「地域の魅力を知る旅」にしたいなら、ぜひ全国のまち歩きのシステムを使って欲しいと語る。いかにそこの地域の人と触れ合うか。真鶴では街の人との関係性を構築できるようにしているそうだ。2週間ほど九州旅行をしたことがあり、唐津や有田など陶器を巡る旅をした時のこと。行く先々で街の人たちがよく来てくれたと地元の魅力を案内してくれた。どこも暖かく、その体験が「人に会いに行く旅」の魅力を発見させてくれたそうだ。

2020年のコロナ禍になる以前までは、1年に20回くらい気になる地域にプライベートででかけていた。時々「旅講座」をプライベートでやっていたり。ひとり旅がさびしいと思う余地のない、とっておきの旅のコツとかを伝えるイベントもやっていたそうだ。

これからどうしていきたい

今後は“旅の形態”が変わると思っている。全国各地が魅力的であり、特に交通の便が悪いところほど宝があるので「人に会いに行く旅」をテーマとして、地域に興味がある旅行者と地域をつなげ、全国各地に人が行き交うような取り組みをしてけたらと思います。

パッションポイント

何もない町はなく、各地が魅力で詰まっていると信じていること。地元愛が美しいと思っていること。

チケット(私のできること、得意なこと)

・いろんな地方の魅力的な街や穴場を紹介します。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

日本民藝館
東京都目黒区駒場4丁目3−33
公式サイト

東京で一番好きなところは?と聞かれたら日本民藝館です。同郷である棟方志功の影響があり、民藝に強く惹かれ全国の民藝巡りもしていますが、心落ち着きたいときに訪れます。

つながり

鈴木真紀子(うさみみ まちライブラリー)

・平井丈夫(小田原まちセッションズ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

鈴木真紀子さんからの紹介でインタビュー。話を伺っていて「人に会いに行く旅」というキーワードを聞いた瞬間。同じことを考えている方がここにもいたと嬉しくなりました。初めはお仕事も話も聞きたかったのですが、非公開でとのことでしたので、そこは伏せておきますが、個人的に大好きなガイドブックです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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