100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【大阪】甚田知世(一般社団法人Re)

結婚や出産を経て、地元大阪に戻りコミュニティ活動やSDGsをテーマにした本「RE EDIT」発行やシェアスペース「space SUEMURA」運営を行う甚田知世さん。

プロフィール

株式会社Add Wall ディレクター
一般社団法人Re 代表理事

1987年生まれ、堺市出身。
娘の出産を機に、まちづくりに携わる。現在は、株式会社Add Wallディレクター、一般社団法人Re代表理事、まちの未来を育む読者参加型マガジン『RE EDIT(リ エディット)』と『わたしのまちの、くらしの博物館space.SUEMURA』発起人など、多くの顔を持つ。SDGsという言葉がなくなる=当たり前になる社会を目指して、既存の価値観や方法にとらわれず、トライアンドエラーを繰り返すプロジェクトマネージャー。

仕事、結婚、出産で自分を見失う

大阪府堺市で生まれ育ち、高校卒業後は、美容専門学校で学んで美容師になった。憧れて始めた美容師だったが営業日は夜遅くまで働き、休みの日はコンテンストの準備と休みなく働く現実に疲れて、2年で辞めた。当時は1人暮らしをしていたこともあり、すぐに仕事を見つける必要があり、美容師ではなく短期でアパレル販売の仕事を始めた。するとこれが自分には合っていて、早番や遅番のシフトで自分の自由な時間が持てることに喜びを感じた。そして次の仕事もアパレル販売の仕事に就き、社内史上最速&最年少で店長にもなった。

23の頃に恋人と婚約して、事務の経験を積んでおけば、将来いろんな仕事ができるのではないかと思い、医療事務資格を取得した。結婚を機にご主人の仕事の関係で上京し、秘書事務に転職した。26歳で子どもを出産、地元ではない孤独さと慣れない育児で、育児うつのような状態になってしまう。我が子の母親か、夫の妻か、個人のアイデンテティを失ってしまった気がした。そんな時に、地域に次第に興味を持ち始め、外に出ようと社会復帰を目指す。

大阪でコミュニティ活動を始める

子どもをあずけないと仕事ができないこともあり、自然と地域に目が向いた。介護施設などで赤ちゃん先生という活動を始め、赤ちゃんを先生役に見立てて、小学生に教えたり、介護施設で赤ちゃんとのふれあいを行って元気になってもらったりした。そして地元の大阪に戻りNPO法人SEINで働き始める。南大阪子育て支援ネットワークが開催した堺市シティプロモーション認定事業「堺で見つける!子育て×はたらくフォーラム」や、「子ども食堂モデル事業」にて“子ども食堂ガイドライン”の作成に関わった。

泉北高速鉄道泉ケ丘駅前で開催した「いずみがおか広場つながるDays」では、泉北エリアを中心に出展者が集まり、雑貨店、カフェ、DIYのお店、地元で活動しているフラダンスのステージ発表など、駅前広場の風景を一変させ賑わいを作り出した。

「RE EDIT」を毎年発行

2017年から、市民活動として『まちの未来を育む読者参加型マガジン「RE EDIT」』を立ち上げ、みんなの知恵を地域のために役立つものを発信する本を年に1度、クラウドファンディングで資金調達して発行している。SDGsをテーマに毎号、目標テーマを変えて特集を組んでいる。SDGsが当たり前になる社会に貢献することを目的に、自分たちの住む地域から、共に行動する人を増やしていこうと始めた。

わたしのまちの、くらしの博物館 space. SUEMURA

「RE EDIT」の発行後に反響も大きくなり、行政からも冊子の制作を依頼されるなど仕事も増えてきたことや、同じような未来を目指して取り組んでいた泉北エリアのヨガインストラクターのコミュニティ「senbokuyoga」を主宰している三浦祐美加さんと意気投合し、既存の枠にとらわれない組織をつくろうと、一般社団法人Re も発足させた。さらに堺市立大蓮公園にある「旧泉北すえむら資料館」の収蔵棟1階部分をリノベーションして、2021年8月に「好きや得意を活かす」「自然と共存する暮らしを体験できる」の2つの願いを叶えられる場として「わたしのまちの、くらしの博物館space.SUEMURA」をオープン。

雑誌づくりをしてきて、編集部を持たずに活動していたが、「地域内循環の仕組みづくり」にチャレンジするために昔ながらの「村」をお手本に構築しようとプロジェクトが始まって実現した。「フードロス削減」「アップサイクル」「リサイクル」などの活動を通じて、ゼロウェイストを軸に、環境にも人にもやさしい「循環」の実現を目指す。

地元の塗装屋である(株)Add Wall が、ハード面、RE EDITがソフト面を担うことで実現したシェアスペース。ものづくりができるアトリエや、赤ちゃんからご高齢の方まで使える畳のお部屋など、カフェスペースも含めて、個人や市民活動団体等がギャラリー・イベント・ワークショップなどを開催できる。自然素材での染色や、余剰塗料の水性塗料を使用したワークショップも開催。

ゴミを出さない暮らしを実現すべく、ゴミの回収、ペットボトルの回収なども設置して、住民たちに呼びかけている。

これからどうしていきたい

地域という単位で、サーキュラーエコノミー(循環型の経済システム)を構築したい。

パッションポイント

仕事

公式サイト、出版物など

Re(アールイー)

わたしのまちの、くらしの博物館space.SUEMURA

Instagram (@space.suemura)

チケット(私のできること、得意なこと)

・泉北で1日遊ぶプランを考えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

泉北ニュータウン上神谷地区の田園風景と住宅
大阪府堺市南区

お気に入りの場所(アウェイ)

沖縄

つながり

橋本佑美(おばんざいバルりんご屋)

池田美砂子(Cの辺り)

加藤麻理子(サルトコラボレイティヴ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

橋本さんからの紹介でインタビュー。大阪でコミュニティ活動をされてからの話とそれ以前の話が違っていて、人生何が起こるか分からないなと思いました。泉北での活動はどれも素晴らしくて、大阪に行った際にが施設は見学に行きたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧