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【川崎】宮川恒雄(エヌアセット)

憧れの上司が経営する不動産会社に転職、その後経営破綻となるも、現会社をMBOして地域に根ざした不動産会社として成長拡大させた宮川恒雄さん。

プロフィール

株式会社エヌアセットホールディングス 代表取締役社長
株式会社エヌアセット 代表取締役社長
株式会社のくちのたね 代表取締役社長

1971年京都府京都市生まれの大阪育ち。神戸大学農学部卒業。
1994年、総合商社に就職し、分譲事業を中心とした不動産ビジネスに従事。その後総合商社時代の上司が立ち上げたベンチャー不動産会社に転職し、3つの新組織と新事業の立ち上げを行い、その会社の上場、破綻を経験する。

2009年には現会社をMBOし代表取締役に就任。2014年から街の価値を向上することが不動産会社の使命と認識し、高津区に住みたい人、住み続けたい人を増やすための取り組みに注力し始める。

将来的な目標は高津区を住みたい街、住み続けたい街にするとともに、日本全国で街の価値を向上させたい不動産会社をサポートすることで日本全国に住みたい街、住み続けたい街を増やすことを目指す。

趣味はゴルフとおいしいお酒。ひそかに、何かおいしいお酒を高津区の名産品にできないか企んでいます()

関西で育ち、上京して新卒で商社マンに

京都市で生まれ、大阪の河内長野市で育った。小学生の頃はパイロットやコック、プロゴルファーに憧れていた。小学3年生から高校までサッカーに汗を流し、ゴールキーパーを務めていた。大学は神戸大学に進むが4年間はサークル活動に没頭。1994年に新卒で伊藤忠商事に就職し、就職を機に上京した。伊藤忠時代は不動産部門で5年間、分譲事業の用地仕入れ、企画販売などを行った。

社会人3年目に尊敬する上司と出会い、「give & give & take=与えて、さらに与えて、得る」といった基本的姿勢や人生の目標の在り方等を教わった。自分の人生観を変えてくれた先輩である。ただ儲けるだけではなくお客さんへの想いや人を動かす極意を教わった。その上司が不動産会社を起業することになり、宮川さんも誘われて1999年に転職した。2005年にはジャスダック、東証二部にも上場。業界内でも知る人ぞ知る存在でもあった。

地域密着の「エヌアセット」がスタート

順風満帆に見えた最中リーマンショックが直撃。その不動産会社は経営破綻してしまう。宮川は2009年にその会社を入札にて買い取り、「エヌアセット」としてのスタートを切った。その当時の社員は16人くらいであった。経営破綻した会社の子会社というイメージを払拭するのに苦労した船出でもあったが、着実に立て直していった。東急田園都市線沿線の溝の口という商圏を背景に、賃貸物件の管理業務、賃貸・売買仲介、資産コンサルティングなど事業を安定化した。

2011年にはベトナムにも会社を設立し、ベトナムの日本企業の不動産全般のサポートを行っている。川崎市高津区で行っている取り組みは、川崎で野菜を作っている大家さんが多く、入居者や地域の人たちにも知ってもらおうと野菜市を定期的に開催している。またゴミ拾いボランティアの「グリーンバード」活動や少年野球大会のスポンサーになるなど地域密着の姿勢を崩さない。さらに女性社員の提案で、産後も職場復帰しやすい環境を作りたいとの提案を受け、保育園も開園した。

シェアオフィス「nokutica」

2017年12月「まち・まるごとオフィス」プロジェクト第1弾として、築90年の元診療所兼住居を改修したシェアオフィス「nokutica」をオープン。溝の口の愛称である「ノクチ」から由来し、溝の口から始める。新たな価値を発信し、新しい文化をつくりたいという意味を込めているそうだ。

1階には「二坪喫茶アベコーヒー」が出店。建物の前の通りからもコーヒーを買えるので、シェアオフィスの利用者のみならず、地域にも開かれた場所になっている。1階にはレンタルスペース、コワーキングスペース利用者用のラウンジとキッチン、2階はコワーキングスペースとレンタルオフィスが5室ある。

写真:小川拓郎

 

2018年には、企業主導型保育園「こころワクワク保育園」を開園。2019年11月には、「まち・まるごとオフィス」プロジェクト第2弾としてシェアマーケット 「Nokuchi lab.(ノクチラボ)」の企画提案と建物の管理をサポートしている。

シェア型複合施設「one」

2020年10月「まち・まるごとオフィス」プロジェクト第3弾は、老舗文房具店「イシハラi-box」の1F、2Fをリノベーションしてシェア型複合施設「one」をオープン。歴史のある場所にただテナント誘致するのではなく、街の価値を高められるようなスポットを目指す方向性でオーナーと話を進めた。また、ワーキングプレイスのニーズが増えてきたため、本社・営業店舗とコワーキングスペース、レンタルオフィス、レンタルスペース、「nokutica」で街と施設との接点を作る効果の高かったテイクアウトカフェをテナントとしたシェア型複合施設をオープンした。

1階は、コワーキングスペース、テイクアウト用カフェ「二坪食堂」(一部施設内利用可)、レンタルオフィス2室、防音個室2室、レンタル会議室。2階は、エヌアセット北口店、エヌアセット本社、レンタルカンファレンスルーム、共用スペースが入っている。

これからどうしていきたい

川崎市高津区を発信し、住みたい人、住み続けたい人を増やしていきたい。

また、コワーキングや保育園の運営、小学校のキャリア教育の出張授業への参加や少年野球のスポンサーなど、引き続き地域の人を応援する取り組みを行い、ゆくゆくは全国の地域に密着して奮闘している企業に当社のノウハウを提供していきたい。

パッションポイント

ゴルフ

公式サイト、出版物など

株式会社エヌアセット

溝の口のコワーキングスペース 「one」

チケット(私のできること、得意なこと)

・希望に沿ったお部屋を紹介します。
・溝の口で、個人経営の美味しい飲食店を紹介します。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

二ヶ領用水

溝の口西口商店街の風景

お気に入りの場所(アウェイ)

大阪府河内長野市

ホーチミン

つながり

山本美賢(ノクチ基地)

石井秀和(新城WORK)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

宮川さんとの出会いは、グリーンバードの新チームが溝の口や武蔵新城に出来た頃に、会社へお邪魔したのが初めてだったと記憶してます。一見お堅い不動産屋さんというイメージがありましたが、地域に寄り添った不動産屋さんという印象を受け、いい会社だなと思いました。それ以降コワーキングなどができるタイミングでもお邪魔したり、クラファンのご支援もいただいたりといろいろお世話になりました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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