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【沖縄】神谷康弘( 名護ビール )

コールセンター立ち上げで沖縄に赴任するもリーマンショック後に独立、名護ビールの立ち上げに活躍された神谷康弘さんにインタビュー。

プロフィール

一般社団法人地域開発振興協会理事長 神谷康弘
1972年生まれ、群馬県出身。外資系保険会社AIG(アメリカンホーム保険会社)コールセンターマネージメントに携わる。1998年沖縄県に大規模コールセンターを設立する為に沖縄へ赴任。沖縄Unitのマネージャーを務める。現在、企業コンサルティング、ファシリテーション業務等を行う。数店舗の飲食店や宿泊施設、沖縄セレクトショップ通信販売サイト等を経営。オリオンビール株式会社『Premium Craft 75BEER』発売にも携わる。

沖縄でのんびり暮らしたい

外資系の保険会社のコールセンター立ち上げで沖縄に引っ越してきた神谷さん。リーマンショックなど経験し、独立してからは主にコンサルティングなどを行いながら、「ぽんぽこ居酒屋ぽこぽん」や「サンセットリゾートかぬたん」の運営も行っている。いつかは沖縄でのんびりと暮らしたいと思ったそうだが、いつも忙しい毎日だと語る。居酒屋は、2015年にシャッター通りにとなった商店街で5年ぐらい空いているけど入らないかと誘われて開業したそうだ。出身地の群馬県に、童話「ぶんぶく茶がま」のもととなった館林市があることから、「ぽんぽこ居酒屋ぽこぽん」という名前にした。もともと祖父が洋食屋をしていて、使っていた機械を持ってきた。お店でつくるラーメンの麺は、祖父が1972年から使ってきた機械を使った自家製麺という。料理は子どもの頃に仕込みをしないと遊びに行けなかったから、その時に覚えた。

 

クラフトビールでまちおこし

名護市で創立されたオリオンビール。沖縄県内唯一のビール工場がある。そのビールで町おこしが出来ないかと考えた。以前からそういう話はあったそうだが、誰も本気で考える人はいなかったという。ある日、友人らと工場見学に行こうという話になり、そこでオリオンビール側から、名護のビールを作ってはどうかと提案された。しかし誰もが先の話か、聞き間違いだろう思ったそうだが、神谷さんは後日、あらためて聞いたところ本当の話だったそうだ。ビールメーカーは試験醸造を作って破棄するのはもったいないので有効利用したらどうかという提案だった。

その後神谷さんが中心となってプレゼンテーションをし、ビール自体はオリオンビールが費用を負担、ラベル代は販売価格にのせるとなった。発売予定まで8ヶ月という短い期間でクラウドファンディングや商店街の協力、広告なども行った。メーカー側も技術向上の目的も兼ねて、クラフトビールに挑戦。味にこだわり、ホップ選びもメンバーでやった。名護の特産品を連想させるものとして、勝山シークワーサーの香りを活かし、ビールの色合いは市民にアンケートをとって名護湾の夕日の色にしようとなった。そして「75(名護)ビール」は2万3,000本を完売。最速記録で売り切ったため、買えず飲めなかったという嬉しいクレームも数件届いた。本来は1年で終える予定だったが、好評だったというのもあり、翌年からオリオンビールが商標を買い取り、地域に根ざしたビール商品として全国発売となった。

これからどうしていきたい

名護子ども食堂をやっていて、6年目になる。沖縄では貧困問題が大きな課題で、子どもたちが苦しんでる。大きくなって非行に走る子どもも多い。東京学芸大学と提携して、福祉と教育という観点で子どもの力をつける、学習支援、教育、未来を手に入れる環境を整えている。将来の大きな夢は子ども食堂を無くしたい。

パッションポイント

クラフトビール、水泳

公式サイト、出版物など

名護こども食堂

ぽんぽこ居酒屋ぽこぽん

おきなわセレクトショップOKINAWA SWITCH

海辺の宿 かぬたん

75BEERセミナー

チケット(私のできること、得意なこと)

・フードペアリングできます。ビールに合う食事教えます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

ナングスク(名護城址)からの景色
沖縄県名護市名護5511
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

吹割渓谷
群馬県沼田市利根町大字追
公式サイト


写真提供:沼田市観光協会

つながり

山川敬(勝山BASECAMP)

・千葉智雄(トライアスロン代表コーチ)

儀間敦夫(オリオンビール)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

山川さんから紹介。宿に居酒屋にクラフトビールにコンサルティングもやって、ごく普通に話されて、あとで振り返ると真似できないバイタリティーだなと思いました。のんびり過ごすどころか益々アクティブな印象ですが、最後に子ども食堂を将来無くしたいという話を伺って、その一歩一歩が産業と雇用を生んで、子どもたちの貧困もなくなっていくといいなと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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